ガリカニスムの展開と王権神授説とは? わかりやすく解説

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ガリカニスムの展開と王権神授説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「ガリカニスムの展開と王権神授説」の解説

王権神授説」および「ガリカニスム」も参照 歴代フランス王自国教会管理権権益を自らの支配下置こう腐心し、これを「ガリカニスムフランス教会自立主義)」と称するが、他方ではそれと並行して伝統的なカトリック教義保持することにも努めた。その点からいってルイ14世親政下で権威的存在となったのは、上述したジャック=ベニーニュ・ボシュエ神父であった宮廷説教家にして国王顧問であると同時に王権神授説の熱心な提唱者でもあるボシュエ雄弁説教文体は、初期フランス文学代表する典型的な散文であり、フェヌロン大司教らの説教家とともに当時カトリック説教史における重要な時代つくったジャンセニスムキエティスム排斥されたのはカトリック伝統保持するためであったが、キエティスム擁護したフェヌロン上述したとおり、職を追われた。 1682年ルイ14世聖職者会議ボシュエの「四箇条の宣言フランス語版)」を受諾させ、教会王権支配下に置くことに成功した。これはガリカニスム現れであり、教会会議ローマ教皇権威上に置いてフランス教会ローマから独立させるものであったルイ14世は「レガール」(国王特権)によって国王聖職者への任命権をもつことを目指したが、教皇インノケンティウス11世はただちに「四箇条」の無効宣言しルイ14世厳しく抗議した。約15年間、教皇庁フランス内での世俗権力による教会支配企て認めず国王任命した候補者司教任命しなかったために多く司教座空位となり、ルイ14世1516年コンコルダート含まれない特権への権利主張については取り下げざるを得なくなった王権神授説王権はじめとする君主権とは神から直接授けられたものであり、それゆえ国民臣民としてこれに絶対服従する義務があるという教説で、17世紀以前ヨーロッパで貴族聖職者特権強固に残り国家君主権力基盤脆弱だったところから君主の側によって強く求められたうえ、支持されてきた政治思想である。ポリティークの思想家であるジャン・ボダン主権理論にその萌芽認められ17世紀初頭イギリスではステュアート朝ジェームズ1世詳細後述)の登場とともに市民権獲得した。しかし、国王聖俗を神によって授けられているという思想は、ローマ教皇庁決し認めるところではなかった。1632年には法服貴族のカルダン・ル・ブレが『国王主権について』を上梓し、そのなかで王権は神から直接授けられたもので、国王他人同意も必要とせずに自由に法を作って解釈し廃棄できると説いたイングランドロバート・フィルマーは、清教徒革命前後に『制限王政無政府状態』(1648年)、『絶対王の必要』(1648年)、『政府起源論』(1652年)などを執筆し、これを定式化した。フィルマー主著『パトリアーカ(英語版)』(1680年公刊)には、『旧約聖書』を根拠として神が人類祖先であるアダム家族や子孫などを支配する権利授けたのであり、その権利代々家父長受け継がれ王権つらなるという考え示されている。王権神授説大成者として知られるボシュエは、その著作世界史叙説』(1685年)において、「神は国王使者としており、国王通じて人びと支配している。……国王人格神聖であり、彼にさからうことは神を冒涜することである」と記した

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