カムバック: 「世紀の決戦」とは? わかりやすく解説

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カムバック: 「世紀の決戦」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 03:16 UTC 版)

ジェームス・J・ジェフリーズ」の記事における「カムバック: 「世紀の決戦」」の解説

1908年12月26日ジャック・ジョンソントミー・バーンズ14TKOでやぶり、黒人初の世界ヘビー級王者となった白人の間では人種的な憎悪の念が広まり、彼らは「グレート・ホワイト・ホープ」(Great White Hope白人期待の星)の到来切望した作家ジャック・ロンドンは、引退して農園経営をしていたジェフリーズに対しアルファルファ栽培農園から出よ。そしてジョンソンの顔からゴールデン・スマイルを消し去るのだ」と要求した。ジェフリーズ自身はさして人種関係に興味持っていなかったが、報酬高額さもあり結局の所ジョンソンとの試合に臨むこととなった迎え撃つ王者ジョンソン記者団取材対し、「ジェフは年をとりすぎており、誰を相手にしてもまともに戦える状態ではない。かつての彼の姿を取り戻すことなどできはしない」とコメントした実際長らく試合から遠ざかったジェフリーズの体重は、全盛期220ポンドから300ポンドにまで膨れあがっていたのであるトレーニング減量試みたジェフリーズだが、その過程自身身体能力錆び付いている現実にも直面させられてしまう。彼は報道陣から自身衰えた姿を隠蔽するため、スパーリングスケジュール変更し、またパートナーも若いボクサーでなく古くからの仲間選んだ。このときジェフリーズのトレーナー務めたジョー・チョインスキーは「彼は明らかに精神的に苦しみもがいていた」と語っている。 1909年10月16日スタンリー・ケッチェルジャック・ジョンソン挑戦するが、12KO敗北。ジェフリーズは「ケッチェルが勝てば、私はトレーニング打ち切るつもりだ」と語っていたが、ジョンソンとの試合に臨まざるを得なくなった1910年1月7日付『ザ・ノーフォーク・ウィークリーニュースジャーナル』誌上では、プロレスリング世界王者フランク・ゴッチがジェフリーズの勝利を予言するコメント発表したゴッチはジェフリーズの友人であった)。しかし一方、同じ誌面で「プロレスの父」ことウィリアム・マルドゥーンは、「引退後6年で、ジェフリーズの身体は既に錆び付いている。ジョン・L・サリバンコーベット打ちのめされたのと同様の結果となるだろう」と冷静な評価下していた。 1910年7月4日ジャック・ジョンソン対戦両者とも握手拒否する緊張感のなかで開始されたこの「世紀の決戦であったが、試合一方的なものとなった。ジェフリーズ優勢と言えたのは4回のみで、このときジョンソン顔面をとらえ唇から出血させ観客を湧かせたほかは、終始劣勢にまわることとなった。そして15回、下あご強打受けたジェフリーズは、生涯最初ダウン経験することとなった。なんとか膝を突いて立ち上がるも、待ち構えていたジョンソン強打を受けロープ外にはじき出されてしまう。周囲の手借りなんとかリング内に戻った彼だが、ジョンソン攻勢を受けまたもダウン喫し、見かねたマネージャータオルを手にリング内に入ったところで試合終了となった15TKOというかたちで、ジェフリーズは最初で最後敗戦経験することとなった初めての敗北味わったジェフリーズは、頭を抱えながら「私はもはや優れたファイターではなかった。私はカムバックできなかった。みんな。私はカムバックできなかった」と呻いた。ジェフリーズ夫人打ちのめされた夫の姿を見て卒倒し、また陣営面々も涙を禁じ得なかったが、コーベット泣きながら「君はやれるだけのことはやった」と慰め、またフランク・ゴッチは「元気を出せ明日一緒に釣りに行こう」と励ました。またジェフリーズはコーベット対しジム、私がかつて倒してきた相手グローブ渡してきたのを知っているだろう。ジョンソンからグローブをもらえないか聞いてみてくれないか」と言ったジョンソンはその頼み聞き、「わかった記念に喜んで私のグローブ渡そう」と応じた会場観戦したジョン・L・サリバンは、勝者ジョンソンに誰よりも先に祝福言葉をかけ、新聞社に対しては「哀れにして一方的な試合だった」とコメントした。またジェフリーズを「グレート・ホワイト・ホープ」として担ぎ出した張本人であるジャック・ロンドンは "It was not a great battle" (「偉大な戦いではなかった」)と手のひら返して酷評した。「落ちた偶像となったジェフリーズは、失意の中で彼の農場へと帰っていった。敗戦後、彼が新聞社発表した公式コメントは「これで公衆は、私のことを放っておいてくれるだろう」と結ばれていた。

※この「カムバック: 「世紀の決戦」」の解説は、「ジェームス・J・ジェフリーズ」の解説の一部です。
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