オネスによるフーコーの振り子の研究とは? わかりやすく解説

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オネスによるフーコーの振り子の研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:19 UTC 版)

フーコーの振り子」の記事における「オネスによるフーコーの振り子の研究」の解説

オランダ物理学者ヘイケ・カメルリング・オネスヘリウム液化超伝導発見など低温物理学分野業績があり、1913年にはノーベル物理学賞受賞した人物である。オネスは、フローニンゲン大学1879年博士号取得したが、博士論文タイトルは「: Nieuwe bewijzen voor de aswenteling der aarde(地球の自転新たな証拠)」で、フーコーの振り子現象一般化レオン・フーコー示した地球の自転による振り子振動面の回転特殊な振り子であること)を示した研究であったオネスフーコーの振り子研究勧めたのはグスタフ・キルヒホフであったキルヒホフフーコーの振り子について、数学モデル実験結果が示す差異に不満を持っていた。オネスは、1872年の秋からフーコーの振り子実験取り組み一時中断した後、1876年春に博士論文テーマとした。 オネス実験使用した振り子は、弦が1.2mの細い銅管で、錘が質量15kgの鉛の球を使った支持装置は板バネ付きのダブルナイフエッジを使用した。また空気抵抗無視できるようにするため、振り子全体金属ケース囲み減圧して0.1気圧以下で実験行った。 また錘の軌道は、振り子取り付けられた鏡と、プリズムレンズ組み合わせ光学的に観察するようになっていた。振り子の鏡で反射された光は、金属ケースガラス窓通して装置外部出力され、これを拡大レンズ通して観察した接眼レンズには目盛刻まれており、振り子振動面の角度振幅正確に記録できた。 このように外乱可能な限り排除し地球の自転振り子軌道与え影響観察したが、時間経過すると錘の運動楕円になる現象生じたオネス装置の改良実験重ね2年歳月費やしたが、振り子軌道楕円になる現象解消されなかった。オネス実験結果理論面を見直し振り子楕円軌道によっても振動面の回転起きると考え方改めた理想的な振り子の弦の支点は、どの方向に錘を振動させても一点固定されていると仮定する。しかし、現実には機械的制約により縦方向便宜的に x {\displaystyle x} 軸方向)と横方向( y {\displaystyle y} 軸方向)の支点位置わずかにずれ、 x {\displaystyle x} 軸方向振動している時の弦長 l x {\displaystyle l_{x}} と y {\displaystyle y} 軸方向振動している時の弦長 l y {\displaystyle l_{y}} が異なることになる。従って、振り子運動方程式F x ≃ − m g x l x {\displaystyle F_{x}\simeq -{\frac {mgx}{l_{x}}}} F y ≃ − m g y l y {\displaystyle F_{y}\simeq -{\frac {mgy}{l_{y}}}} x {\displaystyle x} 軸方向振動周波数( ψ x {\displaystyle \psi _{x}} )と y {\displaystyle y} 軸方向振動周波数( ψ y {\displaystyle \psi _{y}} )が異な原因となる。 ψ x = g l x {\displaystyle \psi _{x}={\sqrt {\frac {g}{l_{x}}}}} ψ y = g l y {\displaystyle \psi _{y}={\sqrt {\frac {g}{l_{y}}}}} 弦の長い振り子では x {\displaystyle x} 軸と y {\displaystyle y} 軸の振動周波数違い無視できるが、弦の短いフーコーの振り子では深刻な問題となる。オネス数学モデル実験結果から、 x {\displaystyle x} 軸と y {\displaystyle y} 軸の振動周波数が違なる場合地球の自転により振動面が回転すると、初動時に直線運動であっても時間経過する楕円軌道となる。 x {\displaystyle x} 軸と y {\displaystyle y} 軸の振動周波数違いにより、地球自転していなくても振動面が徐々に回転する。この現象球面振り子楕円運動による面積効果と呼ぶ。つまり楕円軌道を描く錘の軌跡は、周波数 ψ x {\displaystyle \psi _{x}} と ψ y {\displaystyle \psi _{y}} のリサジュー図形になる(ハーモノグラフ参照)。 理想的なフーコーの振り子は、振動直線のまま、長時間にわたり振動面の回転観察できることである。これを満たすためには、 x {\displaystyle x} 軸と y {\displaystyle y} 軸の振動周波数等しく、 x {\displaystyle x} 軸と y {\displaystyle y} 軸の慣性モーメント等しい、「完全対称」な振り子が必要となる。

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