らんびきとは? わかりやすく解説

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ランビキ

《(ポルトガル)alambiqueから。「蘭引」とも書く》江戸時代酒類などの蒸留用いた器具陶器製の深なべに溶液入れ、ふたに入れてのせ、下から加熱すると、生じ蒸気がふたの裏面で冷やされて露となり、側面の口から流れ出るもの。


らんびき(らんびき)

本格焼酎古式蒸留機。『本朝食鑑』に羅牟比岐(らむびき)とあり、後に蘭引(らんびき)とも書かれた。語源サラセン蒸留機アランビック由来する。また『童豪酒造記』には「焼酎取様之事」と題して江戸底を抜き鏡に穴を開(あ)け甑(こしき)に拵(こしらえ) 中程に竹の(とい)を仕掛(しかけ) 又其(その)竹の中程上戸じょうご)を当て鍋(なべ)の(しずく)をへ受込(うけこみ)外にを置(おき) の口に又上戸当てより出るの中へ入様(いれるよう)に仕掛(しかけ)る也(なり)」と蒸留機構造説明している。その後本朝食鑑』に「其ノ状 上ヲ鍋ニテ下鍋ヲ(おお)フ 下鍋火ノ上ニ在(ありて)而物ヲ煮(に)ル 上鍋上気じょうき)ヲ承(う)ケテ露ト作(な)リ 外口従(よ)リ滴(したた)リ垂(たれ)ル 其ノ外口ニ七八寸許之(ばかりの)筒(つつ)ヲ挿(さ)シテ斜(ななめ)ニ下シ滴露ヲ垂而(たらして)器ニ承(う)ク 其ノ上鍋之(の)外辺四囲がいへんしい)ニハ銅板ヲ繞(めぐ)ラシ 上ハ洞(うつろ)ニシ下ヲ連而(つらねてヲ盛ルコト十分上ニ至ル 此(こ)レ鍋外ヲ冷(ひ)ヤ令(し)メルナリ 鍋外冷エル時ハ則(すなわ)チ内露(ないろ)多シ此レヲ俗ニ羅牟比岐(らむびき)と称ス」とあり、いずれも蒸留機構造説明にやや不充分な点も多いが、同時代の書である『和漢三才図会』にある挿絵右図参照)をあわせればその構造理解することができよう。この型式蒸留機アトキンソン明治一四年に伊丹記録(『清酒醸造化学』)したもの同型であり、昭和に入ってからは構造簡単なため焼酎密造使われ税務官吏により廃棄処分されている。上鍋が円筒形の甑にのっている様子が兜(かぶと)に似ているところから、上鍋あるいは蒸留機そのもの兜釜と呼ぶことがある

ランビキ

(らんびき から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/05 19:19 UTC 版)

ランビキまたは兜釜式焼酎蒸留器(かぶとがましき しょうちゅう じょうりゅうき)は、日本江戸時代に薬油や酒類などを蒸留するのに用いた器具。「羅牟比岐」、「らむびき」、「蘭引」、「らんびき」とも表記される[1]


  1. ^ らんびきとは - 焼酎・泡盛用語 Weblio辞書_日本酒造組合中央会_焼酎・泡盛用語集
  2. ^ 焼酎の伝播の検証と,その後に於ける焼酎の技術的発展_東京農大農学集報,54(4),219-229(2010)_農林水産省農林水産技術会議事務局筑波事務所
  3. ^ ミヒェル(2005)
  4. ^ 内藤記念くすり博物館(エーザイ株式会社), ed. (2009年), 人と薬のあゆみ−その他の製薬道具 らんびき, http://search.eisai.co.jp/cgi-bin/historyphot.cgi?historyid=E03368 2017年2月18日閲覧。 
  5. ^ 武雄市歴史資料館蔵 武雄鍋島家歴史資料目録(後編)二.歴史資料ロ.洋学関係45
  6. ^ Needham (1980), p. 72f.
  7. ^ 中国の文献では「焼酒」(shāojiŭ)となっている。
  8. ^ 宗田一(1989), p.117-119


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