見付天神裸祭とは? わかりやすく解説

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見付天神裸祭

名称: 見付天神裸祭
ふりがな みつけてんじんはだかまつり
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 見付天神裸祭保存会
指定年月日 2000.12.27(平成12.12.27)
都道府県(列記): 静岡県
市区町村(列記): 磐田市見付
代表都道府県 静岡県
備考 旧暦8月10日直前土・日曜日
解説文: 磐田市静岡県西部位置する見付古代遠江国府が置かれたところで、ここに矢奈比売【やなひめ】神社鎮座している。矢奈比売神社地元では見付天神呼ばれ、この神社大祭が、見付天神裸祭である。
 祭り参加する町内は、西区西中区、東区東中区の四つテイダン梯団)と呼ばれる集団組織されそれぞれ中心になる町内があってオヤチョウと呼ばれている。西区西坂町西中区は馬場町東区東坂町東中区は宿町がオヤチョウである。このうちかつては西坂町馬場町東坂町の三か町の氏子総代神職と共に祭事司っていたという。現在ではこの三か町に宿町加えた四か町が年行事二名ずつ出し祭りの間神社詰める宮詰役をつとめ、祭り中心となっている。神輿を担ぐ輿番は、かつては東区権現町だけがつとめていたが、現在は東中区と一年交代でつとめるようになっているまた、西区一番町西中区の二番町東区権現町それぞれ触番をだし、ネリのときにも鈴を振ることができる特権有している。御道具持ちとして特定の道具持って祭り参加するオサキトモは、東坂特定の家が世襲でつとめ、現在一八軒ある。
 祭りは、旧暦八月十日直前土・日曜日行われるが、行事大祭六日前のミシバオロシから始まる。この日、見付天神旧社地伝えられる天神祭り行い午後十時本通り灯火消して、オサキトモが中心になって道筋一三か所に立てる。
 祭り三日前には、磐田市鮫島海岸で浜垢離【はまごり】の行事が行われる。浜の松原所定の場所に注連張り、砂を敷いた祭場の端に作ってその奥に鉾を立てて大原大杉家から奉納されるミョウノウオ(【いな】)を祭場近くの池に放す行事が行われる。ミョウノウオを池に放し行っている間に松原では、神職氏子総代、オサキトモ等が浜辺移動して海浜修祓が行われ、体をなでた祓い串を砂浜立てる。これが済むと、神職等はわれ先に波打ち際走って行きそのまま海に入って禊ぎをする。このときオサキトモの代表は、海水汲み小石一二個と砂を取って帰る。こうして祭り神社関係者禊ぎを済ますと、海岸待機していた町の人びとや子どもたちが、町ごとにまとまり、列を作って練りながら海に入って禊ぎをする。禊ぎ済ませると、町ごとに分かれて松原陣取り御馳走広げて宴会が続く。昭和三十近くまではこの浜垢離行事は、舳先に各町の船印立てた船に乗りお囃子しながら下っていった。船は福田あたりから借りてきた大雑巴【おおざつぱ】と呼ばれる砂利運搬船で、この船に屋形をのせて浜まで行ったという。帰りは、再び船で中川上ってきたが、大原あたりまでくると岸やの上から「粟餅よー」とか「の煮ころよー」と声がかかり、船の中とにぎやかに言い合い、船を岸につけてにつけた里芋煮もの交換したという。この持ち帰って祭りのときにつける腰蓑作った。船で行かなくなった現在では車を利用して垢離に行くようになっている
 大祭前夜は、神職神社役員氏子青年会など四〇人ほどが参加して御池【みいけ】の祓いが行われる。神社境内にある御池前に祭壇築き、浜垢離のときに持ち帰った砂、海水で、境内本殿清めを行う。最後に残った大麻海水中川捨てて行事終了する
 大祭当日は、神社午前中に祭典が行われる。午後六時ころになると各町から子どもネリ練り)が出発し天神社参拝して神社時計回り一周した後、淡海国玉【おうみくにたま】神社総社呼ばれている)に行き参拝してから各町内に戻る。子どもたち戻った後、大人たちのネリが各町内出発するネリ参加する男は、大人も子どもも上半身裸に腰蓑姿で、町内群行乱舞する大人たちのネリは、中にロウソクを灯し、思い思いの絵を描いたダシ呼ばれる万灯先頭に、町内練った後、自分属すテイダン合流する合流する前には、同じテイダン内の町内に代表が酒を持って挨拶をする。これをワタリツケあるいはコクゲンブレといっている。テイダンは各町内合流すると、決められ道順通って神社に向かうが、途中で沿道人びとからかけられたりする。各町内からネリ一団出発したころ、天神社では御神霊遷御祭【ごしんれいせんぎょさい】が行われ、これが済むと拝殿神殿の境の丸太数本渡しネリ一団神殿まで入らないようにしておく。



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