土井たか子に対する虚偽の在日認定問題
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「花岡信昭」の記事における「土井たか子に対する虚偽の在日認定問題」の解説
論壇誌WiLL2006年5月号に寄稿した「拉致実行犯辛光洙釈放を嘆願した“社民党名誉党首”」と題する記事において花岡は、「土井たか子は朝鮮半島出身で本名は『李高順』である」と社民党の土井元衆議院議員に対する在日認定を行った上で、「そのことが土井の拉致事件を見る目を曇らせたのか、すべて知った上で政治的演技をしていたのか」と論じ、祖国・北朝鮮の利益を図るために日本の利益を蔑ろにしたのだと土井を婉曲的に糾弾した。 なお戸籍謄本および改製原戸籍謄本の記載によると土井は日本人夫婦の次女として兵庫県神戸市に生まれており、花岡による在日認定は事実に反していた。また花岡は土井に対する取材等の裏付けを全く行わず、インターネット上で流布されていた情報のみに基づいて在日認定を行っていた。これに対して土井は記事によって名誉感情や信用を含む人格的権利を侵害されたとして、2007年4月18日、WiLLを出版するワック・マガジンズと同社代表取締役(当時)の花田紀凱、記事を執筆した花岡の三者を相手取り、1000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める民事訴訟を起こした。 神戸地裁尼崎支部は2008年11月13日、記事による名誉権の侵害と虚偽の在日認定による名誉感情および人格的利益の侵害をそれぞれ認め、花岡らに対して200万円の賠償を命じた。謝罪広告については記事の影響力の小ささを理由に退けた。なお裁判所は判決理由中で「被告花岡のジャーナリストとしての経歴等に照らすと、同被告が裏付け等の取材を全く行わずに(本件記載が虚偽であることは少しでも裏付け取材をすれば、容易に判明したものと思われる。)本件記載を執筆したことは、不可解といわざるを得ない」と指摘し、取材を怠った花岡の姿勢を批判した。 花岡らは判決を不服として大阪高裁に控訴したが2009年4月に棄却され、さらに最高裁に上告したものの、同年9月29日に上告を退ける決定が下された。これにより神戸地裁の判決が確定した。一審判決に先立って発売された『WiLL』2008年11月号では、295ページで花岡の当該記述を虚偽と認め、「土井たか子氏及び関係各位に深くお詫びいたします」との謝罪文が掲載された。 その一方、花岡自身は自身が犯した事実誤認を反省謝罪を一切しないまま死去した。
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