単細胞生物
「単細胞生物」とは、1個の細胞からできている生物のことを意味する表現である。
「単細胞生物」の基本的な意味
「単細胞生物」とは、文字通り1個の細胞だけで生きている生物である。たったひとつの細胞が体そのものであり、生きていくにあたり必要となる器官が揃っている。食事(養分の摂取)から排泄、生殖まで行うことができるのが特徴だ。同じ単細胞生物であっても、内包されている核に膜で包まれているか否かで「原核生物」と「真核生物」に分けられる。膜がなくDNAがむき出しになっているのが、原核生物だ。単細胞生物は太古の地球上で誕生した生物のため、原始的生物であるといえる。とても小さな生物で、大きさは0.1ミリメートルに満たないものがほとんどなので肉眼で見るのは難しい。最大の大きさの単細胞生物は、体長約10センチのクセノフィオフォラで深海に生息しているのを発見された。単細胞生物には、大きく分けると植物性・動物性・両方の特徴を持つ動植物性がある。動物性単細胞生物の例として挙げるならば、「ゾウリムシ」がいる。名前の通り草履のような形の生物で、体の周りにある繊毛を使って自由に動き回りながら微生物を食べてきた。植物性単細胞生物の例として、形のわかりやすい「ミカヅキモ」がある。まるで三日月のような姿の中に葉緑体がふたつあり、それを使って光合成をしている。両方の特徴を持つ代表例の「ミドリムシ」は、葉緑体で光合成をする一方で尻尾のようなべん毛で水中を動くことができる。単細胞生物は基本的には細胞分裂によって増えるが、乾季など生活の場である水が存在しない時には「接合」と呼ばれる有性生殖の方法で増やしながら危機を乗り越えてきた。
「単細胞生物」の語源・由来
顕微鏡の登場で発達したのが、生物学である。それにより生物とは細胞からなるもの、という定義が生まれて認識が定着されてきた。その中で微生物には単一の細胞だけで生きているものが多数存在するとわかったが、最初は非細胞性生物として扱われた。その後に多細胞生物と共通する構造が細胞内にあることを発見されたことで、単独の細胞だけで生活できる生物として認められた。しかし単細胞という言葉が明治時代に出版された「生物学語彙」などに文言は載っているものの、単細胞生物という言葉の由来ははっきりしていない。「単細胞生物」と「多細胞生物」の違い
「単細胞生物」がひとつの細胞だけで生活できる構造を持っているのに対して、「多細胞生物」はいろいろな役割を持つ細胞同士が集まることで体を構成している生物である。人間をはじめ属性の違いはあれど、地球にいるほとんどの生命体は多細胞生物だ。多細胞生物の大きな特徴は、受精卵によって増えることである。受精卵が細胞分裂を繰り返しながら臓器や骨格を形成することで、複雑な機能を持つ個体が誕生する。そのため、多細胞生物は中の細胞をバラしてしまうと個々の細胞だけでは生けて行けない。細胞同士で上手くバランスをとりながら繋がることで、生存することができるのである。「単細胞生物」の使い方・例文
単細胞生物そのものに対して、名称を使う場合・単細胞生物には、癌が存在しない。
・単細胞生物といえど、死ぬことはある。
・分裂だけが単細胞生物の増え方じゃない。
・腸内細菌のO-157も単細胞生物だ。
・単細胞生物のミドリムシは食べられるんだよ。
単細胞生物の持つ特徴から、物事に対して揶揄する場合に用いる(人に対しては、あまり良い意味では使われない)
・あいつは単純で、単細胞生物みたいな奴だ。
・せっかく集まっても単細胞生物な性格ばかりで、付き合ってられないよ。
・単細胞生物のような動き方で、不思議でしょうがない。
・単細胞生物みたいな頭脳のせいで、赤点ばかりである。
・馬鹿正直で単細胞生物みたいな人だけど、そんな所が好きなの。
たんさいぼう‐せいぶつ〔タンサイバウ‐〕【単細胞生物】
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