その他感染しやすい種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:42 UTC 版)
「ボツリヌス症」の記事における「その他感染しやすい種」の解説
ボツリヌス症は多くの脊椎動物や無脊椎動物で発生しうる。ネズミ、ニワトリ、カエル、金魚、アメフラシ、イカ、ザリガニ、ショウジョウバエ、ヒルなどでボツリヌス症が報告されている。 ボツリヌス症による死は概ね水鳥に見られ、毎年1万-10万羽の鳥がボツリヌス症で死ぬ。この疾患は一般に「リンバーネック」と呼ばれる。一部の大規模な流行では100万羽以上の鳥が死ぬ場合もある。アヒルが最も頻繁に感染すると見られている。米国西部とカナダの動物園内で起こるアヒルのボツリヌス症は「西洋アヒル病(western duck sickness)」として知られている。ボツリヌス症は商業飼育された家禽にも感染する。鶏では、死亡率が数羽程度から群れの40%までと差異がある。 哺乳類の家畜においては、ボツリヌス症は比較的稀だと思われる。ただし、世界の一部地域では、最大65%という死亡率の流行感染がウシに見られる。横臥性の大型動物では予後が芳しくない。 ウシでは、よだれ、落ち着きのなさ、不整配、尿の保持、嚥下障害、胸部横臥などの症状が出る場合がある。一般に横臥性の動物は非常に死と隣り合わせである。ヒツジでは、よだれ、漿液の鼻腔排出、硬直、協調運動失調などの症状が出る場合がある。腹式呼吸が観察される場合もある。病気が進行するにつれて、四肢が麻痺して死に至る場合がある。特にアフリカ南部では、リン欠乏の牛がクロストリジウム毒素を含む骨や腐肉を摂取し、結果的に跛行や麻痺性疾患(lamsiekte)を患う傾向がある。 ウマの臨床徴候はウシに似ている。筋肉麻痺は進行性で、一般的には後肢から始まり、徐々に前肢、首、頭に移動する。死亡は一般的に初期症状の24-72時間後に起こり、呼吸麻痺の結果である。幾つかの子馬は他の臨床徴候がないまま死亡で発見される。 ボツリヌス菌C型毒素は胃スピロヘータの病因と見なされており、北欧の雨期および暑い夏に発生する馬の状態である。主な症状は咽頭麻痺である。 飼い犬は、鳥の死骸または他の感染した肉内にあるボツリヌスC型毒素ないし芽胞を摂取した後に全身性毒素血症を発症する場合があるが、一般的にボツリヌスC型のより重篤な感染症状(弛緩性麻痺など)に耐性がある。筋肉麻痺は、心臓停止や呼吸停止によって死に至る可能性がある。 豚はボツリヌス症に対して比較的耐性がある。報告された症状は、食欲不振、飲み込めない、嘔吐、瞳孔拡張、筋肉麻痺などである。 家禽や野鳥では通常、足、翼、首、まぶたに 弛緩麻痺が見られる。また毒性感染症状があるブロイラー鶏は、過剰な尿酸塩を含む下痢を催す場合がある。
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