『日本奥地紀行』とは? わかりやすく解説

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『日本奥地紀行』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 01:36 UTC 版)

イザベラ・バード」の記事における「『日本奥地紀行』」の解説

1878年明治11年6月から9月にかけ『日本奥地紀行』は執筆され、1880年明治13年)に "Unbeaten Tracks in Japan"(直訳すると「日本における人跡未踏の道」)として刊行された。冒頭の「はしがき」では「(私の)全行程踏破したヨーロッパ人これまで一人もいなかった」と記し、また「西洋人のよく出かけるところは、日光例外として詳しく述べなかった」と記し、この紀行既存日本旅行記とは性格異にすることを明言している。 栃木県壬生町から鹿沼市日光杉並木に至る例幣使街道では、よく手入れされ大麻畑や街道沿いの景色日本の美しさを実感したと書いている。また、日光滞在した金谷邸(カナヤ・カッテージ・イン)にはその内外に日本牧歌的生活があると絶賛し、ここに丸々2週間滞在して日光東照宮をはじめ、日光景勝地家主金谷善一郎および通訳伊藤とともに探訪する日光滞在10日目には奥日光訪れるが、梅雨時豊かな日光育まれ植生コケシダ木々深緑鮮やかに咲く花々中禅寺湖男体山華厳滝竜頭滝戦場ヶ原湯滝湯元湖を彩る様を闊達描写し絶賛している。街道終点である湯元温泉にも大変な関心示し湯治場訪れている湯治客の様子詳らかに記している。またその宿屋(やしま屋)の大変清潔である様を、埃まみれの人間ではなく妖精似合う宿であると形容し、1泊したうえで金谷邸への帰途に就く6月26日からは、下野街道山王峠越えて会津地方入って南会津町川島宿泊その後下野街道北上して大内宿宿泊するここから市川峠(市野峠)を北上高田宿を越えて坂下宿泊まるが、持病悪化したせいか詳細書かれていない坂下宿からは西進し束松峠をこえ、野沢宿を通り車峠に2泊して新潟向かっている。 山形県南陽市赤湯温泉湯治風景強い関心示し置賜地方を「エデンの園」とし、その風景を「東洋アルカディア」と評した。 『日本奥地紀行』では当時日本をこう書いている。 私はそれから奥地蝦夷1200マイル渡って旅をしたが、まったく安全でしかも心配もなかった。世界中で日本ほど婦人危険に無作法な目にもあわず、まったく安全に旅行できる国はないと信じている 他には新潟を「美し繁華な町」としつつも、県庁裁判所学校銀行などが「大胆でよく目立つ味気ない」としたり、湯沢を「特にいやな感じのする町である」と記したり、また黒石の上中野美しいと絶賛したりしている。 他方、「日本人は、西洋服装をすると、とても小さく見える。どの服も合わない日本人みじめな体格凹んだ胸部がにまた足という国民的欠陥をいっそうひどくさせるだけである」、また「日本人黄色皮膚、馬のような固い髪、弱弱しい瞼、細長い眼、尻下がり眉毛平べったい鼻、凹んだ胸、蒙古系の頬が出た顔形ちっぽけな体格男たちよろよろした歩きつき女たちよちよちした歩きぶりなど、一般に日本人の姿を見て感じるのは堕落しているという印象である。」と日本人人種的外観について記している。なおアイヌ人については「未開人のなかで最も獰猛」そうであるが、話すと明る微笑にあふれると書いている。ほかにもホザワ(宝坂?)と栄山集落について「不潔さ極み」と表し、「彼らは礼儀正しくやさしくて勤勉で、ひどい罪悪犯すようなことは全くない。しかし、私が日本人と話をかわしたり、いろいろ多くのものを見た結果として、彼らの基本道徳水準は非常に低いものであり、生活は誠実でもなければ清純でもない、と判断せざるをえない」と阿賀野川津川で書くなど、当時日本寒村における貧民の生活について、肯定的な側面否定的な側面双方多面的に記述している。 なお、現代阿賀野川では「イザベラ・バード号」と命名され観光船運航されている。

※この「『日本奥地紀行』」の解説は、「イザベラ・バード」の解説の一部です。
「『日本奥地紀行』」を含む「イザベラ・バード」の記事については、「イザベラ・バード」の概要を参照ください。

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