「韜光養晦」路線のゆらぎの背景とは? わかりやすく解説

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「韜光養晦」路線のゆらぎの背景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 23:59 UTC 版)

韜光養晦」の記事における「「韜光養晦」路線のゆらぎの背景」の解説

日本の研究者の間では、「韜光養晦路線のゆらぎあるいは変化の背景として、以下のような要因挙げる見解存在する。まず、新藤後掲書は、鄧小平の「韜光養晦戦略以降外交戦略中国官僚制政治モデル力学との関係に着目すべきとする。すなわち、冷戦終結後グローバル通商大国化の中で芽生え始めた中国政策決定コミュニティ内の海軍力拡大路線海軍力限定路線との潜在的対立が、国際関係動き連動し合う力学が、「韜光養晦戦略以降外交戦略関連し合ってたとする2000年代中葉に、江沢民政権下、「和平崛起」論(平和的装いの下で大国として積極外交求め自己主張的な外交論)の台頭揺り戻し見せた。その揺り戻しが、2000年代後半以降胡錦濤政権下後退余儀なくされ、平和的発展協調外交を軸とした「調和和諧外交路線へと、再度軌道修正はかった中国外交微妙な揺れ繰り返しである。その「ぶれ」がグローバル通商大国化への変貌符合して、いま人民解放軍軍官制利益を後ろ盾しながら海軍力近代化グローバル軍事外交戦略化の展開に乗り出している。その展開が今日対外特に対日関係の展開と相関し合って対外危機勃発期に排外ナショナリズムの台頭促している。また、清水後掲論文は、強硬路線中国人民解放軍リードしていると見ている。その代表例2010年3月起きた韓国海軍哨戒沈没事件北朝鮮魚雷攻撃断定したアメリカ韓国が、事件現場黄海計画した合同軍事演習中国軍阻んだことにみる。当時政府態度表明先立ち軍人中国メディア盛んに登場し、「中国玄関先米空母侵入するような軍事演習反対する」という意見広めた。これを受けインターネットには軍人発言支持する意見広がったこうした動き対し中国外交部高官は「軍が外交口を出すきでない」との憂慮をもった。しかし、それを公然と口に出すのはタブーであった中国外交界の重鎮である呉建民は、軍人メディアへの登場戒める発言をしたが、逆にインターネットで「売国奴」と激しく攻撃された。中国革命導いた毛沢東鄧小平の時代異なり江沢民胡錦濤という軍歴のない指導者中央軍事委員会主席就任してから、軍人をいかに統制し服従させるかは常に問題だった。中国革命の時代紅軍中国共産党任命され政治委員指令員それぞれ部隊指揮権を持つ独特の文民統制行ってきた。しかし建国後は、部隊構成するメンバー全て職業軍人となり、待遇装備などで独自の利害共有することになった結局江沢民胡錦濤20年以上連続国防費10パーセント以上増額させたり、将官昇進乱発したりするなど、軍の主張や要求迎合することで最高指導者地位を保つことに腐心してきた。このような国防費増額待遇装備充実指導部に迫る軍隊対し指導部文民統制徹底欠いたままで、さらにナショナリズム高めた民衆の支持相まって中国対外強硬論助長しているとする。特に胡錦濤後継者となった習近平第17期政治局常務委員唯一国防文官経歴有したために軍部後ろ盾にしており、当初から「中華民族の偉大なる復興」を掲げてナショナリズム訴え、「強軍」を中国共産党規約盛り込んでアメリカに次ぐ世界2位規模国防費投じて軍備増強推し進め、自ら設立した中央軍融合発展委員会中国語版)の主任兼務して富国強兵の策としてアメリカ軍産複合体モデル軍需産業育成強化し、「韜光養晦路線覆したとも評された。

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