「セ」作戦(ルンガ沖航空戦)
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「ルンガ沖航空戦」の記事における「「セ」作戦(ルンガ沖航空戦)」の解説
6月13日、第一基地航空部隊は第一次、第二次ソ作戦によって敵航空部隊に対し十分な戦果をあげたと判断、16日にセ作戦を実施する旨を命令した。実施にあたり、六〇四作戦によって洋上哨戒を交代した七〇五空の陸攻が13日~15日にかけてガダルカナル島を夜間爆撃し「セ」作戦に協力した。またセ作戦参加部隊は、ソ作戦時と同様に前日の15日中にブイン、ブカ両基地に進出し攻撃準備を整えた。 16日早朝、ブインから一〇〇式司偵1機が発進、6時から約10分間ガ島方面の事前偵察を実施、ラッセル諸島、ルンガ泊地、ツラギ港などに大小の輸送船20隻以上、その他駆逐艦1隻、大発多数発見の報告をした。またガ島付近の天候もまれに見る好天であった。攻撃隊は第一基地航空部隊指揮官の「セ作戦ノ成功ヲ期ス」の激励電に見送られ、10時にこれまでと同様にブイン上空で合同し、目標に向かって進撃した。攻撃隊の編成は以下の通り。 援護零戦隊 二五一空 30機、二〇四空 24機、五八二空 16機 艦爆隊 五八二空 24機 攻撃隊はガ島南西方から進入、11時45分、P-38戦闘機8機と遭遇しこれを撃退、その後12時頃にルンガ泊地に突入した。艦爆隊は12時5分泊地の艦船群に対して攻撃を開始、援護戦闘機隊も泊地突入と同時に敵戦闘機約100機と空戦となった。攻撃隊は12時30分頃までに各隊ごとに戦場を離脱、15時までには帰着した。 第一基地航空部隊指揮官はこの日の夜、戦闘速報でこの日の戦果および被害を報告した。 爆撃戦果(各機250キロ爆弾1、60キロ爆弾2を携行)ブイン帰着機(二〇四空、五八二空)の報告 輸送船(中型)1隻轟沈、大型4隻、中型1隻、小型1隻に命中弾あり ブカ帰着機(二五一空)の報告 ルンガ岬西側の艦船のみ確認 全滅(輸送船大型1隻、中型3隻撃沈、駆逐艦1隻轟沈) 撃墜 34機 被害 艦爆13機 戦闘機14機(その後さらに1機追加)未帰還 上記のように大きな戦果が報じられたものの、その被害も多く、特に艦爆隊の損失は出撃した内の54パーセントが未帰還となった。これはい号作戦時の16パーセントに比べ非常に高い数字であった。 さらに報告された連合国の被害も実態とは大きく異なり、実際はソロモン航空部隊と対空砲火をすり抜けた日本の艦爆隊は輸送艦「セレノ(英語版)」に2発の直撃弾を与えたものの、タグボートの助けを借りてルンガ岬に引き上げられたことによって沈没はまぬがれ、その後パーヴィス湾まで再び曳航されたのち、修理のためサンフランシスコへ帰投した。さらに、揚陸艦「LST-340(英語版)」も直撃弾によって火災が発生したが、他のLSTの協力もあり日暮れには鎮火に成功している。この他戦闘機6機が失われた。 セ作戦終了直後の17日朝、一五一空の一〇〇式司偵による戦果確認が行われた。前日、攻撃隊から相当の戦果報告があったにも関わらず、当日のガダルカナル島周辺海域には依然として大中小合わせて20隻程度の輸送船の存在を認めた。
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