「セイの法則」に対する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 23:43 UTC 版)
「セイの法則」の記事における「「セイの法則」に対する議論」の解説
セイの法則に相対する考え方として、同時代に発生した一般過剰供給論争における、トマス・ロバート・マルサスやジャン=シャルル=レオナール・シモンド・ド・シスモンディ、および後代のジョン・アトキンソン・ホブソンによる過少消費説がある。また彼らを先駆者としたジョン・メイナード・ケインズによる有効需要の原理がある。ケインズは投資需要によって消費性向とあいまって経済全体の供給量がマクロ的に決定されると主張した。また貯蓄投資の所得決定理論において、セイの法則が貯蓄(供給)は常に投資(需要)されることで両者が一致すると説明した貯蓄投資の利子率決定理論を批判し、むしろ投資に見合うように貯蓄が決まることを主張した。 セイの法則として著名な「供給はそれ自らの需要を生み出す」という文言について、ポール・デヴィッドソンによればセイのオリジナルではなく、1803年にジェームズ・ミルがセイの著作を翻訳するさいにそのような要約が登場したと指摘する。またセイら古典派の貨幣観を「ヴェール」と呼んだのはミルであるとする。
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