《荏原》の正しい読み方
「荏原」の正しい読み方
地名としての「荏原」の正しい読み方は「えばら」と読む。また名字としての「荏原」の正しい読み方は「えばら」・「えはら」と読む。「荏原」の意味解説
「荏原」とは東京都品川区西部の地名である。正式には東京都品川区荏原で、荏原1丁目から荏原7丁目まで行政地名があり、2021年の人口は約2万1,400人。また品川区の戸越銀座・武蔵小山・中延一帯を「荏原地区」と称している。「荏原」の歴史は深く、「万葉集」の防人の歌に「荏原郡」と付記がある他、平安時代に編纂された「続日本記」に「武蔵国荏原郡」という地名が登場している。かつての荏原郡は現在の品川区から、目黒区・大田区・世田谷区の一部・神奈川県川崎市の一部までと広範囲な土地であった。室町時代までは「荏原」を「えはら」と読み、以降は「えばら」と読むようになった。荏原郡は昭和初期まで行政区画であり続けた。1932年、全域が東京市に編入され6つの区(荏原区・品川区・目黒区・大森区・蒲田区・世田谷区)に分かれる。そして1947年、荏原区は品川区と合併し消滅。「荏原」という地名は品川区西部に限定され現在に至る。東京都以外にも富山県富山市荏原という地名がある他、かつて岡山県後月郡荏原村(現井原市)や愛媛県温泉郡荏原村(現松山市)という地名が存在した。また「荏原」という地名に由来して「荏原製作所」・「エバラ食品工業」などの企業名や名字として「荏原」が用いられている。
なぜ「荏原」と読むのか・理由
東京都品川区荏原は、かつて辺り一帯に荏胡麻(えごま)が植えられていたと考えられている。荏胡麻はシソ科の一年草で、古くから日本人に馴染みがあった。その荏胡麻の「荏」に、繁茂している土地を意味する「原」という漢字が組み合わさり、「荏原(えばら)」と読むようになった。また狭いところにある湿田を「江古田(えこだ)」・「荏田(えだ)」と言う。東京都品川区荏原が「田」よりも広い「原」であったから「荏原」と呼ぶようになったという説もある。「荏原」の類語・用例・例文
「荏原」は地名・企業名・名字であるため類語は存在しない。例文は以下の通りである。「東京都品川区荏原にある商店街は、都内でも有数のアーケード街である」。「荏原地区は今後の再開発でさらに住みやすい町になるだろう」。「荏原製作所はかつて本社と工場が東京府荏原郡にあった。それが社名の由来である」。「荏原」の英語用例・例文
「荏原」の英語は「Ebara」・「Ehara」と表現する。例文は以下の通りである。「Ebara, Shinagawa Ward, Tokyo is a very convenient place to live.(東京都品川区荏原は住むのにとても便利な町だ)」。「Many people whose last name is "Ebara" are from Tokyo or Kanagawa Prefecture.(名字が「荏原」という人は東京都や神奈川県出身の人が多い)」。《荏原》の正しい読み方
「荏原」の正しい読み方
「荏原」は「えばら」と読む。もっぱら地名または人名として用いられる語である。「荏原」の意味解説
「荏原」とは東京都品川区の町名である。品川区の西部に位置し、北は西五反田、南は旗の台、東は平塚・西中延、西は小山に隣接する。荏原1丁目から荏原7丁目まであり、面積は約5.81平方キロメートル、人口約2万1千人が住んでいる。品川区を大きく5つに分けた時に、品川地区・大崎地区・大井地区・八潮地区と並んで、品川区西部一体を荏原地区と呼ぶ。「荏原」は奈良時代から「武蔵国荏原郡」なる地名が確認されている。武蔵国荏原郡は現在の品川区・目黒区・大田区・世田谷区・港区・千代田区・神奈川県川崎市一体に位置していた。かつては「えはら」と呼ばれ、室町時代から「えばら」と呼ばれるようになった。地名の由来は、その土地に荏胡麻が大量に生えていたことから「荏の原」と名付けられた。それが縮まって「荏原」となったとされている。武蔵国荏原郡は律令時代から江戸時代まで存続した。明治時代になった1878年、郡区町村編制法により荏原郡が行政区画として発足。その後1932年に荏原郡全域は消滅し、荏原区・品川区・目黒区・大森区・蒲田区・世田谷区に再編される。さらに1947年に品川区と吸収合併し、荏原区は消滅した。かつて荏原区に属していた戸越町・小山町一帯を品川区荏原町として発足し、「荏原」の名前を残している。
株式会社エバラ食品工業や荏原製作所の会社名は「荏原」という土地名に由来する。また富山県富山市にも「荏原」という地名がある他、かつて岡山県や愛媛県に「荏原」という村が存在した。
なぜ「荏原」と読むのか・理由
「荏原」は漢字の「荏」と「原」を組み合わせて出来ている。「荏」はえごまを意味し、訓読みで「え」と読む。「原」は平らで広い土地を意味し、訓読みで「はら」と読む。2つの漢字が結びつき、後ろの「原」が連濁して「えばら」と読むようになった。- 《荏原》の正しい読み方のページへのリンク