《茶梅》の正しい読み方
「茶梅」の正しい読み方
「茶梅」は「さざんか」と読む。漢字の音読みで「ちゃばい」と読むこともある。「茶梅」の意味解説
「茶梅」はツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹である。日本原産の低木で、晩秋から初冬が開花時期になることから寒さに強いイメージがあるものの、実際は温暖な環境を好む。日本でも九州や四国が生息可能な北限の地域であり、東北や北海道などの冷涼な地域で見られる茶梅は改良された品種である。茶梅は赤色や淡い桃色のツバキに似た花をつけるが、花弁が一枚ずつ散るのが特徴だ。葉は長さが約2センチから5センチほどの、縁がぎざぎざになっている楕円形で艶のある深い緑色である。日本以外の地域では台湾やインドネシア、フィリピンなど熱帯や亜熱帯の地域に生息している。ツバキ属の植物なのでツバキと交雑しやすく、日本では純粋な茶梅よりもツバキと交雑した品種の方が多いと言われている。なぜ「茶梅」と読むのか・理由
「茶梅」と書いて「さざんか」と読む理由は江戸時代の風習が由来とされている。茶梅の新芽をお茶にして飲む地域があり、その風習が優雅で美しいと評判になったことから「茶梅」の文字が使われるようになった。「茶梅」と書いて「ちゃばい」と読むのは新芽をお茶にして飲んでいた頃の名残である。また、「さざんか」の表記には「山茶花」もあるが、こちらが本来の表記であり、「茶梅」は中国で使われていた表記という説もある。中国ではツバキを「山茶花」と表記し、日本へ伝わった際にそれぞれの読み方を取り違えたと言われている。「茶梅」の類語・用例・例文
「茶梅」の類語は「山茶花」「茶梅花」「寒椿」などがある。「山茶花」「茶梅花」はどちらも読みは「さざんか」であり、「茶梅」の別称である。「茶梅花」は茶梅の花が咲いている状態に多用される表記だ。「寒椿」は「かんつばき」と読み、茶梅とツバキの交雑種である。地域によっては茶梅を寒椿と表記することがある。例文としては、「茶梅の綺麗な花が咲いた」「山茶花は冬の季語である」「生け花で茶梅花を使った」「庭に寒椿を植えている」などがある。「茶梅」の英語用例・例文
「茶梅」の英語表記は「camellia」が使われているが、厳密に言えば誤りである。「camellia」は東南アジア産のツバキに用いられた名称であり、次第にツバキ属の花全体を「camellia」と呼ぶようになった。そのため、現在では茶梅をツバキと区別する意味で日本語読みのまま「sasanqua」と表記するケースが多い。例文には「床の間には茶梅の花が飾られている」「庭で育てている茶梅の高さは3メートルに達する」をそれぞれ英文に直した「The alcove is decorated with sasanqua flowers.」「The height of camellia grown in the garden reaches 3m.」がある。- 《茶梅》の正しい読み方のページへのリンク