金・元
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1127年、北宋では前年の解試を受けて省試・殿試が行われる予定になっていたが、金が首都開封を占領したことで中止された(靖康の変)。旧宋領地域を平定するために派遣されていた斡離不を補佐していた劉彦宗の提言によって、1128年に科挙の続きを実施した(趙子砥『燕雲録』建炎2年戊申正月条)。遼では989年以来、漢民族などを対象に科挙が実施されており、劉彦宗自身も元は遼の進士であった。斡離不・劉彦宗は相次いで没するが、その後を継いだ粘没喝も1129年と1132年に科挙を実施し、その後熙宗によって1135年に科挙を実施されている。こうした措置は遼の主要領域を占領した直後の1123年にも実施されており、新たな征服地を統治するための人員を確保するとともに漢民族知識人を引き留める効果があったと考えられている。金では1138年に科挙が3年1貢の正式な制度として採用され、1149年にはそれまで実施されていなかった殿試も採用されるようになったが、金が公的な教育機関の整備に動き出したのは12世紀後期に入ってからで、また南宋のような士人に対する特権はほとんど認められず、科挙に合格しない限りは庶民と同等に扱われていた。世宗の即位後に従来の地方官吏から試験による中央登用を停止し、学校を整備して科挙登用を増やす政策を採用した。また女真族の軍事組織であった猛安・謀克の形骸化によって官途に就く道が閉ざされる形となった女真族を救済するために、女真族のみを対象とした女真進士科(後に策論科)・女真経童科なども実施された。だが、モンゴル侵攻を目の当たりにした宣宗は実務に長けた官吏の中央への登用を進めたため、官吏出身者と進士出身者の対立を引き起こすことになった。なお、金の科挙受験者はもっとも多かったとされる13世紀初めでも多くて4万人程度と、40万人に達したとされる南宋に比べて大幅に少ない。だが、金の領域に入った地域は元々科挙が盛んではなかった(北宋時代には2万人前後の受験者しかいなかった)こと、金が人士への特権を認めなかったこと(反対に南宋のような特権目当ての受験者がいなかったこと)、金の人事制度が官吏からの中央への登用が比較的容易で科挙一辺倒ではなかったことなど、金と南宋の制度的な違いによるところが大きい。 元では、1313年まで科挙が実施されなかった。これはモンゴル帝国の旧金領地域進出からみれば100年余り、遅れて征服された旧南宋地域でも30年以上行われなかったことによる。従来、そうした状況をもって「士大夫の立身出世への道は絶たれた」「モンゴル支配下の漢民族知識人の不遇」とみなされてきたが、実際にはさまざまな人材登用ルートが存在しており、漢民族の知識人(人士・士大夫)もそうしたルートを介して登用されていた。大きく分けると官吏・兵士・儒戸として出仕してその功績によって中央に転じる者、縁故・猟官によってモンゴル人王侯などの有力者に推挙される者(王侯の幕僚として出仕した後にその推挙を受ける例もある)、国子監・翰林院・司天監などの国家の教育機関で能力を認められて登用される者などがあり、科挙復活後もそうしたルートによって出仕する事例が多く存在した。だが、元代の科挙の1回の定員は100名で、しかも蒙古人・色目人・漢人(旧金領漢民族及び女真族・契丹族・渤海族)・南人(旧南宋領漢民族)で1/4ずつ分けられており、元代全てを通じた合格者の総数は1000人あまりであった。ところが、科挙合格者は、成績によって従六品から従八品までの品階を与えられるなど、当時としては破格の待遇を受けた。しかも、科挙実施と同時に従来の官吏出身者の昇進の最高を従七品までに制限された(ただし、この規定が科挙復活以前の登用者にも適用されたことから問題視され、1323年に正四品に引き上げられた)。科挙の及第によって官僚を目指すことはメリットとデメリットの両方があり、必ずしも他のルートに比べて優位とは言えなかった。当時の知識人は数ある人材登用ルートから科挙を選ぶか、他のルートを選ぶかを選択していたと考えられている。
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金元
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No.318で登場。経理一筋の球団スタッフ。ミー太郎の年俸であるキャットフードの宣伝を調べるなどのリサーチに余念のない人物。
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