斡離不とは? わかりやすく解説

斡離不

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 03:15 UTC 版)

斡離不(オリブ)
続柄 太祖阿骨打次男

全名 完顔宗望
称号 魏王、晋王、宋王
出生 不詳
死去 天会5年6月21日1127年7月31日
上京会寧府
埋葬 上京会寧府
配偶者 側室:耶律余里衍
  側室:趙福金
  側室:張氏
子女 男子:完顔斉、完顔京、完顔文
女子:昭寧公主
父親 太祖阿骨打
母親 欽憲皇后 紇石烈氏
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斡離不(オリブ)は、の皇族。女真名は斡魯補(オルブ)とも。漢名は宗望。初代皇帝の太祖阿骨打(アクダ)の次男。金の名将として知られる。

経歴

妃の紇石烈氏(後の欽憲太皇太后)の長男として生まれた。初め、父帝の征戦に従い、常に側近にあった。天輔6年(1122年)、兵を率いて天祚帝(耶律延禧)を追い、軍功を挙げた。父帝に従って燕京を平定し、副都統となった。天会元年(1123年)、千人の兵をもって奇襲し、天祚帝の大軍を大いに破った。

太祖阿骨打は1123年に死去するが、その弟の太宗呉乞買(ウキマイ)が後を継いで遼との戦いを続け、1125年に逃れていた皇帝天祚帝を捕らえ、遼を完全に滅ぼして内モンゴルを支配した[1][2][3]。ところが、は金朝との間で結んだ「海上の盟」(1120年)を守らず、背信行為が露見した[1]。金と宋は対立するようになった(宋金戦争)。

太宗は斡離不らに宋への侵攻を命じ、天会3年(1125年)10月、斡離不は河北の平州より進発して北宋を攻め、白河にいたり、12月に郭薬師の軍を白河で破った。撒改(サガイ)の子の粘没喝(ネメガ、宗翰)は山西方面から宋に侵入し、両軍は華北一帯を席巻して[4]、天会4年(1126年)正月には北宋の都の開封を包囲した[1][3][5]。8月に斡離不は右副元帥となり、再び宋を攻めた。12月に左副元帥の粘没喝とともに開封を包囲、宋に対して和平に傾き、領土・賠償金・和親政策(自身や他の皇族に徽宗の帝姫たちを妾妻として差し出させる)をもって講和を認めようとしたが、他の将帥の反対のため交渉に失敗した。

凱旋した後、天会5年6月21日1127年7月31日)に傷寒で急死した[注釈 1]上京に葬された。天会13年(1135年)、魏王を追贈された。皇統3年(1143年)、熙宗により晋王を再追贈された。大定3年(1163年)、宋王を再追贈され、「桓粛」とされた。

宗室

妻妾

子女

  • 男子:完顔斉、完顔京、完顔文
  • 女子:昭寧公主 什古

伝記資料

脚注

注釈

  1. ^ 死因は、熱射病ともいわれている。

出典

参考文献


斡離不(オリブ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 23:41 UTC 版)

大水滸シリーズの登場人物」の記事における「斡離不(オリブ)」の解説

楊令伝)金の将軍女真でも最北部を拠点とする一党の長で、父親烏古乃の代から女真名家出身撻懶支えていた。金の建国後に彼と共に将軍の座に就くが、父の死きっかけお互い反目しあうようになる折り目正しい撻懶とは逆に粗野な面がある劉光世打ち破られるなど失策犯し、軍内での地位揺らいでゆく。粘罕撻懶政争が続く中で病没木の枝で歯を磨く癖があり、彼の死後撻懶その癖受け継いだ史実では阿骨打第二子生涯不敗名将

※この「斡離不(オリブ)」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「斡離不(オリブ)」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。

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