斡本とは? わかりやすく解説

斡本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 04:36 UTC 版)

斡本(オベン)
続柄 太祖阿骨打庶長子

全名 完顔宗幹
称号 憲古弘道文昭武烈章孝睿明皇帝 → 明粛皇帝
出生 不詳
死去 皇統元年5月12日1141年6月17日
配偶者 正妻:哀皇后 徒単氏
  側室:慈憲皇后 大氏
  側室:寧妃 蕭氏
  側室:順妃 李金哥
  側室:文妃 徒単氏
  側室:陸正姑
子女 男子:神土懣、迪古乃(テクナイ、海陵王)、梧桐、永慶、蒲甲
女子:慶宜公主、鄧国公主、平陽公主、嘉祥公主
父親 太祖阿骨打
母親 光懿皇后 裴満氏
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斡本(オベン)は、皇族。漢名は宗幹。太祖阿骨打(アクダ)の庶長子。母は側室の裴満氏(追尊光懿皇后)。爵位遼王で、忠烈とされた。

生涯

天会13年(1135年)に叔父の太宗呉乞買(ウキマイ)が崩御すると、族兄の晋王粘没喝(ネメガ、宗翰)と共に甥(太祖アクダの孫)で自身の養子でもある合剌(ホラ、後の熙宗)を擁立して、太宗の子の蒲魯虎(ブルフ、宗磐)や族父の撻懶(盈歌の子)と対立した。やがて蒲魯虎・撻懶が失脚すると、次の標的を、皇族の実力者である粘没喝に移す。斡本は熙宗に上奏して、粘没喝を太保領三省事という皇帝側近の名誉職に就任させて、大同を基盤としていた粘没喝の軍事権を奪った。粘没喝は次第に憔悴し、天会15年(1137年)に不遇のまま59歳で病没した。蒲魯虎・撻懶が再び権力を奪回すると、斡本は今度はこの両者と組んで、金の傀儡属国である斉帝劉豫を蜀王に降格して、内蒙古にある臨潢府に強制的に移住させた。以降も斡本は権力を握り、異母弟の瀋王斡啜(宗弼)と組んで、蒲魯虎・撻懶と再び対立した。

天眷2年(1139年)4月、蒲魯虎と撻懶が劉豫の斉国廃止後、服従を条件に陝西と河南を南宋に割譲したのを、南宋に通じたと誣告、2人を謀反の罪で処刑することに成功した。ただし、撻懶の異母弟の烏野は斡本に属しており、兄と対立していたために連座はされなかった。肩の荷を降ろした斡本は、皇統元年(1141年)5月に病没した。熙宗は、この養父の逝去を大いに悲しみ慟哭したという。

のちに、次男の迪古乃(テクナイ、海陵王)が従兄の熙宗を惨殺して即位すると、亡父に対して、徳宗廟号憲古弘道文昭武烈章孝睿明皇帝諡号を贈った。しかし、海陵王が廃位されて世宗の代になると、「暴君の父」ということで廟号が削除され、帝号を明粛皇帝とされた。後に帝号も削除されて皇伯・太師・遼王に降格された。

宗室

妻妾

  • 徒単氏(正妻、皇太后。海陵王により誅殺)
  • 大氏(慈憲皇后。海陵王の母)
  • 蕭氏(寧妃)
  • 李金哥(順妃。兀惹の人)
  • 徒単氏(文妃)
  • 陸正姑(北宋の儀王趙朴の元婚約者)

男子

  • 代王 神土懣(充、李氏の子、徒単氏の養子)
  • 海陵王 迪古乃(亮、大氏の子)
  • 梧桐(兗)
  • 衛王 永慶(襄、大氏の子)
  • 蒲甲(袞)

女子

  • 慶宜公主 迪鉢(蒲察阿虎迭の妻で、蒲察鼎寿・蒲察叉察の母)
  • 鄧国公主 崔哥(蒲察阿虎迭の継室)
  • 平陽公主(大氏の娘で、徒単貞の妻)
  • 嘉祥公主(徒単克寧の妻)

関連項目


斡本(オベン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 23:41 UTC 版)

大水滸シリーズの登場人物」の記事における「斡本(オベン)」の解説

楊令伝)金の将軍で、阿骨打庶長子金軍率いて南征張俊の軍を蹴散らして東京開封府再度占拠する異母弟兀朮に対して焦りを抱くあまり軽率なところがあり、周囲からの評価芳しくない兀朮総帥の座についてからは漢人構成された軍の調練編成担当物語終盤からは民政携わるが、行政官としては粘罕及ばない宣賛評された。なお史実より若く描かれている。

※この「斡本(オベン)」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「斡本(オベン)」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。

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