大分県
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地理・地域
山地の占める割合が大きく、西部には九重連山、南部には祖母山・傾山がそびえる。このうち九重連山の中岳は九州本土の最高峰である。平野部は北部の中津平野、中部の大分平野、南部の佐伯平野など限られた地域に分布している[8]。海岸部は、北部から西部で瀬戸内海(西部は周防灘(豊前海)と呼ばれる)に面する。中部では豊後水道を挟んで四国地方に接しており、その最狭部の豊予海峡の幅は10キロメートルほどである。南部の日豊海岸にはリアス式海岸が発達しており、日豊海岸国定公園に指定された景観が楽しめる。
江戸時代に編纂された『豊後国志』(1803年)は最初の総合的地誌として名高い。
隣接都道府県
地形
- 山:大分百山のうち、記事があるものを挙げる。
- 平野:中津平野、宇佐平野、大分平野、臼杵平野、佐伯平野
- 盆地:安心院盆地、由布院盆地、玖珠盆地、日田盆地
- 一級河川:山国川、大分川、大野川、筑後川(三隈川・大山川)、番匠川
- 湾:守江湾、別府湾、臼杵湾、津久見湾、佐伯湾、米水津湾、元猿湾、猪串湾、名護屋湾
- 有人島:姫島、黒島、津久見島、地無垢島、保戸島、大入島、大島、屋形島、深島
- 半島:国東半島、佐賀関半島、長目半島、四浦半島、鶴見半島
自然公園
気候
瀬戸内海の西端に位置しており、気候区分上は瀬戸内海式気候から他の型への遷移域に当たる[9]。
気候の区分にはいくつかの考え方がある。
気象庁では、予警報細分区域を以下の4区域に分けている[10]。
- 北部(中津市・宇佐市・豊後高田市・国東市・姫島村) - 瀬戸内海式気候に属するが、冬季は関門海峡からの北西の季節風の影響を受け曇りの日が多い。
- 中部(杵築市・日出町・別府市・大分市・由布市・臼杵市・津久見市) - 北西部にある山地の影響で、冬季は北部や西部に比べて天気がよい。
- 西部(日田市・玖珠町・九重町・竹田市) - 内陸部に位置するため夏季は雷雨が多い。秋から初冬にかけて盆地で霧が発生する。
- 南部(豊後大野市・佐伯市) - 県内では最も温暖多雨で、夏季に大雨が降ることがある。冬季は晴天が多い。
降水量の年平均値、及び、降水日数の年変化の2つの観点から、以下の4区域に分ける考え方もある[9]。
- 瀬戸内型(I)(中津平野、国東半島及び別府市沿岸部) - 年間降水量が1,800ミリメートル (mm)以下。冬季は曇りがちで、しばしば積雪する。夏季には旱魃が起きやすい。
- 瀬戸内型(II)(大分市、大野川中流域、臼杵市) - 年間降水量が1,800mm以下。冬季の天候は比較的よい。
- 九州山地型(県西部から北西部にかけての内陸部) - 年間降水量が1,800mm以上。山岳地域では3,000mmを超える。梅雨期に豪雨が降りやすいが、夏季の台風による雨量は比較的少ない。冬季には降水日数が多く、しばしば積雪する。
- 南海型(津久見市以南の佐伯市、豊後大野市) - 年間降水量が1,800mm以上。山岳地域では3,000mmを超える。特に夏季は多雨で、台風による大雨が降りやすい。冬季は乾燥し晴天が続く。
平年値 (月単位) |
北部沿岸部 | 中部沿岸部 | 南部沿岸部 | 内陸部 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中津 | 豊後高田 | 国東市 国見 |
国東市 武蔵 |
杵築 | 大分 | 佐伯 | 佐伯 蒲江 |
日田 | 玖珠 | 宇佐市 院内 |
由布市 湯布院 |
竹田 | 豊後大野市 犬飼 |
佐伯市 宇目 | ||
平均 気温 (°C) |
最暖月 | 26.9 (8月) |
26.7 (8月) |
26.5 (8月) |
25.9 (8月) |
26.8 (8月) |
26.6 (8月) |
26.6 (8月) |
26.7 (8月) |
25.2 (8月) |
25.6 (8月) |
24.0 (8月) |
25.0 (8月) |
26.0 (8月) |
24.9 (8月) | |
最寒月 | 5.3 (1月) |
5.1 (1月) |
5.8 (1月) |
3.7 (1月) |
6.0 (1月) |
6.4 (1月) |
7.3 (1月) |
3.8 (1月) |
2.4 (1月) |
3.9 (1月) |
2.1 (1月) |
3.9 (1月) |
4.2 (1月) |
3.5 (1月) | ||
降水量 (mm) |
最多月 | 296.9 (6月) |
278.2 (6月) |
283.0 (6月) |
287.2 (6月) |
294.2 (6月) |
304.4 (9月) |
359.5 (6月) |
379.3 (6月) |
391.8 (6月) |
315.8 (6月) |
370.0 (6月) |
336.8 (7月) |
294.1 (7月) |
376.8 (8月) | |
最少月 | 30.7 (12月) |
29.0 (12月) |
34.5 (12月) |
30.0 (12月) |
28.1 (12月) |
33.9 (12月) |
39.7 (12月) |
48.0 (12月) |
43.1 (12月) |
35.2 (12月) |
35.3 (12月) |
27.5 (12月) |
27.0 (12月) |
31.7 (12月) |
自治体
大分県には、14市3郡3町1村を合わせて18市町村がある。現存するすべての町村名で、町は「まち」、村は「むら」と読む[注釈 2]。
2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて、いわゆる「平成の大合併」により別府市、津久見市、姫島村、日出町、九重町、玖珠町を除くすべての市町村が合併し、市町村の数は2004年(平成16年)12月31日までの58から、姫島村を除く東国東郡4町が合併して国東市が発足した2006年(平成18年)3月31日時点で、18へと大幅に減少した。これは九州で最も少なく、全国でも4番目に少ない[12]。なお、町の数(3町) および町村の数(4町村)は47都道府県で最も少ない[13]。
以下、6つの地域振興局の管轄ごとに市町村を記述する。
- 中部地域
- 東部地域
- 北部地域
- 西部地域
- 南部地域
- 佐伯市(九州最大の面積、九州最東端)
- 豊肥地域
消滅した郡町村
「平成の大合併」により消滅した郡町村。郡自体が消滅している場合は、郡名にリンクを付した。
- 西国東郡 大田村 - 真玉町 - 香々地町
- 東国東郡 国見町 - 国東町 - 武蔵町 - 安岐町
- 速見郡 山香町
- 大分郡 野津原町 - 挾間町 - 庄内町 - 湯布院町
- 北海部郡 佐賀関町
- 南海部郡 上浦町 - 弥生町 - 本匠村 - 宇目町 - 直川村 - 鶴見町 - 米水津村 - 蒲江町
- 大野郡 野津町 - 三重町 - 清川村 - 緒方町 - 朝地町 - 大野町 - 千歳村 - 犬飼町
- 直入郡 荻町 - 久住町 - 直入町
- 日田郡 前津江村 - 中津江村 - 上津江村 - 大山町 - 天瀬町
- 下毛郡 三光村 - 本耶馬渓町 - 耶馬溪町 - 山国町
- 宇佐郡 院内町 - 安心院町
注釈
出典
- ^ a b 大分県の県徽章・県旗について 大分県
- ^ a b c 大分県のシンボル 大分県
- ^ ゆるキャラだけが県じゃない。県民手帳は何を考えているのか〈沖縄県〜山口県編〉 - エキレビ! 2013年1月24日
- ^ “県民の日に関するQ&A”. 静岡県 (2015年9月23日). 2017年4月8日閲覧。
- ^ “「県民の日」埼玉・茨城は休みで大分は「何もなし」この違いって…”. Jタウンネット 茨城県 (2013年11月14日). 2017年4月8日閲覧。
- ^ “温泉データ”. 大分県ホームページ. 2021年3月5日閲覧。
- ^ 大分県による「おんせん県」商標登録申請について 大分県、2012年11月15日
- ^ 大分県の自然と風土 地形・地質 大分県
- ^ a b レッドデータブックおおいた2011 大分県の自然について 大分県の気候・水文 (PDF) 大分県
- ^ 大分県の気候特性 大分地方気象台
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 44 大分県』角川書店、1980年1月
- ^ 地方自治制度|広域行政・市町村合併 総務省
- ^ 都道府県毎の町村数 全国町村議会議長会
- ^ 後藤宗俊「豊国の形成と展開」 豊田寛三・後藤宗俊・飯沼賢司・末廣利人『大分県の歴史』山川出版社、2002年、10ページ
- ^ ホゾ穴かキツツキの穴か?日本最古の「建築部材」の謎に迫る:大分市横尾貝塚周辺の発掘調査より(遺跡漫遊 第6回) 建築雑誌 117(1495), 058, 2002-11-20、日本建築学会
- ^ 県名の由来 大分県
- ^ レファレンス事例集 > 大分県関係のレファレンス > 「大分県」の県名の由来を知りたい。 大分県立図書館
- ^ 豊後キリシタン小史 カトリック大分司教区
- ^ 付録1 本県管轄地の沿革 大分県
- ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、24頁。ISBN 9784816922749。
- ^ 「九州・四国。中国地方に豪雨禍」『毎日新聞』1943年9月21日大阪版・夕刊(昭和ニュース事典編纂委員会『昭和ニュース事典第8巻 昭和17年/昭和20年』本編p.225 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、65頁。ISBN 9784816922749。
- ^ a b c 平成26年度県民経済計算
- ^ 世界の名目GDP(USドル)ランキング
- ^ 八幡和郎『47都道府県うんちく事典』219頁
- ^ 大分県の日本一 大分県
- ^ 風土と人が作り出す美しい日本の椎茸 SHUN GATE
- ^ a b 大分県の農林水産業 (PDF) 大分県
- ^ 国民経済計算(GDP統計) 内閣府
- ^ 自然エネルギー:電力の自給率100%超の市町村が100カ所に、都道府県別では大分県が1位 スマートジャパン、2016年4月11日
- ^ 100億企業 3社増 16年度 大分合同新聞、2017年10月6日(以下同様)
- ^ 九重青少年の家 大分県教育委員会
- ^ 香々地青少年の家 大分県教育委員会
- ^ 『日本方言の記述的研究』国立国語研究所編、1959年、pp.241-242
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