大分県 地理・地域

大分県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 00:43 UTC 版)

地理・地域

九重連山
豊予海峡(画像手前が大分側の関崎、左手奥が愛媛側の佐田岬
由布院盆地(画像奥の山群は九重連山)

山地の占める割合が大きく、西部には九重連山、南部には祖母山傾山がそびえる。このうち九重連山の中岳は九州本土の最高峰である。平野部は北部の中津平野、中部の大分平野、南部の佐伯平野など限られた地域に分布している[8]。海岸部は、北部から西部で瀬戸内海(西部は周防灘豊前海)と呼ばれる)に面する。中部では豊後水道を挟んで四国地方に接しており、その最狭部の豊予海峡の幅は10キロメートルほどである。南部の日豊海岸にはリアス式海岸が発達しており、日豊海岸国定公園に指定された景観が楽しめる。

江戸時代に編纂された『豊後国志』(1803年)は最初の総合的地誌として名高い。

隣接都道府県

地形

自然公園

瀬戸内海国立公園阿蘇くじゅう国立公園
耶馬日田英彦山国定公園祖母傾国定公園日豊海岸国定公園
国東半島県立自然公園豊後水道県立自然公園神角寺芹川県立自然公園津江山系県立自然公園祖母傾県立自然公園

気候

瀬戸内海の西端に位置しており、気候区分上は瀬戸内海式気候から他の型への遷移域に当たる[9]

気候の区分にはいくつかの考え方がある。

気象庁では、予警報細分区域を以下の4区域に分けている[10]

  • 北部(中津市・宇佐市・豊後高田市・国東市・姫島村) - 瀬戸内海式気候に属するが、冬季は関門海峡からの北西の季節風の影響を受け曇りの日が多い。
  • 中部(杵築市・日出町・別府市・大分市・由布市・臼杵市・津久見市) - 北西部にある山地の影響で、冬季は北部や西部に比べて天気がよい。
  • 西部(日田市・玖珠町・九重町・竹田市) - 内陸部に位置するため夏季は雷雨が多い。秋から初冬にかけて盆地でが発生する。
  • 南部(豊後大野市・佐伯市) - 県内では最も温暖多雨で、夏季に大雨が降ることがある。冬季は晴天が多い。

降水量の年平均値、及び、降水日数の年変化の2つの観点から、以下の4区域に分ける考え方もある[9]

  • 瀬戸内型(I)(中津平野、国東半島及び別府市沿岸部) - 年間降水量が1,800ミリメートル (mm)以下。冬季は曇りがちで、しばしば積雪する。夏季には旱魃が起きやすい。
  • 瀬戸内型(II)(大分市、大野川中流域、臼杵市) - 年間降水量が1,800mm以下。冬季の天候は比較的よい。
  • 九州山地型(県西部から北西部にかけての内陸部) - 年間降水量が1,800mm以上。山岳地域では3,000mmを超える。梅雨期に豪雨が降りやすいが、夏季の台風による雨量は比較的少ない。冬季には降水日数が多く、しばしば積雪する。
  • 南海型(津久見市以南の佐伯市、豊後大野市) - 年間降水量が1,800mm以上。山岳地域では3,000mmを超える。特に夏季は多雨で、台風による大雨が降りやすい。冬季は乾燥し晴天が続く。
大分県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
北部沿岸部 中部沿岸部 南部沿岸部 内陸部
中津 豊後高田 国東市
国見
国東市
武蔵
杵築 大分 佐伯 佐伯
蒲江
日田 玖珠 宇佐市
院内
由布市
湯布院
竹田 豊後大野市
犬飼
佐伯市
宇目
平均
気温
(°C)
最暖月 26.9
(8月)
26.7
(8月)
26.5
(8月)
25.9
(8月)
26.8
(8月)
26.6
(8月)
26.6
(8月)
26.7
(8月)
25.2
(8月)
25.6
(8月)
24.0
(8月)
25.0
(8月)
26.0
(8月)
24.9
(8月)
最寒月 5.3
(1月)
5.1
(1月)
5.8
(1月)
3.7
(1月)
6.0
(1月)
6.4
(1月)
7.3
(1月)
3.8
(1月)
2.4
(1月)
3.9
(1月)
2.1
(1月)
3.9
(1月)
4.2
(1月)
3.5
(1月)
降水量
(mm)
最多月 296.9
(6月)
278.2
(6月)
283.0
(6月)
287.2
(6月)
294.2
(6月)
304.4
(9月)
359.5
(6月)
379.3
(6月)
391.8
(6月)
315.8
(6月)
370.0
(6月)
336.8
(7月)
294.1
(7月)
376.8
(8月)
最少月 30.7
(12月)
29.0
(12月)
34.5
(12月)
30.0
(12月)
28.1
(12月)
33.9
(12月)
39.7
(12月)
48.0
(12月)
43.1
(12月)
35.2
(12月)
35.3
(12月)
27.5
(12月)
27.0
(12月)
31.7
(12月)

自治体

大分県には、14市3郡3町1村を合わせて18市町村がある。現存するすべての町村名で、町は「まち」、村は「むら」と読む[注釈 2]

2005年(平成17年)から2006年(平成18年)にかけて、いわゆる「平成の大合併」により別府市、津久見市、姫島村、日出町、九重町、玖珠町を除くすべての市町村が合併し、市町村の数は2004年(平成16年)12月31日までの58から、姫島村を除く東国東郡4町が合併して国東市が発足した2006年(平成18年)3月31日時点で、18へと大幅に減少した。これは九州で最も少なく、全国でも4番目に少ない[12]。なお、町の数(3町) および町村の数(4町村)は47都道府県で最も少ない[13]

以下、6つの地域振興局の管轄ごとに市町村を記述する。

中部地域
東部地域
北部地域
西部地域
南部地域
  • 佐伯市(九州最大の面積、九州最東端)
豊肥地域

消滅した郡町村

「平成の大合併」により消滅した郡町村。郡自体が消滅している場合は、郡名にリンクを付した。


注釈

  1. ^ a b 海を挟んで隣接。
  2. ^ なお、「平成の大合併」で消滅した町村のうち、香々地町(現豊後高田市)、国見町(現国東市)、庄内町、湯布院町(以上、現由布市)、蒲江町(現佐伯市)は「ちょう」、直川村(現佐伯市)は「そん」と読み、それ以外は、町は「まち」、村は「むら」と読んでいた[11]
  3. ^ その後、1896年(明治29年)3月29日に福岡県上毛郡高浜村大字小祝のうち山国川支流以東が下毛郡中津村に編入され、現在の県域となった[19]
  4. ^ 国内総生産26.2%(2015年)[29] に対し、28.9%(2014年度)[23]

出典

  1. ^ a b 大分県の県徽章・県旗について 大分県
  2. ^ a b c 大分県のシンボル 大分県
  3. ^ ゆるキャラだけが県じゃない。県民手帳は何を考えているのか〈沖縄県〜山口県編〉 - エキレビ! 2013年1月24日
  4. ^ 県民の日に関するQ&A”. 静岡県 (2015年9月23日). 2017年4月8日閲覧。
  5. ^ 「県民の日」埼玉・茨城は休みで大分は「何もなし」この違いって…”. Jタウンネット 茨城県 (2013年11月14日). 2017年4月8日閲覧。
  6. ^ 温泉データ”. 大分県ホームページ. 2021年3月5日閲覧。
  7. ^ 大分県による「おんせん県」商標登録申請について 大分県、2012年11月15日
  8. ^ 大分県の自然と風土 地形・地質 大分県
  9. ^ a b レッドデータブックおおいた2011 大分県の自然について 大分県の気候・水文 (PDF) 大分県
  10. ^ 大分県の気候特性 大分地方気象台
  11. ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 44 大分県』角川書店、1980年1月
  12. ^ 地方自治制度|広域行政・市町村合併 総務省
  13. ^ 都道府県毎の町村数 全国町村議会議長会
  14. ^ 後藤宗俊「豊国の形成と展開」 豊田寛三・後藤宗俊・飯沼賢司・末廣利人『大分県の歴史』山川出版社、2002年、10ページ
  15. ^ ホゾ穴かキツツキの穴か?日本最古の「建築部材」の謎に迫る:大分市横尾貝塚周辺の発掘調査より(遺跡漫遊 第6回) 建築雑誌 117(1495), 058, 2002-11-20、日本建築学会
  16. ^ 県名の由来 大分県
  17. ^ レファレンス事例集 > 大分県関係のレファレンス > 「大分県」の県名の由来を知りたい。 大分県立図書館
  18. ^ 豊後キリシタン小史 カトリック大分司教区
  19. ^ 付録1 本県管轄地の沿革 大分県
  20. ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、24頁。ISBN 9784816922749 
  21. ^ 「九州・四国。中国地方に豪雨禍」『毎日新聞』1943年9月21日大阪版・夕刊(昭和ニュース事典編纂委員会『昭和ニュース事典第8巻 昭和17年/昭和20年』本編p.225 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  22. ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、65頁。ISBN 9784816922749 
  23. ^ a b c 平成26年度県民経済計算
  24. ^ 世界の名目GDP(USドル)ランキング
  25. ^ 八幡和郎『47都道府県うんちく事典』219頁
  26. ^ 大分県の日本一 大分県
  27. ^ 風土と人が作り出す美しい日本の椎茸 SHUN GATE
  28. ^ a b 大分県の農林水産業 (PDF) 大分県
  29. ^ 国民経済計算(GDP統計) 内閣府
  30. ^ 自然エネルギー:電力の自給率100%超の市町村が100カ所に、都道府県別では大分県が1位 スマートジャパン、2016年4月11日
  31. ^ 100億企業 3社増 16年度 大分合同新聞、2017年10月6日(以下同様)
  32. ^ 九重青少年の家 大分県教育委員会
  33. ^ 香々地青少年の家 大分県教育委員会
  34. ^ 『日本方言の記述的研究』国立国語研究所編、1959年、pp.241-242






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