ジントニック
英語:gin and tonic
別表記:ジン・トニック
ジントニック(英: gin and tonic)とは、蒸留酒のジンをベースにしたカクテルである。数あるカクテルのなかでも、マティーニなどと並んで定番のレシピのひとつとなっている。ジンは大麦やライ麦、ジャガイモなどを使った、度数約40%のアルコールで、蒸留の際にネズの実を中心に、コリアンダーなどの薬草類で香りづけされる。これに柑橘系のトニックウォーターを加えることによって10~15%の濃度となる。香りがよくて、柑橘系のほろ苦さが舌に残る、少しビターなお酒である。
熱帯地方の植民地で働くイギリス人の間では、マラリア防止の飲料として、炭酸水に各種の柑橘類の果皮や香草のエキス及び糖分を加えて調製したトニック・ウォーターという清涼飲料水が飲まれていた。これにジンを入れてみたところ、たいへん好評だった。こうして誕生したジントニックは、第二次大戦後に、世界中に広まったという経緯がある。
ジン・トニック
ジン・トニック (英語: Gin and Tonic) | |
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基本情報 | |
種別 | ロングドリンク |
作成技法 | ビルド[1] |
色 | 無色透明 |
グラス |
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アルコール度数 | |
度数 |
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レシピの一例 | |
ベース | ドライ・ジン[4] |
装飾材料 | ライムもしくはレモン[4] |
ジン・トニック(英語: Gin and Tonic)とは、ジンにトニックウォーターを加えて作るカクテルである。
標準的なレシピ
作り方
歴史
ジン・トニックはジンにトニックウォーターを加えて作るカクテルであり[4]、トニックウォーターはキニーネ入りの炭酸水である[6]。
キニーネはキナノキの樹皮に多く含まれる成分で[6]、1630年頃にイエズス会の宣教師によってヨーロッパに持ち帰られたことでマラリアへの効能が判明[7]、1800年頃にはマラリアのほか様々な症状に用いられる万能薬として扱われていた[8]。しかしキニーネは非常に強い苦みを伴うため飲みにくく[6]、アルコール飲料を中心に様々な飲料に混ぜることで摂取されていた[9]。ビールやワインのほか、1730年代イングランドではチョコレートと、1771年のイギリス海軍ではラム酒、1856年のニジェールではシェリー酒と様々である[9]。1700年代後半には人工的な炭酸水が開発され、当初は薬効があると考えられていたことから、同じく健康増進効果があると考えられていたキニーネを混ぜて販売する業者が現れた[10]。最古のキニーネ入り炭酸水はヒューズ・アンド・カンパニーが発売したもので、1835年の広告からその存在が確認できる[10]。1858年にはロンドンのエラスムス・ボンドが「ピッツの気泡入りトニックウォーター」を、1870年代にはシュウェップス社がトニックウォーターを作り始めた[10]。
ジンとトニックウォーターを混ぜ始めたのはイギリス統治下のインドである[10]。インドはマラリアが存在するため、イギリス人たちはキニーネの錠剤やトニックウォーターで摂取していた[10]。ジン・トニックはジンをトニックウォーターで割る単純なカクテルであるため誰が開発したのか特定するのは困難であるが、1868年のインドのイギリス人向けスポーツ雑誌にジン・トニックが嗜好品として飲まれていたことがわかる記述があり[11]、1880年頃にはインドで人気を博するようになった[12]。また、遠地に派遣されていたイギリス海軍では壊血病予防のためにレモンやライムなどの柑橘類が支給されていたため、ジン・トニックにそれらを絞って飲まれるようになった[13]
ジン・トニックがアメリカに伝わった当初は異国の薬用カクテルだと認識されていた[14]。チャールズ・H・ベイカー・ジュニアは1939年の著書でジン・トニックについて「米国に伝わってまだ日が浅く、東洋の異国に通じていることを仲間に印象づけたい者が、自ら主催するパーティで供する程度だ」と述べている[14]。アメリカで人気を博するようになったのは第二次世界大戦後で、シュウェップス社が1953年にアメリカに工場を開設し、積極的な宣伝を行ったことで定番のカクテルとして人気を博した[15]。
脚注
出典
- ^ 上田 2000, p. 78.
- ^ 稲保幸 (2003) p.165
- ^ 桑名伸佐 (2006) p.59
- ^ a b c d e f g h 福西, 花崎 & 山崎 1995, p. 281.
- ^ 日本ジン協会 2019, p. 261.
- ^ a b c 日本ジン協会 2019, p. 47.
- ^ イングリッシュ 2023, p. 284.
- ^ イングリッシュ 2023, p. 293.
- ^ a b イングリッシュ 2023, p. 289.
- ^ a b c d e イングリッシュ 2023, p. 295.
- ^ イングリッシュ 2023, p. 296.
- ^ イングリッシュ 2023, p. 297.
- ^ きたおか 2020, p. 79.
- ^ a b イングリッシュ 2023, p. 304.
- ^ イングリッシュ 2023, pp. 304–305.
参考文献
- キャンパー・イングリッシュ 著、海野桂 訳『酒が薬で、薬が酒で ビール、ワイン、蒸留酒が紡ぐ医学史』柏書房、2023年。ISBN 978-4760155415。
- きたおかろっき『ジンのすべて』旭屋出版、2020年。ISBN 978-4-7511-1345-5。
- 日本ジン協会『ジン大全 COMPLETE BOOK OF GIN』G.B.、2019年。ISBN 978-4-906993-69-7。
- 上田和男『カクテルテクニック』柴田書店、2000年。ISBN 4-388-05868-8。
- 福西英三、花崎一夫、山崎正信『新板 バーテンダーズマニュアル』柴田書店、1995年。ISBN 4-388-05765-7。
- 稲保幸『色でひけるカクテル』大泉書店、2003年12月18日 ISBN 4-278-03752-X
- 桑名伸佐監修『カクテル・パーフェクトブック』日本文芸社、2006年2月25日 ISBN 978-4-537-20423-0
「gin and tonic」の例文・使い方・用例・文例
- 堅苦しい語[表現, 文体] 《たとえば cease (=stop), commence (=begin), purchase (=buy), vessel (=ship) など》.
- 未完了時制, (特に)半過去 《英語では過去進行時制, used to で表わされる時制がこれに相当する; 例: He was singing.》.
- 蒸留酒, 火酒 《brandy, gin, rum, whiskey など》.
- Ustilaginaceaeの標準属
- 私はまず、この点をAmandaに確認します。
- 11月21日にHolyoke Bar and Grillで、Pete Laurenの退職パーティーが開かれることをお知らせします。11 月10 日までにお返事をください。
- 来月のロンドンへの出張のために、飛行機の便を予約して、Southland銀行の近くの宿泊施設を手配してもらえますか。
- 年次監査を行うために、Bradford and Partnersの会計士たちが10 月10 日の午前10 時に当社を訪ねてくる予定です。
- 一般に公開されたことのない、Ruth and Steve Whitmanの個人コレクションの絵画を含む、およそ120 点の作品が展示される。
- Ruth and Steve Whitmanを紹介すること。
- Conteeさんは、昨年Hope and Learnの会長に就任された、受賞歴のあるミュージカル女優さんです。
- Hope and Learnは遠隔地に学校を建設する資金を集める慈善団体です。
- Hope and Learnへの寄付は、この夜会の最後に集めます。
- 気をつけの姿勢で立つ (⇔stand at ease).
- 等位[対等]接続詞 《対等の語句を接続する and, but など》.
- 等位接続詞 《and, but, or, for など; ⇔subordinate conjunction》.
- 連結接続詞 《and など》.
- 【文法】 相関接続詞 《both…and; either…or など》.
- 英国陸軍士官学校 《Berkshire の Sandhurst /sndhɚːst|‐həːst/ にある》.
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