パジェロ
アルゼンチン南部の台地・パタゴニア地方に棲息している野生の猫のことで、野性味と美しさを調和させる願いを込めた。
最初のクルマは1982年5月に登場したが、その時点では商用車だけだった。乗用車となっだのは83年3月。5ナンバーワゴンで、エンジンはターボ付き2Lガソリンと2.3Lディーゼルがあった。フルリクライニングのリヤシート、室内のフルトリム化などが商用タイプと違っていた。7月、エステートワゴンを追加した。ロングボディのハイルーフ4ドア車で、エンジンは変更なし。
84年6月、マイナーチェンジ。ディーゼルターボ・ユニットをウエイストゲートバルブ付きとして出力向上、駆動系も改善した。ガソリンターボの渦給圧を上げて加速性能をアップ。ボディ関係では、フロントグリルを新デザインとし、ドアミラーも大型化した。
86年4月、2.5Lのディーゼルターボ・エンジンを搭載したミットルーフ・ボディを追加。従来モデルのエンジンはすべてサイクロンに変わった。
87年9月、最高級モデルとしてミットルーフ・ボディに、2.5Lディーゼルターボを積んだエクシード(卓越した、優れたの意)を追加した。既存モデルも3連メーターや電子チューニングラジオの採用などを行った。
88年9月、V6・3Lの150psエンジンを載せたモデルを発売した。新しい最高級モデルだった。ミッションは4速ATだけの設定。89年6月にはワイドボディを追加した。トレッドを拡大してオーバーフェンダーを付け、エンジンはガソリンのV6・3Lまたはインタークーラー付きディーゼルターボの2.5L。Wのレターが付いていた。
91年1月、2代目となった。基本コンセプトは継承したが、サイズは大きくなった。ラダーフレームをもち、ホイールベース2420mmのショートと2725mmのロング2シリーズに大別。バリエーションは19タイプに増えた。エンジンはガソリンがV6・3L、ディーゼルはインタークーラー付きターボの2.5Lだった。4WDのシステムは新開発のスーパーセレクトというメカニズムに進化した。92年6月、サイドアンダーミラーを左フェンダーに装備した。
93年7月、マイナーチェンジ。エンジンは従来からのV6・3Lと新開発のV6・3.5L、ディーゼルはインタークーラー付きターボの2.5Lに加えて新開発の2.8Lを採用、合計4種になった。ショートボディとロングボディがあった。94年8月にも変更があり、バリエーションを増やした。
96年5月、ディーゼルの2.8Lエンジン(インタークーラー付きターボ)のパワーを140psにアップ。一方ガソリンは直4の2.4Lを導入して、新グレードを追加した。SRSエアバッグの標準装備、複合曲面ドアミラーの採用などもあった。
97年5月、GDI方式のV6・3.5Lガソリンエンジンを新たに採用した。従来型に比ベパワー、トルク、燃費などすべてが向上。この時点で2.5Lのディーゼルターボは廃止。ミッションは学習制御付きのINVECS-Ⅱ電子制御ATに変わった。
99年9月、フルモデルチェンジ、3代目誕生。シャシー、ボディがモノコック構造になったことが新しい。ボディタイプは3ドアのショートと5ドアのロングがあり、それぞれホイールベースや全長を伸ばし、より大型になった。エンジンは3.2L直噴ディーゼル+インタークーラー付きターボ175psと、ガソリンは改良型3.5LGDI・220psの2種。これにINVECSⅡ・4速AT、スポーツモード付きの4速、5速ATを組み合わせる。駆動方式はスーパーセレクト4WDEに変わった。リヤサスペンションはマルチリンクになり、高度化した。ガソリン車の発売は10月からだった。
2000年8月、商品ラインアップを広げ、機能装備の充実をはかった。3L・V6・MPIエンジン搭載のZR(ショート、ロング)、ZX(ロング)を追加。従来型エクシードをIとⅡに分割。装備面ではディスチャージヘッドランプ、セキュリティーアラームなどを上級モデルに採用、リヤデフロック(ヘリカルLSD付き)をメーカーオプションとして全車に設定した。
2001年8月にも装備充実をポイントとする改良を実施。MMCS(三菱マルチコミュニケーションシステム)のナビゲーション機能をDVD化、オーディオシステムはMDプレーヤーを標準装備。運転席・助手席シートバックポケットの新設、ボディカラーの新色追加を行った。
2002年9月、フロントグリルや前後バンパー、ホイールリップモールなどエクステリアパーツのデザインを一新。インテリアでは木目調パネルの使用部位を拡大した。そのほか、悪路走破性とオンロードでのコーナリング性能向上のためのデバイス、アクティブスタビリティおよびトラクションコントロール(ASTC)の採用。新グレード、エクシードの追加があった。
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