National Trustとは? わかりやすく解説

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ナショナル‐トラスト【National Trust】

読み方:なしょなるとらすと

【一】歴史的建造物自然の保護目的とする英国民間団体1895年設立寄贈買い取りによってその土地入手し保全管理する

[補説] 正式名称は、The National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty

【二】自然環境歴史的地区などの保存目的とした活動寄付金会費などによって森林海岸歴史的建造物買い上げ保全を行う。トラスト


ナショナル・トラスト

【英】:National Trust

イギリスでの民間自然保護運動団体の名前由来とする,自然や遺跡など保護運動のこと。1995年始まって以来一般市民から募金集め土地買い取り寄贈受けたりして開発ストップさせる方法をとるなどの成果上げてきた。日本では1992年にナショナル・トラスト協会設立され各地行われている運動の連絡協力機関として,毎年全国大会開かれている。

ナショナルトラスト運動

(National Trust から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/05 04:50 UTC 版)

ナショナルトラスト運動(ナショナルトラストうんどう)は、貴重な自然環境をとどめている土地や優れた文化財を、地域の人住民らが募金を集めて買い取ったり、寄贈したりして保護・管理していく運動のこと。産業革命期の19世紀末に英国で発祥した。日本では全国各地で50以上の団体が活動している。

概要

イギリスボランティア団体「ナショナル・トラスト」によって行われた活動を原型として、世界各地に広がった。保護させるべき地域を設定して買い上げ、次世代に伝えていくために管理・保全していく活動である。

ナショナル・トラスト自体、元々は歴史的建造物(文化財歴史地区)の保護を目的としたもので、後に自然の景勝も保全する活動に拡大された。日本では大佛次郎により「自然保護活動」と紹介されたことに絡み、市民有志による土地の買い上げ(土地所有権は各個人にあるものや、市民団体が保有するものなど様々)や自治体に買い取らせることにより、環境保護を行うものと解されている。

  • 地域の生態系を維持し、保全ないし修復をする。
  • 必要に応じて保全し、市民全般が憩えるように公園などの観光開発事業も含む場合がある。
  • 保全された環境を二次的な商品として利用し、そこから得られる産品で収益事業を行う場合がある。
    • 材木の生産では適度に木を間引くことで山林の形態を維持し、間伐材を木材として販売する。
    • 観光資源として商品化しブランド名を確立、間伐材で作った家具木炭などの関連商品を販売する。

原型となった活動を踏襲して、観光開発と維持を含める場合もあるが、日本では単に「土地を買い上げて保全する事」と解される場合もある。この場合は管理や保全の資金を、募金とその資金運用によって賄うこともある。場合によっては、土地の所有者自身がボランティアで保全活動をしている場合もある。

元々の活動

元々は、19世紀中頃より社会全体が豊かになる中で、急速にその経済力が衰えていったイギリスの貴族ジェントリなどの社会階層が所有する歴史的建物や土地などが、経済的な理由にも絡んで荒れ果てるケースも発生したため、これを保全する意味で始められた。これらでは保全の資金を観光の入場料などに求めて収益事業とし、これによって最良の状態で観光客を受け入れることで、地域社会の観光開発にも寄与した。

このような観光開発は、維持に掛かるコストも増大させるが、それ以上に「永く伝えていく」ためには、経済的に収入が無いと維持できないという思想である。事業化することにより収支のバランスを維持し、後世に伝えることができると考えられている。

後に運動が軌道に乗るとさらに拡大、著名人から寄付された土地も管理し、次の世代に伝えるための管理・運営を行うようになった。詳しくはナショナル・トラストの項を参照。

日本における展開

1964年に、神奈川県鎌倉市の御谷地区を乱開発から守るべく、住民らが募金活動を行い、開発対象となっていた土地を購入した。これがナショナル・トラストの概念を取り入れた最初の例とされている[1]。この時の運動に関わった、作家の大佛次郎による随筆「破壊される自然」が朝日新聞に掲載されたことで、ナショナル・トラストという名前・発想・活動が広く知られるようになり、1968年12月に英国のナショナル・トラストを範として、運輸省(現国交省)の主管のもと観光資源保護財団(現・財団法人日本ナショナルトラスト)が設立された[2]

翌1969年4月には、大佛次郎らで構成された選考会により、同財団の愛称名として「日本ナショナルトラスト」の名称が用いられることとなった。なお、財団法人日本ナショナルトラストの保護資産第1号は、茨城県天心遺跡記念公園(旧日本美術院五浦研究所)である。

しかしながら、1970年代前半頃までのナショナルトラスト運動は、対象の周辺住民の間での限定的なものであることが多く、各運動間の連携も十分ではなかった。1970年代中頃から後半にかけ、北海道知床半島での「知床100平方メートル運動」や和歌山県天神崎での「市民地主運動」を契機に、各地の運動と連携し、より広く大きな運動とする動きが見られるようになっていった。

これらの運動を中心に、1983年にナショナルトラスト運動を全国的に連絡・協力する組織として「ナショナル・トラストを進める全国の会」が結成され、第1回全国大会を天神崎のある田辺市で開催した[3]。なお、財団法人天神崎の自然を大切にする会は、1987年に日本初の自然環境保全法人に認定されており、「ナショナル・トラストを進める全国の会」の第一回全国大会開催地という点も含め、日本におけるナショナルトラスト運動の本格的な起源を天神崎とする見解も多い[4]

1992年には任意団体だった「ナショナル・トラストを進める全国の会」の設立趣旨・事業活動などを継承し、環境庁(現・環境省)の主管のもと社団法人日本ナショナル・トラスト協会が設立された。

現在、知床半島北海道斜里郡斜里町)、釧路湿原(北海道釧路市)、グリーントラストうつのみや:鶴田沼戸祭山など(栃木県宇都宮市)、さいたま緑のトラスト協会見沼など(埼玉県さいたま市)、トトロの森狭山丘陵(埼玉県[[所沢市])(東京都)柿田川静岡県駿東郡清水町)、天神崎和歌山県田辺市)など全国各地で48団体が活動している。市民の寄付などで保全した管理地は37都道府県の約1万5700ヘクタールにおよぶ(日本ナショナル・トラスト協会による2018年時点集計)。

ただし、土地が保護団体の所有となっても環境の回復までは手が回らなかったり、資金の一部を不動産取得税固定資産税の納付に充てざるを得なかったりするといった課題が指摘されている[5]

脚注

  1. ^ 社団法人日本ナショナル・トラスト協会のウェブサイト上のFAQに記述がある。
  2. ^ 財団法人日本ナショナルトラストのウェブサイトによれば、大佛の紹介によって英国のナショナル・トラストが日本で広く知られるようになったという。
  3. ^ 財団法人天神崎の自然を大切にする会のウェブサイトの年表を参照。
  4. ^ 財団法人天神崎の自然を大切にする会のウェブサイト近畿地方整備局 和歌山港湾事務所のウェブサイトにあるように、天神崎は「日本のナショナルトラスト法人第一号」とされる。
  5. ^ 「自然保護地1.5万ヘクタールに 市民の寄付で土地取得」共同通信47NEWS(2018年5月3日)2018年5月11日閲覧

関連項目

外部リンク

ナショナル・トラスト2006年8月3日の版より転載

ナショナル・トラスト

(National Trust から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/18 08:49 UTC 版)

ナショナル・トラスト (National Trust) とは、歴史的建築物の保護を目的として英国において設立されたボランティア団体。正式名称は歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト (National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty)。

ナショナル・トラストは設立の目的として「国民の利益のために、美しく、あるいは歴史的に意味のある土地や資産を永久に保存するよう促すこと、土地については、実行可能な限り、その土地本来の要素や特徴、動植物の生態を保存すること、そしてこの目的のために、資産の所有者から歴史的建造物や景勝地の寄贈を受け、獲得した土地や建物などの資産を国民の利用と楽しみのために信託財産として保持すること」を定めており[1]、単なる環境保護ではなく、歴史的建造物や景勝地国民の遺産として保持することで、愛国心や国民の一体感といったナショナル・アイデンティティを形成・強化することを意義としている[1]

本組織による保護活動が著名となったことから、同様の趣旨を持って活動する運動、あるいは理念そのものを「ナショナル・トラスト」と呼ぶこともある。同団体は2015年現在、424万人の会員と6万人超のボランティアが支える英国最大の自然保護団体となっている[2]

イングランドヨークシャーファウンテンズ修道院
1132年から建設されたシトー会の修道院
イングランドケント州シシングハースト・カースル・ガーデン
イングランドケンブリッジシャーのウィムポール・ホール
ハードウィック伯爵らの所有したカントリー・ハウス
イングランドケント州チャートウェル
ウィンストン・チャーチルが後半生を過ごした邸宅
リヴァプールメンディプス
ジョン・レノンの子供時代の家

概要

英国政府の公的機関であるイングリッシュ・ネイチャーや、イングリッシュ・ヘリテッジらと協力して活動をすすめている。

  • 対象
    • 自然遺産
    • 文化遺産
  • 手段
    • 寄付を募り、これを財団NPONGOなど税制上有利となる組織を通じて使う手法によって、対象の維持・保全・未来への引継ぎを図る。
    • 行政組織に働きかけ、経済上・行政上・法制上の手法を工夫することにより、対象の維持・保全・未来への引継ぎを図る。

歴史

1895年にオクタヴィア・ヒルロバート・ハンターハードウィック・ローンズリー司祭の三者によって設立された。 ヒルはロンドンのスラム街での住宅改良運動で成功を納めた女性であり、ハンターは環境保護団体での実績のある弁護士だった。ローンズリーは湖水地方の鉄道建設反対運動の指導者だった人物である。

設立の背景には、他のヨーロッパ諸国でのナショナリズムの高まりに比して大英帝国では国内統合が進んでいないという知的エリート層の危機感があった[1]。トラストの運営にはジェイムズ・ブライスのような議員や大学教授、ジャーナリストなど幅広い知的専門職が集い、ウェストミンスター公爵をはじめとした伝統的支配階級がパトロンとなった。

ナショナル・トラストは国家や自治体とは独立した公益法人だが、その活動には公的権力の介入が不可欠だった。トラストは評議会の議員たちと連携し、古記念物保護法の改正や1907年にナショナル・トラスト法を成立させるなど、国家による法的援助を受けることに成功した[1]

組織が扱った最初の建築物および自然区はそれぞれアフリストン・クラーギー・ハウスとウィッケン・フェンであった。20世紀中頃になると貴族およびジェントリ層が農村に所有する邸宅であったカントリー・ハウスが、経済的な負担から維持できなくなるケースが増え、ナショナル・トラストもこれらの保護に力を注いだ。

著名な施設

2014年から2015年にかけての期間にナショナル・トラスト施設を訪れた人の総数は2130万人を数えた[2]。下のリストはその内で入場料を徴収するものの上位10施設である。

順位 施設 位置 訪れた人の総数
1 ジャイアンツ・コーズウェー アントリム県 549,066
2 ストウヘッド庭園 ウィルトシャー 405,572
3 クリーデン バッキンガムシャー 404,702
4 アッティンガムパーク シュロップシャー 394,334
5 ファウンテンズ修道院 ノース・ヨークシャー 373,364
6 ポルズデン・レーシー サリー 346,587
7 ダナム・マーシー グレーター・マンチェスター 340,929
8 ナイマンズ庭園 ウェスト・サセックス 323,268
9 キャリック・ア・リード アントリム県 323,188
10 ベルトン・ハウス リンカンシャー 321,776

他にも著名な施設として

等があげられる。

ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影で使用された、北アイルランドにあるキャッスル・ワード

イギリス以外の団体

組織の活動の成功によって、英語圏を中心とした世界各国にナショナル・トラストの名称を冠した保護団体が設立された 。以下の団体は互いに協力体制をとっており、ある国における団体の会員は他国のナショナル・トラスト施設への入場料が減額あるいは無料となる。

類似組織としては次のものが挙げられる。

脚注

  1. ^ a b c d 水野 2005, pp. 207–219.
  2. ^ a b National Trust Annual Report 2014/15

参考文献

  • 水野祥子、川北稔(編)、2005、「環境保護運動の結社」、『結社のイギリス史:クラブから帝国まで』、山川出版社〈結社の世界史〉 ISBN 4634444402

外部リンク


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