merchandise
「merchandise」とは、品物、製品、商品、在庫品、商売を営む、取引する等を意味する英語表現である。
「merchandise」とは・「merchandise」の意味
「merchandise」とは、品物、製品、商品、在庫品、販促品、関連グッズ等を集合的に表す不可算名詞(数えられない名詞)である。また「merchandise」は動詞としても用いられ、「商売を営む」「(品物を)売買する」「商う」「取引する」「(品物の)販売を促進する」「(商品などを)宣伝する」「(サービス・設備などを)商業化する」等の意味を表現する。「merchandise」の派生語、「merchandiser」は「小売業者」「商品担当責任者」「商品管理責任者」等の意味を示す名詞である。「merchandiser」と同様の意味を持つ名詞に「retailer(小売業者、小売店、小売業)」がある。「merchant」は、名詞または形容詞として使用可能な英単語である。名詞として「商人」「貿易商」「卸売商」「商店主」「小売商」等の意味を示す。可算名詞(数えられる名詞)のため、複数形としての使用が可能である。形容詞として用いる場合には、「商業の」「貿易の」「商船の」「商人の」等と訳すことが出来る。
「merchandise」の複数形
前述のとおり、「merchandise」は不可算名詞のため複数形を持たない。「merchandise」のスラングとしての意味
「merchandise」のスラング(俗語、親しい間柄で使われるくだけた言葉)は、単語の後半部分を省略し「merch」と表される。おもに映画やアニメ、キャラクター、有名人等の「関連グッズ・関連商品」、音楽フェスやライブ等での「物販」を表す際に使用される。「merchandise」の発音・読み方
「merchandise」の発音記号は「mə́ːrtʃəndàiz」で、読み方は「マーチャンダイズ」である。「ə́」にアクセント(強勢)があるため、「マ」の部分を強く発音する。カタカナ表記も「マーチャンダイズ」となる。「merchandise」の語源・由来
「merchandise」の語源は、古フランス語の「marcheant(売り手、ベンダー)」+「接尾辞 ise」と考えられている。その後、古フランス語「marcheandise(商品、製品)」とアングロ=ノルマン語「marchaundise」を経て、中期英語「marchaundise(商取引、購入、 貿易)」へ派生したとされる。「merchandise」の類語
「merchandise」の類語として、「product(製品、商品、製造物)」「goods(品物、商品、所有物)」「purchase(購入品、購入する、買う)」等が挙げられる。「merchandise」と「product」の違い
「merchandise」と「product」は、どちらも「商品」という意味を表す名詞であるが、「merchandise」が商品の集合を示すのに対し、「product」は個々の商品を表すという点で違いがある。「product」は可算名詞のため、単数形・複数形どちらの形でも使用可能である(「merchandise」は不可算名詞のため、複数形は存在しない)。また「merchandise」はやや改まった雰囲気があるため、会社同士の取引や売買等で用いられる場合が多い。一方で「product」は生産者や売り手側から見た「商品」を表し、日本語の「製品」に近いニュアンスを持つ。「merchandise」を含む英熟語・英語表現
「merchandise」を含む英熟語・英語表現には、以下のようなものがある。「merchandise balance」貿易収支
「merchandise coupon to revitalize local economies」地域振興券
「lower-end merchandise」普及品、低価格品
「purchase merchandise」商品を仕入れる、買う
「reorder merchandise」商品を補充する、在庫補充のため仕入れる
「general merchandise」とは
「general merchandise」とは、「雑貨」を表す表現である。また、「general merchandise store」(略称:GMS)は、「ゼネラルマーチャンダイズストア」「総合小売業」と訳され、食料品や衣料品、日用品を中心に実用的な商品を幅広く取り揃えた大規模な小売業態のことを表す。GMSはアメリカで発達した業態のひとつであり、日本では「総合スーパー」とも呼ばれる。代表的な例としてイオン、イトーヨーカドー、西友、イズミヤ等が挙げられる。
「merchandise」の使い方・例文
「merchandise」の使い方・例文には、以下のようなものがある。We have very little merchandise in stock now.
商品の在庫は、今ほとんどない。
He received a bill for the merchandise he bought three months before.
3か月前に買った商品の請求書が、彼のもとに届いた。
Please examine the merchandise when you receive your order.
注文品を受け取り次第、商品確認をお願い。
If you wish to return the merchandise, please follow the instructions below.
返品を希望する場合、以下の説明に従ってくれ。
If the product is properly merchandised, it should sell well.
適切に宣伝すれば、その商品はよく売れるだろう。
マーチャンダイジング
マーチャンダイジング (英語: merchandising) とは、一般的には、消費者の欲求・要求に適う商品を、適切な数量、適切な価格、適切なタイミング等で提供するための企業活動のこと[1][2]。「商品政策」「商品化計画」。「MD」と略されることもある[3]。
概説
マーケティング活動のひとつ[4]として位置づけられることが多い。 ただし、マーチャンダイジング(MD)という言葉が主として使われる場は、アカデミックな場ではなく、実際の商業の場なので、多義的で流動的に用いられている[5]。例えば百貨店業界でのマーチャンダイジングの実態は、仕入れ、販売、管理などの業務フローについてのマネジメント・コントロールであり、マーチャンダイジングは経営マネジメントの概念のひとつとして捉えるべき[6]ともされる。
メーカーで製造された「製品 (Product)」が小売業で扱われると、同一物でありながら「商品 (Merchandise)」へと呼び名が変わる。そこからもMerchandisingという概念は、基本的には小売業と関連のある概念[7]ともされる。製造業においては「商品計画」に類似する「製品計画」という言葉が用いられているが、これは指し示す範囲が異なっているともされる。
近年のマーチャンダイジングにおいては、POSは重要なツールとなっている[8]。
マーチャンダイジングを行っているのは、消費者と直接接する小売業者であることが多い。だが、メーカー、卸売業、小売業などが一丸となって共同で行うこともあり、これは「チーム・マーチャンダイジング」などと呼ばれる。例えばイトーヨーカ堂の「チームMD」などが知られる[9]。
諸定義
マーチャンダイジングには様々な定義が存在し、論者によって異なりもすれば、また時代とともに変遷もしている。
「Merchandising」は「Merchandise」に由来すると言われている。Merchandiseには動詞と名詞があり、動詞ならば「取引する」「商う」「販売を促進する」という意味であり、それにingを付けて動名詞化したものとすれば、売買活動、商いの活動を指すようになった[10][11]、ともされる。
古くはNystromが、アパレル分野でのマーチャンダイジングの定義を行い、「マーチャンダイジングとは、注意深い計画、優れたスタイリングと生産、または選択と仕入、及び効果的販売」としたという(1932年)[11]。
全米マーケティング協会(AMA)の定義は以下のように改訂、変遷してきている[6]という。
- 1948年 「適切な商品やサービスを、適正な場所、時期、数量、価格によって、顧客に提供するための計画、活動」
- 1960年 「企業のマーケティング目標を達成するために特定の商品、サービスを最も役に立つ場所と時期と価格で、数量を扱うことに関し計画し管理すること」
- 2008年現在 「インストア・ディスプレイを展開するメーカーの販促活動、および、小売業における商品(アイテム)と商品ラインの明確化」
しかも現在AMAではマーチャンダイジングを、小売業だけでなく製造業にも適用される活動であり、小売業では売場のアイテムレベルと店舗のラインレベルの複数のレベルがある、としているという。
ビジュアル・マーチャンダイジング
店舗、商品演出において、マーチャンダイジングを視覚的に訴求しようとする手法を特に「ビジュアル・マーチャンダイジング」(略称:VMD=visual merchandising)という。商品陳列の視覚効果を狙ったビジュアルプレゼンテーションはその一要素であるが、VMDはより幅広い内容と活動を含んでいる。店舗の統一コンセプトに基づき、品揃えや店舗デザイン、プロモーション、陳列方法などを連動させ、客の視点にたった見やすく買いやすい売り場を総合的に作っていくことが目標となる[12]。
職業
流通・小売業等の企業においてはマーチャンダイジングを主要業務とし、商品の開発から販売戦略などを一貫して行う人がいる場合があり、ひとつの職種として成立している。マーチャンダイジングを担当する人は一般に「マーチャンダイザー」と呼ばれる。[13]
関連項目
- 店頭プロモーション
- サービス・マーチャンダイザー
- ラックジョバー
- カテゴリーベンダー
- インストアマーチャンダイジング
出典
- ^ 広辞苑
- ^ 大辞林
- ^ 『衣料品MD(マーチャンダイジング)の成功方程式』他
- ^ 大辞林
- ^ 宮副謙司,2008年,「マーチャンダイジングの捉え方について」(東京大学COEものづくり経営研究センター MMMRC Discussion Paper No.193, p.1
- ^ a b 宮副謙司、同論文 p.1
- ^ 宮副謙司、同論文 p.7
- ^ 『小売業「超POSマーチャンダイジング革命」の具体策―価格破壊時代に勝残る』
- ^ 関連書:村上 豊道『ヨーカ堂グループのマーチャンダイジング革命―効率売り場で高利益を生み出す「戦略型MD」導入の実際』ぱる出版、1998
- ^ 小山周三『現代の百貨店』日本経済新聞社、2001年
- ^ a b 宮副謙司、同論文 p.4
- ^ 朝日新聞社. “コトバンク/ビジュアル・マーチャンダイジング”. 2013年4月28日閲覧。
- ^ “マーチャンダイザーってどんな仕事?”. 2023年4月16日閲覧。
関連書
- 田島義博 『マーチャンダイジングの知識 』日経文庫
外部リンク
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