JBCルール違反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:16 UTC 版)
井岡が入れ墨(タトゥー)を隠さずに試合をしたことについて、試合後にボクシングファンからJBCに問い合わせがあったという。JBCルール第86条において〈入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者〉は〈試合に出場することができない〉と定められており、日本のライセンスを持った選手が国内のリングに上がる際は本項が適用される(外国人選手や海外での試合は適用外)。JBCによると、前日の計量で注意を与えており、本人も何かを塗って薄くなるよう隠した様子であったが、塗っていたものが剥がれて段々濃くなっていった。いずれにせよ、ルール違反となるため、対応を検討中であるという。 アメリカのボクシング専門サイト「BoxingScene」は、井岡の海外の交渉などを任せている担当者に連絡してコメントを求めてきたという。しかし正式な処分が出ていない段階でインタビューに応じられないと伝えると、「過去のコメントでもいいので」という話になり、担当者が昨年8月に井岡がYouTubeにアップして語っていたタトゥーに関する持論などを英語に翻訳して渡した。それが1月7日、井岡の反論記事とも読める記事となって掲載され、一部訳文が「『ボクシング・シーン』に自身の気持ちを語った」「井岡がこのほど、『ボクシング・シーン』のインタビューに応じた」という拡大解釈とともに日本の複数メディアの記事となってしまった。 「JBCルールや処分対象となったことに徹底抗戦・問題提起を行っている」という誤解を招くため、井岡本人と井岡陣営は困惑しているという。井岡陣営の説明によると、今回もJBC関係者立ち合いのもとでファンデーションで隠す措置をしており、あえて薄く塗るなど意図的にタトゥーを見せる意図はなかった。ファンデーションの塗り方か、タトゥーが以前より大きくなっていたのが影響したのか、汗や激しい接触などで浮き出てしまった失態を認め、あくまで想定外の出来事であったとJBCに伝えており、反論も問題提起も行っていないという。 一方、JBC関係者が立ち会っているにも関わらず、ファンデーションの塗り方が不十分だったことにクレームをつけずに試合が行われたことはJBCの落ち度である。結果的にルール違反となった事実はあるが、井岡陣営の事情を考慮したうえで厳罰とはされない見通しで、井岡もそれを受け入れるという。 ボクシングの興行には暴力団が関与していた歴史が長く、テレビ局の要請もあって「目に見える対応」が必要であった。入れ墨禁止ルールはこのため出来たものであるが、JBCは警察と連携してここ15年で暴力団排除を行ってきた。また選手のライセンス取得時に反社と関係しないことを誓約させており、JBCは2019年の広報誌で第86条について議論するべきだと提案している。しかしこの件について、当初、JBC担当者が処罰ありきのコメントをしたことが発端で大きな社会問題となり、JBCには抗議の電話やメールが殺到しているという。このことから、JBCは自らルールの撤廃をしにくくしてしまったのではないかという指摘もある。 2021年1月21日、JBCは井岡と所属ジム会長の木谷卓也を厳重注意処分とすることを倫理委員会で決定、22日に発表した。またJBCは事前のチェックの甘さを認め「今後は指定の塗布剤を使用させるか、指定業者による塗布を受けてもらうなどの手当てを考えていきたい」とコメントしている。海外の選手には隠すことを求めていないため不公平という指摘について、JBCは各国で文化的背景が違うことから一律で規制は出来ないとの考えであり、またルール変更は考えていないという。
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