GeForce GTX 600 Series
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:35 UTC 版)
「NVIDIA GeForce」の記事における「GeForce GTX 600 Series」の解説
GeForce GTX 600 Seriesは、Keplerアーキテクチャを採用する、ミドルレンジからハイエンドクラスの2012年 - 2013年前半の製品群である。 GTX 650 Ti BOOST以上でIntel Turbo Boost Technologyと非常に近い機能を有するGPU Boostが搭載されている。GPUの消費電力が想定より低かった場合、想定電力に達するまでGPUコアクロックとGPUコア電圧を引き上げる機能である。 GTX 650 Ti BOOST以上でDisplayPort 1.2出力端子を搭載し、4Kモニタの60Hz表示に対応する。 製品名コア名 (プロセス)コアクロック [GPU Boost]コア数メモリFLOPSSLI最大消費電力 (補助電源)接続SMCUDATMUROPL2バス幅動作クロック帯域容量単精度 (理論値)GeForce GTX 645 (OEM)GK106 (28 nm) 824 MHz [889 MHz] 3 576 48 16 256KB 128bit GDDR5 4000 MHz相当 64.0 GB/s 1 GB 0.94 TFLOPS — 65 W PCIe 3.0×16 GeForce GTX 650GK107 (28 nm) 1058 MHz 2 384 32 GDDR5 5000 MHz相当 80.0 GB/s 1 GB / 2 GB 0.81 TFLOPS 64 W (6pin) GeForce GTX 650 TiGK106 (28 nm) 925 MHz 4 768 64 GDDR5 5400 MHz相当 86.4 GB/s 1.4 TFLOPS 110 W (6pin) GeForce GTX 650 Ti BOOST980 MHz [1033 MHz] 24 384KB 192bit GDDR5 6008 MHz相当 144.2 GB/s 1.5 GB / 2 GB 1.5 TFLOPS 2-way 134 W (6pin) GeForce GTX 6605 960 80 1.9 TFLOPS 140 W (6pin) GeForce GTX 660 TiGK104 (28 nm) 915 MHz [980 MHz] 7 1344 112 2 GB 2.5 TFLOPS 150 W (6pin×2) GeForce GTX 67032 512KB 256bit 192.2 GB/s 2 GB / 4 GB 3-way 170 W (6pin×2) GeForce GTX 6801006 MHz [1058 MHz] 8 1536 128 3 TFLOPS 195 W (6pin×2) GeForce GTX 690GK104 (28 nm)×2チップ 915 MHz [1019 MHz] 8×2 1536×2 128×2 32×2 512KB×2 256bit×2 192.2 GB/s×2 2 GB×2 5.6 TFLOPS 2-way (Quad SLI) 300 W (8pin×2) GeForce GTX 600 Series の製品 GTX 650 2012年9月13日発表。ロークラスモデルのGT 640と同じGK107コアを採用しているが、コアクロックが引き上げられ、メモリがDDR3からGDDR5に変更されている。補助電源を不要にした製品も発売された。同時発表の上位モデルのGTX 660と比べてコア数は2/5しか無く、性能はFermi世代のGTXクラスでは最下位モデルとなるGTX 460 SEやGTX 550 Tiと同程度でしかない。GTXクラスの安売りと苦評され、後にGT 740 (GDDR5)としてリネームされる事になる。 GTX 650 Ti 2012年10月9日発表。同年9月13日発表のGTX 650とGTX 660の間で2倍以上の性能差があり、その中間付近を埋めるエントリーミドルレンジモデル。上位モデルであるGTX 660と同じGK106コアを採用しているが、5基のSMX中の1基が無効化されており、メモリバス幅が192bitから128bitに削減されている。また、GPUコアクロックの自動引き上げ機能であるGPU Boostが非対応に、SLIも非対応になっている。性能はGTX 650の約1.5倍。 GTX 650 Ti BOOST 2013年3月26日発表。上位モデルであるGTX 660との違いは、5基のSMX中の1基のSMXが無効化されている点のみで、性能も価格も消費電力も近すぎて差別化ができず、早々と終息してしまう。 GTX 660 2012年9月13日発表。フルスペックのGK106コアを採用するミドルレンジモデル。5基のSMXで3基のGPCを構成する。64bitメモリコントローラが3基のため、2 GB(8チップ)のメモリ中、1.5 GB分は192bit幅(32bit×4チップ+16bit×4チップ)でのアクセスとなるが、それを超えた0.5 GB分は64bit幅(16bit×4チップ)でのアクセスとなり、帯域が1/3に制限される。6ピン補助電源は1系統だけ必要で、6ピン補助電源が2系統必要なGTX 760と補助電源が不要なGTX 750 Tiの発売後も、その隙間を埋めるモデルとしてGTX 660は存続した。 GTX 660 Ti 2012年8月16日発表。上位モデルのGTX 670からメモリバス幅が192bitに抑えられ、メモリ周りは下位モデルのGTX 660と同じとなっている。 GTX 670 2012年5月10日発表。ハイエンドモデルのGTX 680と同じGK104コアを採用しているが、8基のSMX中の1基のSMXが無効化されている。コアクロックはGTX 680の9割程度に抑えられているが、メモリ周りはGTX 680と全く同じである。リファレンスデザインでは、基板から大きくはみ出したGPUクーラーが特徴的である。基板のみであれば170mm程度のサイズにもかかわらず、クーラーが70mmも基板よりも大きい。その為に補助電源コネクタがカードの中央付近にあり、少々奇異に感じるかもしれない。性能はGTX 580を上回る。 GTX 680 2012年3月22日発表。フルスペックのGK104コアを採用し、8基のSMXで4基のGPCを構成する。トランジスタ数がGTX 580と比べて18%のみの増加でありながら、CUDAコアは3倍、テクスチャユニットは2倍となった。メモリバス幅が384bitから256bitに削減されているが、メモリクロックが1.5倍に高速化された為、メモリ帯域は変わっていない。 TXAAといわれる新しいアンチエイリアシング手法をハードウェアでサポートすることによって、GPUへの負荷を減らしながら従来よりも高品質なAA処理が可能となっており、GTX 580を3枚使用したデモをGTX 680 1枚で行うことを可能にしている。また1枚で画面を4出力することができ、3D Vision Surroundに対応しているのでトリプルヘッドのためにSLIを組む必要はない。 NVIDIA AdaptiveV-Syncによって、画面のティアリングとフレームレートのカクツキを最小限に抑えることができる。 Intel X79 ExpressプラットフォームがPCIe Gen3に対応しておらず動作確認が完全にとれるまで無効としていると説明していたが、2012年6月現在、NVIDIAはX79プラットフォームの各社マザーボードでのマザーボード-CPU間の通信タイミングに開きが見られるためX79プラットフォームでのPCIe Gen3対応は見送られた。なお公式ではサポートを行わない条件においてX79でのPCIe Gen3を有効化する無保証パッチを配布している。 GTX 690 2012年4月29日発表。GTX 680に搭載されているフルスペックのGK104コアを2基搭載した製品である。本製品はコアクロックをGTX 680に比べて落としているものの、CUDAコア数やメモリ周りの仕様はGTX 680と変わらない。GPUクーラーのファンカバーはマグネシウム合金、それ以外のクーラーカバーはクロムメッキ処理が施されたアルミ素材を採用し、それぞれのGPUにはベイパーチャンバー式ヒートシンクが搭載されている。なお中央のファンは3000rpmで回転している。冷却性能の向上に注力しているが、GTX 680二枚をSLIで動作させるよりも騒音が小さい。 電源は10フェーズで基板は10層となっている。起動中は側面のGTX 690のロゴが緑色に光る。消費電力は300 W。リファレンスデザインでは補助電源は8ピンが2系統必要となる。インターフェイスはPCIe Gen3、ディスプレイインターフェイスはDual-Link DVI×3、Mini DisplayPort 1.2。カード長は279mmとなり、GTX 580から1mmだけ伸びている。 なお、前世代までのデュアルチップカードでは、ブリッジチップとしてnForce 200が採用されていたが、PCIe Gen3に対応する為かブリッジチップにはLX Technology製のPEX 8747が採用されている。
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