CATOBAR空母の検討と挫折とは? わかりやすく解説

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CATOBAR空母の検討と挫折

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 09:37 UTC 版)

アドミラル・クズネツォフ (空母)」の記事における「CATOBAR空母の検討と挫折」の解説

ソ連海軍は、ロシア革命直後建軍期から航空母艦取得積極的に検討してきたが、ソビエト連邦造船業経済状況、また第二次世界大戦勃発によって、いずれも実現しなかった。ヨシフ・スターリン共産党書記長死後ニコライ・クズネツォフ海軍総司令官海軍相兼務)は85型軽防空空母満載排水量28,400トンタイガー戦闘機40搭載)の設計承認までこぎつけたものの、ニキータ・フルシチョフ第一書記核戦力整備優先するよう指示しており、また1955年に、イタリアから戦時賠償として獲得していた戦艦ノヴォロシースク」の喪失責任問われクズネツォフ総司令官更迭されたことから推進者失い後任セルゲイ・ゴルシコフフルシチョフ意向受け入れて計画の中止命じたその後1964年フルシチョフ第一書記失脚すると、ゴルシコフ総司令官は、アンドレイ・グレチコ国防相やブトマ造船とともにクズネツォフ思想引き継ぐかたちで空母建造再度模索し始めた1968年作成され1970年代艦艇建造計画もとづきレニングラードのネブスコエ設計局以前の第17設計局)は、モリン設計官の指揮下に軽空母AVL)の設計着手した原案では排水量50,000トン艦載機38機とされていた。しかし、軍需産業育成にあたっていたドミトリー・ウスチノフ副首相は、アメリカ合衆国比較した場合ソ連空母建造大きく遅れをとっており、また蒸気カタパルト実用化できていないことを考慮して、むしろ垂直離着陸機およびその搭載艦優先すべきと主張したことから、AVL計画断念された。その後モリン設計官たちは空母模索続けており、1970年代には、AVL計画発展させた1160型航空母艦として、4トンから10万トンまで8つプラン作成提示した1972年海軍首脳部造船省は原子力空母の案を採択したが、これは排水量85,000トン艦載機8085機のほか、グラニート艦対艦ミサイルシュトルム艦対空ミサイルなどを搭載するというものであった。しかしウスチノフ副首相が、この設計要素1143型重航空巡洋艦導入するよう指示したため、1160型の計画本体断念されることになった1976年春、ソビエト政府再度、1160型原子力空母ウスチノフ案を検討した結果1977年1143型の発展型として、1153型原子力航空巡洋艦開発指示した設計は、1160型と同じくネブスコエ設計局行われたが、担当者はアニケエフ設計官に交代した。このときの設計では、排水量70,000トン艦載機50機と予定されていた。また1975年にゴルシコフ総司令官アメリカ海軍のレイクハースト海軍航空基地練習空母レキシントン」を視察した際の経験から、今回計画には、艦上機陸上実験訓練センター建設盛り込まれた。しかし1976年グレチコ国防相とブトマ造船相が相次いで死去しSTOVL空母拘泥するウスチノフ副首相国防相就任したこともあって、1153型の計画原案段階中止されてしまった。しかし艦上機陸上実験訓練センターのみ、黒海沿岸サキ飛行実験センターにおいて「ニートカ(ロシア語版)」として建造続行されることになり、空母保有への命脈はかろうじて保たれた。同センターでは、1143型重航空巡洋艦主機関用と同型ボイラー設置され、これを用いた蒸気カタパルト試験進められることとなった

※この「CATOBAR空母の検討と挫折」の解説は、「アドミラル・クズネツォフ (空母)」の解説の一部です。
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