Ala‐Pro‐Gly‐Asp‐Arg‐Ile‐Tyr‐Val‐His‐Pro‐Phe‐OH
分子式: | C60H86N16O15 |
その他の名称: | Angiotensin II【Crinia georgiana】、アンギオテンシンII【Crinia】 |
体系名: | L-Ala-L-Pro-Gly-L-Asp-L-Arg-L-Ile-L-Tyr-L-Val-L-His-L-Pro-L-Phe-OH、Ala-Pro-Gly-Asp-Arg-Ile-Tyr-Val-His-Pro-Phe-OH |
[Val5]アンギオテンシンII
分子式: | C49H69N13O12 |
慣用名: | Angiotensin II【ox】、アンギオテンシンII【ウシ】、アンギオテンシンII【ヒツジ】、Angiotensin II【sheep】、[Val5]アンギオテンシンII【ラット】、[Val5]angiotensin II【rat】、[Val5]アンギオテンシンII、[Val5]angiotensin II |
体系名: | L-Asp-L-Arg-L-Val-L-Tyr-L-Val-L-His-L-Pro-L-Phe-OH |
アンギオテンシンII
アンギオテンシンII【ラット】
分子式: | C50H71N13O12 |
慣用名: | アンギオテンシンII【ヒト】、Angiotensin II【human】、Angiotensin II【mouse】、Angiotensin II【rabbit】、アンギオテンシンII【ウサギ】、アンギオテンシンII【ラット】、[Ile5]アンギオテンシンII、[Ile5]angiotensin II、アンギオテンシンII【マウス】、TY-10721、アンギオテンシンII【モルモット】、Angiotensin II【guinea pig】、Angiotensin II【rat】、アンギオテンシン(1-8)、Angiotensin-(1-8)、アンギオテンシンII(ヒト型)、Angiotensin II(human type) |
体系名: | L-Asp-L-Arg-L-Val-L-Tyr-L-Ile-L-His-L-Pro-L-Phe-OH、Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe-OH |
アンジオテンシン
アンジオテンシン(英語: Angiotensin)とは、ポリペプチドの1種で、血圧上昇(昇圧)作用を持つ生理活性物質である。アンギオテンシンとも呼ばれる(厚生労働省のウェブサイトでは両呼称の混用[1][2]がみられる)。日本薬理学会による薬学用語解説ではアンジオテンシンが採用されている[3]。
概説
アンジオテンシンにはI~IVの4種が存在し、これらのうち、アンジオテンシンII〜IVは心臓の収縮力を高め、細動脈を収縮させることで血圧を上昇させる。なお、アンジオテンシンIには血圧を上昇させる効果は無い。
アンジオテンシンの原料となるアンジオテンシノーゲン(ドイツ語: Angiotensinogen)は肝臓や肥大化した脂肪細胞から産生・分泌される[4]。このアンジオテンシノーゲンは、腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるタンパク質分解酵素であるレニンの作用によって、アミノ酸10残基から成るアンジオテンシンIが作り出される。その後、これがアンジオテンシン変換酵素(ACE)、キマーゼ、カテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンIIに変換される。また、アンジオテンシンIIはACE2により、血管拡張作用と抗増殖作用を有するヘプタペプチドであるアンジオテンシン-(1-7)へと変換される[5]。
- アンジオテンシノーゲン:Asp - Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - His - Leu - Val - Ile -...(453アミノ酸)
- アンジオテンシンI: Asp - Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - His - Leu - OH
- アンジオテンシンII: Asp- Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
- アンジオテンシンIII: Arg - Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
- アンジオテンシンIV: Val - Tyr - Ile - His - Pro - Phe - OH
アンジオテンシンIは血圧上昇作用を有さず、アンジオテンシンIIが最も強い活性を持つ。アンジオテンシンIIIはIIの4割程度の活性で、IVは更に低い。また、アンジオテンシンIIは副腎皮質(球状帯)に作用してアルドステロンを分泌させる。また、脳下垂体後葉から利尿を抑えるバソプレッシン(ADH)が分泌される。
作用機序
アンジオテンシンIIが副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からアルドステロンの合成・分泌が促進される。このアルドステロンの働きによって、腎臓の集合管でのナトリウムの再吸収が促進され、これによって体液量が増加する事により、血圧上昇作用がもたらされる[6]。また、バソプレッシン(ADH)分泌が促進され、水分の再吸収が促進されることにより、血圧上昇作用がもたらされる[7]。
降圧剤の標的として
アンジオテンシンIIには血圧上昇作用があるため、これを作らせないか、またはその作用をブロックする化合物ができれば血圧降下剤として用いることができる。前者、つまりアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを止めるタイプの薬剤をアンジオテンシン変換酵素阻害薬と呼ぶ。またアンジオテンシンII受容体に結合し、その作用をブロックするタイプの薬剤をアンジオテンシンII受容体拮抗薬(angiotensin receptor blocker, ARB)という。いずれも臨床上重要な降圧剤として広く用いられている。また近年、これらの前の段階である、レニンを阻害するタイプの降圧剤も登場している。
脚注
- ^ “医薬品等安全性情報No.157”. 厚生労働省 (1999年11月). 2017年7月7日閲覧。
- ^ “医薬品・医療用具等安全性情報168号”. 厚生労働省 (2001年7月). 2017年7月7日閲覧。
- ^ “angiotensin - 薬学用語解説 - 日本薬学会”. www.pharm.or.jp. 2021年9月19日閲覧。
- ^ 脂肪細胞とインスリン抵抗性、星薬科大学オープンリサーチセンター 鎌田勝雄
- ^ 田野中浩一、丸ノ内徹郎「アンジオテンシン変換酵素2」『日本薬理学雑誌』第147巻第2号、2016年、120-121、doi:10.1254/fpj.147.120、ISSN 0015-5691。
- ^ 塩分の摂りすぎによる血圧上昇のしくみを解明 東大病院研究トピックス 藤田敏郎
- ^ 利尿を抑えるホルモン"バソプレシン"の脳の中の新たな作用を発見、自然科学研究機構生理学研究所 岡田泰伸ほか
関連項目
「Angiotensin II」の例文・使い方・用例・文例
- フェーズIとフェーズIIで許容副作用を伴い効果的であることが示される治療あるいは薬品の大規模な臨床試験
- 1228年から1229年までの十字軍は、病気になった神聖ローマ帝国皇帝フレディリックIIで導いて、法王によって破門されました
- 330,000人の連合軍隊が敵火の下で絶望的な退却において、北フランスの浜辺から避難しなければならなかった世界大戦IIの陸海空共同の避難(1940年)
- 腎臓にアンジオテンシンIIができるのを阻止し、動脈を弛緩してくれる抗高血圧薬
- アンジオテンシンIIへのさきがけであるアンジオテンシンの生理学的に不活発な形態
- 高血圧を治療するのに用いられるアンギオテンシンII抑制剤
- ASCII文字セットは最も一般的に用いられている文字セットである
- 王を補足したと考えられるI歴代志とII歴代志の旧約聖書の旧名
- ウルガタ聖書(IIエスドラス書を除いて)に含まれるが、ユダヤやプロテスタント版の聖書では省略される旧約聖書の14冊
- I歴代志、II歴代志、エズラ、およびネヘマイアからの編集から成る外典
- フレディリック神聖ローマ帝国皇帝IIを破門して、聖地に対して新しい十字軍を計画していた1245年の西方教会の協議会
- キャサリンIIの愛人であり、1762年に彼女が権力を握る支援を行ったロシアの役員で政治家
- 遺伝的に第VIII因子が欠乏するために生じる血友病
- アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変えるタンパク質分解酵素
- 血液凝固において、トロンビンは第XIII因子をフィブリンが分解しにくい凝血塊の形成を引き起こす(フィブリナーゼ)活性型に触媒する
- パーシングIIというミサイル
- SALTII条約という2国間軍縮条約
- SALTII条約という2国間軍縮条約の内容
- 宇宙開発事業団と航空宇宙技術研究所は,2004年にH-IIAロケットでHOPE-Xを打ち上げる計画をしていた。
- 72歳の映画監督と彼の息子は,9月25日,新作映画「バトル・ロワイアルII」の製作を発表するため,記者会見を行った。
- Angiotensin IIのページへのリンク