アマゾン‐イーシーツー【Amazon EC2】
Amazon EC2
読み方:アマゾンイーシーツー
Amazon EC2とは、Amazon.comが提供しているクラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)の一つとして提供されている、仮想化されたWebサーバーのコンピュータリソースをレンタルできるサービスである。
Amazon EC2では仮想化技術「Xen」を利用して、クラウド上のコンピュータリソースを「インスタンス」と呼ばれる仮想マシンに小分けし、提供している。仮想マシンはあらかじめ複数のスペックが用意されており、必要に応じて選択できる。
Amazon EC2を利用すれば、必要が生じた場合にすぐ利用でき、サーバー購入等の初期費用(イニシャルコスト)が発生せず、従量制の課金体系で必要分のみ使用できるという利点がある。サーバーはAmazon.comが商用で用いている同じシステムを利用するので、信頼性も高水準にあると言える。
Amazon EC2はWebサーバーと同様に利用することができるが、データの永続的な記録を行うことができない。そのため、データを保存したい場合には永続的な記憶装置を利用できる「Amazon S3」などが併用される。
参照リンク
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) - (英語)
Web制作: | Webユーザビリティ Webレスポンス測定サービス Web視聴率 |
クラウドコンピューティング: | Amazon EC2 Amazon S3 BizCloud BPOS |
Amazon EC2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/10/30 07:51 UTC 版)
URL | aws.amazon.com/ec2/ |
---|---|
営利性 | 営利 |
タイプ | パブリッククラウドサーバー |
登録 | 必要 |
使用言語 | 英語, 日本語など |
運営者 | Amazon.com |
設立日 | 2006年8月25日 |
現状 | Active |
Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)とは、商用ウェブサービスであり、顧客が計算資源を借り、アプリケーションの実行を可能にするものである。EC2はアプリケーションのスケーラブルな展開を可能としており、顧客はヴァーチャルマシンと呼ばれるサーバインスタンスを作成することで、希望するソフトウェアを実行することができる。顧客はサーバインスタンスを必要に応じて作成、実行および停止することができ、起動しているサーバに対し毎時の対価を払うので"elastic"と呼ばれる。顧客はサーバインスタンスを互いに隔離されたゾーンに作成することにより、障害時において互いにバックアップとなり、ダウンタイムを最小化するような構成をとることができる。[1] Amazon.comはAmazon Web Services(AWS)という名前で展開されるサービスの一つとしてEC2を提供している。
目次 |
歴史
Amazonは2006年8月25日にEC2の限定されたパブリックベータを発表した。[2]
ヴァーチャルマシン
最小ヴァーチャルマシン"マイクロ インスタンス(メモリ613MB、32ビット1仮想コアCPU)"から最大ヴァーチャルマシン"ハイメモリ クアドラプル エクストララージ インスタンス(メモリ68.4GB、ローカルストレージ1690GB、64ビット8仮想コアCPU)"までをインスタンス作成時に選択できる。NVIDIA Tesla Fermi M2050 を2つ搭載し、GPGPUが使えるクラスタ GPU クアドラプル エクストララージ インスタンスもある。
稼働中のインスタンスのイメージをAMIという形式で保存でき、起動時により大きな(または小さな)ヴァーチャルマシンで起動することができる。
インスタンスの納期=起動時間のため、より大きなマシンパワーが必要になった場合は即時に調達することができる。
インスタンスの性能
種別 | ECU/コア | 2011年時点[3] | 2012年時点[4] |
---|---|---|---|
スタンダード インスタンス | 2 | Xeon E5430 2.66GHz まれに、AMD Dual-Core Opteron 2218 HE | Xeon E5507 2.27GHz もしくは E5645を2.0GHzにダウンクロック |
ハイ CPU インスタンス | 2.5 | Xeon E5410 2.33GHz | Xeon E5506 2.13GHz |
ハイメモリ インスタンス | 3.25 | Xeon X5550 2.66GHz。 ハイパースレッディング分はゲストOSに割り振られない。 | |
クラスタコンピュート インスタンス | 4.1875 | Xeon X5570 2.93GHz | |
クラスタコンピュート 8 エクストラージ | 5.5 | Xeon E5-2670 2.60GHz |
2011年時点では、Core 2 世代 があったが、2012年現在は、Nehalemマイクロアーキテクチャ が中心。
クラスタコンピュート 8 エクストラージ は発表した2011年11月のスーパーコンピュータ TOP500 リストで、1064インスタンス利用し42位だった。240.09 TFLOPS (理論値 354.10 TFLOPS)、実行効率68%。回線は10ギガビット・イーサネット。
所在地
サーバーの所在地は以下のとおり。
費用
アマゾンは顧客に対し数種類の課金方法をとっている。
- 各ヴァーチャルマシンに対する毎時ごとの費用(2011年2月現在)
- 米国 北バージニアデータセンターのLinux最小インスタンスで0.02ドル/時間(オンデマンドインスタンスの場合)
- 米国 北カルフォルニアデータセンターのWindows最大インスタンスで2.76ドル/時間(オンデマンドインスタンスの場合)
- リザーブド インスタンスという1年または3年の長期使用割引がある。
- 変動相場による(ほぼ常にオンデマンドよりも安い)スポットインスタンスもある。ただし、スポットインスタンスはインスタンスの停止ができないなど、機能が一部制限されている。
- データの転送費用(2011年8月現在)
- EC2へのデータアップロードについては無償
- データのダウンロードについては月間転送量1GBあたり0.12ドル以下(月間10TB未満でアジア地域以外の場合の適用料金)
サーバーや回線の値段は同じスペックに対しては少しずつ値下げしている。
OS
2006年8月にサービスが開始された時、EC2はLinuxを提供し、その後サンマイクロシステムズのOpenSolarisやSolaris Express Community Editionを提供している。2008年10月からはWindows Server 2003を、[5] [6] 2009年12月からWindows Server 2008を提供している。 [7] 現在は Red Hat Enterprise Linux や SUSE Linux Enterprise Server などを有償で、Fedora、Ubuntu、openSUSE などを無償で利用可能である。
永続的ストレージ
通常のEC2インスタンスは永続的ストレージをもっておらず、障害が発生してインスタンスが停止すると起動イメージに含まれていないデータは消失してしまう。
EC2で提供されているElastic Block Storage(EBS)は、EC2インスタンスからマウント可能な永続的ストレージである。作成されたEBSブロックは、OSからはローカルなデバイスと同様に認識される。EBSの最大容量は1TBである。
S3(Simple Storage Service)はファイル単位で(ボリューム単位ではなく)データを保存できるストレージで、EC2インスタンスからはマウントできない。EC2ユーザーが起動中のOS起動イメージ作成してS3に保存し、そのインスタンスを複数生成することができる。
固定IPアドレス
EC2インスタンスは起動時に動的にグローバルIPアドレスをマッピングされるが、固定IPアドレスを使用したい場合はElastic IP Addressesサービスを利用できる。Elastic IP Addressesで取得したIPアドレスは保有するEC2インスタンスにマッピングすることができる。
脚注
- ^ Martin LaMonica (2008年3月27日). “Amazon Web Services adds 'resiliency' to EC2 compute service”. CNet News. 2008年3月27日閲覧。
- ^ Jeff Barr (2006年8月25日). “Amazon EC2 Beta”. 2006年8月25日閲覧。
- ^ Amazon’s physical hardware and EC2 compute unit
- ^ AmazonEC2(Tokyo) ハードウェア調査結果
- ^ Stephen Shankland (2008年10月23日). “Amazon's Linux cloud computing out of beta, joined by Windows”. CNet News. 2008年10月24日閲覧。
- ^ Amazon Press Release (2008年10月23日). “Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) Running Microsoft Windows Server and SQL Server”. Amazon.com. 2008年10月25日閲覧。
- ^ ITMedia (2009年12月11日). “Amazon EC2で「Windows Server 2008」「SQL Server 2008」が利用可能に”. ITMedia. 2010年1月29日閲覧。
外部リンク
- Amazon Elastic Compute Cloud メインページ
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Amazon Elastic Compute Cloud
(Amazon EC2 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/19 06:35 UTC 版)
URL | aws |
---|---|
言語 | 英語、日本語など |
タイプ | パブリッククラウドサーバー |
運営者 | Amazon.com |
IPv6対応 | Yes |
営利性 | 営利 |
登録 | 必要 |
開始 | 2006年8月25日 |
現在の状態 | Active |
Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) は、アマゾンが提供する計算資源を用いてアプリケーションを実行する、Amazon Web Services (AWS) の商用ウェブサービスである。アプリケーションのスケーラブル展開が可能で、ヴァーチャルマシンと呼ばれるサーバインスタンスを作成して希望するソフトウェアを実行する。サーバインスタンスは必要に応じ作成、実行および停止が可能で、起動サーバの使用時間に応じ対価を支払うため"elastic"と呼ばれる。サーバインスタンス同士を隔離されたゾーンに作成すると障害時は相互にバックアップとなり、ダウンタイム最小化構成[1] が可能である。
歴史
2006年8月25日、EC2の限定されたパブリックベータ[2] をアマゾンが発表した。
ヴァーチャルマシン
もともとXenを用いて仮想化していたが、2017年のC5インスタンスの登場[3]以来、Nitro Hypervisorと呼ばれるKVMベースの仮想化方式も利用している[4]。最小の"マイクロ インスタンス(メモリ613MB、32ビット1仮想コアCPU)"から、最大の"ハイメモリ クアドループル エクストララージ インスタンス(メモリ68.4GB、ローカルストレージ1690GB、64ビット8仮想コアCPU)"までをインスタンス作成時に選択する。NVIDIA Tesla Fermi M2050を2基搭載しGPGPUを利用できる"クラスタGPUクアドラプル エクストララージ インスタンス"もある。
インスタンスの納期が即ち起動時間であり、より大きなマシンパワーが必要な場合は即時調達が可能である。稼働中インスタンスのイメージはAMI形式で保存可能で、起動時に異なる大きさのヴァーチャルマシンで起動することができる。
インスタンスの性能
種別 | ECU/コア | 2011年時点[5] | 2012年時点[6] |
---|---|---|---|
スタンダード インスタンス | 2 | Xeon E5430 2.66GHz まれに、AMD Dual-Core Opteron 2218 HE | Xeon E5507 2.27GHz もしくは E5645を2.0GHzにダウンクロック |
ハイ CPU インスタンス | 2.5 | Xeon E5410 2.33GHz | Xeon E5506 2.13GHz |
ハイメモリ インスタンス | 3.25 | Xeon X5550 2.66GHz。 ハイパースレッディング分はゲストOSに割り振られない。 | |
クラスタコンピュート インスタンス | 4.1875 | Xeon X5570 2.93GHz | |
クラスタコンピュート 8 エクストラージ | 5.5 | Xeon E5-2670 2.60GHz |
2011年はCore 2世代、2012年はNehalemマイクロアーキテクチャが主に用いられている。
2011年11月スーパーコンピュータTOP500リストにおいて、クラスタコンピュート8エクストラージは、1064インスタンス、240.09TFLOPS、理論値354.10TFLOPS、実行効率67.8%、10ギガビット・イーサネット回線で、42位であった。
所在地
サーバーの所在地は以下のとおり。
費用
- 各ヴァーチャルマシン利用料金(2011年2月現在)
- データ転送料金 (2011年8月現在)
サーバや回線の価格は同一スペックに対し少しずつ値下げしている。
OS
2006年8月サービス開始時にLinuxの利用環境が提供され、後にサン・マイクロシステムズのOpenSolarisやSolaris Express Community Editionも供用開始する。2008年10月からWindows Server 2003[7][8] を、2009年12月からWindows Server 2008が利用可能[9] である。現在はRed Hat Enterprise LinuxやSUSE Linux Enterprise Serverなどを有償で、Fedora、Ubuntu、openSUSEなどを無償で利用可能である。
永続的ストレージ
通常のEC2インスタンスは持続するストレージが無く、インスタンスの障害停止時に起動イメージに含まれないデータは消失する。Elastic Block Storage (EBS) は、OSがローカルなデバイス同様に認識する持続ストレージで、インスタンスからマウント可能であり最大容量は1TBである。Simple Storage Service (S3) はボリューム単位ではなくファイル単位でデータ保存可能なストレージで、インスタンスからはマウントできず、起動中OSの起動イメージを作成してS3に保存することによりインスタンスの複数生成が可能である。
固定IPアドレス
EC2インスタンスは起動時に動的なグローバルIPアドレスをマッピングされるが、固定IPアドレスを利用する場合はElastic IP Addressesサービスで取得したIPアドレスを保有するEC2インスタンスにマッピングできる。
脚注
- ^ Martin LaMonica (2008年3月27日). “Amazon Web Services adds 'resiliency' to EC2 compute service”. CNet News. 2008年3月27日閲覧。
- ^ Jeff Barr (2006年8月25日). “Amazon EC2 Beta”. 2006年8月25日閲覧。
- ^ “Now Available – Compute-Intensive C5 Instances for Amazon EC2 | AWS News Blog”. 2022年7月27日閲覧。
- ^ “よくある質問 - Amazon EC2 | AWS”. 2022年7月27日閲覧。
- ^ Amazon’s physical hardware and EC2 compute unit
- ^ AmazonEC2(Tokyo) ハードウェア調査結果
- ^ Stephen Shankland (2008年10月23日). “Amazon's Linux cloud computing out of beta, joined by Windows”. CNet News. 2008年10月24日閲覧。
- ^ Amazon Press Release (2008年10月23日). “Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) Running Microsoft Windows Server and SQL Server”. Amazon.com. 2008年10月25日閲覧。
- ^ ITMedia (2009年12月11日). “Amazon EC2で「Windows Server 2008」「SQL Server 2008」が利用可能に”. ITMedia. 2010年1月29日閲覧。
外部リンク
- Amazon Elastic Compute Cloud メインページ(日本語)
- Amazon EC2のページへのリンク