AN/SPS-6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 09:37 UTC 版)
AN/SPS-6は、ベンディックス社およびウェスティングハウス・エレクトリック社製の2次元レーダー。アメリカ海軍において、第二次世界大戦後第1世代の対空捜索レーダーとして用いられたほか、広く同盟国にも輸出された。また、改良型のAN/SPS-12や、各国で開発された派生型についても本項で扱う。
- 1 AN/SPS-6とは
- 2 AN/SPS-6の概要
- 3 派生型
- 4 脚注
AN/SPS-6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 09:37 UTC 版)
「AN/SPS-6」の記事における「AN/SPS-6」の解説
本機は、従来用いられていたLバンドの対空捜索レーダーであるSR-3ないしSR-6レーダーの後継機種として開発された。開発に当たっては、地上用の可搬式対空レーダーであったAN/TPS-1(英語版)の影響を受けたとされている。アンテナとしては、1次放射源としてホーンアンテナを用いるパラボラアンテナが採用されている。また、モジュラー化設計によって、搭載艦に応じて構成の拡大・縮小が可能であり、初期においては、下記の3機種が存在した。 -6 アンテナ寸法は18 ft (5,500 mm)×5 ft (1,500 mm)、ビーム幅は3°×10°で、戦闘機に対して80 nmi (150 km)で探知できた。 -6A アンテナ寸法は-6と同様であったがビーム幅は3°×20°で、戦闘機に対して70 nmi (130 km)で探知できた。 -6B ビーム幅は3°×30°で、戦闘機に対して60 nmi (110 km)(FH-1に対してはその3分の1程度)、高度31,000 ft (9,400 m)のB-29に対して145 nmi (269 km)で探知できた。 原型機は1948年より海軍への引き渡しを開始され、同年9月に重巡洋艦「メイコン」で試験に着手した。また、12月には駆逐艦「ウィンスロー」および「ゼラース」、「マッセイ」のほか、空母「サイパン」にも搭載された。量産機であるAN/SPS-6A/Bは1950年から1952年にかけて順次に引き渡しを開始しており、レーダーピケット艦(DER)やエセックス級の再建造型(SCB-27A)、インディペンデンス級の対潜空母改装型(SCB-54)に搭載された。しかし、-6は25セット、-6Aは45セット、-6Bは110セットが生産されたところで、生産は、改良型の-6C~Eへ移行した。 AN/SPS-6C-Eは、より多数が生産された。-6Cは、-6Bに類似しているが、アンテナがより軽量化されており、従来型の1,000 lb (450 kg)に対して800 lb (360 kg)となっている。一方で、このためにショック耐性は低く、また、回転速度も落とされている。-6Dは-6Cを元にIFFを省いたもの、最終型にあたる-6Eはより改良された送信機を採用したものである。 搭載艦 アメリカ海軍 エセックス級航空母艦 サイパン級航空母艦 インディペンデンス級航空母艦 アイオワ級戦艦 デモイン級重巡洋艦 ポーター級駆逐艦 フレッチャー級駆逐艦 アレン・M・サムナー級駆逐艦 ギアリング級駆逐艦 ミッチャー級駆逐艦 ディーレイ級護衛駆逐艦 クロード・ジョーンズ級護衛駆逐艦 レーダー哨戒潜水艦「トライトン」 スリバチ級給兵艦 海上自衛隊 はるかぜ型護衛艦 イタリア海軍 サン・ジョルジョ級駆逐艦(イタリア語版) インペトゥオーソ級駆逐艦 カノーポ級フリゲート(MLA-1より後日換装) カナダ海軍 トライバル級駆逐艦(DDE改装により後日装備)
※この「AN/SPS-6」の解説は、「AN/SPS-6」の解説の一部です。
「AN/SPS-6」を含む「AN/SPS-6」の記事については、「AN/SPS-6」の概要を参照ください。
- AN/SPS-6のページへのリンク