2008年-2014年
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「スーパーバイク世界選手権」の記事における「2008年-2014年」の解説
2008年、ドゥカティのロビー活動が実を結び、2気筒車両の最大排気量が1,200ccに引き上げられた。排気量の拡大が認められた代わりに1,200cc車両の改造範囲は縮小、最低重量は1,000cc車両よりも重く設定され、吸気リストリクターの装着義務は2気筒のみとなった。合わせてシーズン中の性能調整が導入され、4気筒勢との成績の差に応じた最低重量の増減、吸気リストリクターの内径変更による吸気量調整を行うことになっていた。 2008年はドゥカティ・1098を駆るトロイ・ベイリスが自身3度目のタイトルを獲得している。 2009年よりBMWがS1000RRでワークス参戦を開始、また、2003年以降撤退していたアプリリアもV型4気筒のRSV4で復帰した。この年ヤマハのベン・スピーズがライダータイトルを獲得、ヤマハも初のマニュファクチャラータイトルを獲得している。 この頃から世界同時不況の影響により、参戦台数は減少へと向かうこととなる。ヤマハはMotoGPへの注力のため2011年限りで一時撤退した(2016年に復帰)。一方、カワサキはモータースポーツ活動の主戦場を撤退したMotoGPからスーパーバイク世界選手権に変更、2009年よりワークス体制となった。 2011年、ドゥカティはMotoGPへ注力するためワークス参戦を中止、プライベーターのみの参戦となったが、この年のタイトルはアルテア・ドゥカティチームのカルロス・チェカが獲得した。ドゥカティは2013年にワークス参戦を再開したものの、2021年現在これが最後のタイトル獲得となっている。 この時期最も成功したマニュファクチャラーはアプリリアで、マックス・ビアッジ(2010年、2012年)とシルヴァン・ギュントーリ(2014年)が計3回のライダータイトルを獲得、マニュファクチャラータイトルも4度獲得(2010年、2012-2014年)している。アプリリアは当初、RSV4のカムシャフトの駆動機構を市販状態のチェーンからカムギアトレーンに変更して参戦していたが、2011年以降、レギュレーション変更によりカムシャフトの駆動方式は市販車両から変更不可となった。 2012年、コストを削減し参戦台数を確保する事を目的として、使用できる車両はライダー1人に付き1台のみ、予備車両のピットへの持ち込みが禁止された。 2013年、ホイールの直径を市販車と同じ17インチに統一し素材をアルミに限定(マグネシウムホイール禁止)、2気筒車両と4気筒車両の最低重量を165kgに統一するレギュレーション変更が実施された。この年、カワサキニンジャZX-10Rを駆るトム・サイクス(英語版)がライダータイトルを獲得、1993年以来、20年ぶりにカワサキにタイトルをもたらした。この年を最後にBMWはワークス参戦を停止、以後プライベーターへのサポートのみ行っていたが、2019年にワークス参戦を再開している。 この年から主催者がMotoGPと同じ、ドルナスポーツに変更となった。これは、これまでの主催団体であったインフロントモータースポーツ(旧FGスポーツ)とドルナスポーツ両社の親会社が企業買収により同一資本傘下となったのを受けてのことである。 2014年、参戦台数の減少は深刻であり、これに歯止めをかけるためさらなる方策としてエンジンの年間使用基数制限(8基)、ギヤボックスのギヤ比は年間2種類のみ使用可能とされ、さらにエンジン無改造のEvoクラスがこの年限りで導入された。カワサキはこのEvoクラスにもワークス参戦、ダビド・サロム(英語版)がクラスタイトルを獲得した。EvoクラスにはビモータがBMW・S1000RRのエンジンを独自のフレームに搭載したBB3で参戦、カワサキ、ドゥカティとEvoクラスの覇を競ったが車両生産数がホモロゲーション取得に必要な台数を満たさなかったため、全戦失格となった。
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