20世紀以降の評価とは? わかりやすく解説

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20世紀以降の評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 04:03 UTC 版)

ジャコモ・マイアベーア」の記事における「20世紀以降の評価」の解説

オーケストラ音楽史』を著したパウル・ベッカーは「マイアベーア栄光を手にしたにもかかわらず、「うわべの効果だけを狙った」という根拠のない中傷をいまだ受けている芸術家ひとりである。ワーグナーマイアベーアオペラを「理由もなく効果だけを狙った作品だと酷評している。マイアベーアについては、軽視するような姿勢で臨むのが一種流行りのようになっているが、彼の作品技術的な側面のみを認めるのは妥当ではないよう思われるまた、彼の作品に対する評価は、評する側の身勝手な関心評価対象対す不十分な知識に基づくことが多く、全く信用値しないオーケストラ発展という観点から見ると、マイアベーアヴィルトゥオーゾ時代において最も大きな影響及ぼした作曲家ひとりであり、純粋に音楽的観点からは最も独創性溢れた発明家と言える」と語っている。さらに、ベッカーは「マイアベーア独創的並外れた才能をすべてオペラ捧げた管弦楽曲一切書かずオペラ場合序曲ではなく、短い前奏曲書いただけである。彼の創造力刺激するのは、劇の一場面であり、その音楽は音による舞台装置と言えるかもしれないスコアをどこか覗いてみれば、音楽様々なことを説明しようとする意図うかがわれる。それが彼の最大特徴である。マイアベーア音楽効果狙いすぎだと常々批判されている。例外は『ユグノー教徒』の第4幕で、ワーグナー称賛したからだ。しかし、マイアベーア卓越した音楽センスと、特にオーケストラ扱い方考えればこうした非難はまった的外れだ」と力説している。 グラウトは「マイアベーア稀にみる才能恵まれた融通無碍作曲家であった劇場音楽の手仕事にかけて、オペラ歴史彼に並ぶ人は数えるほどかいない効果をとらえる達人であった彼は、リブレット含まれる場面感動盛り上げる可能性最大限生かそう意識して努めた音楽旋律富み技巧的に極めて優れリズム力強く和声はしばし創意溢れオーケストレーション合唱曲書き方ソロ扱い方など、どれを見て才気満ちている。その上彼のオペラには美しく感動深く、まじめで充分敬意払って良い番号少なくない」と評価している。 『ラルース世界音楽事典』によると「マイアベーア成功重要性数年間にわたってオペラ界に及ぼした影響は偶然または単なる一時的流行よるものではない。彼の作品中にはすべてが十分に均衡保った関係にある、特にひとつの壮大なオペラ典型という、細心に練り上げられた構想現れるこのようにして、ひとつのオペラから他のオペラへ大規模でしかも密度の高いオーケストレーション合唱だけの場面取り合わせがみられ、それが堂々たる音のボリューム生み出しているのに対し楽器法では独奏パート恐るべき困難さと、典型的にそして本質的に声楽のための書法顕著になっている。 マイアベーア同じくパリ活躍したユダヤ系ドイツ人であるオッフェンバック比べても、人気継続性再評価ともに乏しい点は否めない邦訳されたシューマン評論集には、彼の評が十字架マーク一つだけというものがある。しかし、マイアベーア先進的な管弦楽法扱いには長けており、その音響ワーグナー明らかに刺激した。『ロマン派の音楽』を著したR.M.ロンイアーはマイアベーア管弦楽について「ある種オーケストラ効果創案したのが、ベルリオーズであったか、マイアベーアであったかを断言することはできない」と述べている。現在では、彼の成功を妬んだ同時代作曲家による攻撃と、彼が歌劇行った様々な独創的な試みは、別個に整理するべきであるという態度変わりつつある。

※この「20世紀以降の評価」の解説は、「ジャコモ・マイアベーア」の解説の一部です。
「20世紀以降の評価」を含む「ジャコモ・マイアベーア」の記事については、「ジャコモ・マイアベーア」の概要を参照ください。

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