継続性
継続性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 04:44 UTC 版)
『ウィンザーの陽気な女房たち』におけるクィックリーの役柄は他の芝居における役どころと違っているため、同じキャラクターではあり得ないと考える批評家もいる。フォルスタッフ、バードルフ、ピストルを以前から知っていたということを示すものはなく、カイアス医師のところで働くことになった説明もない。しかしこの芝居においては、他の登場人物についても多数の継続性にかかわる問題がある。たとえば、『ウィンザーの陽気な女房たち』はヘンリー4世治世の特定されていない時期に設定されているが、ヘンリアドにおいてはヘンリー5世が戴冠するまでフォルスタッフを信じたのが間違いであったことに気付かないロバート・シャローが、それより以前の物語であるらしいこの作品で最初からフォルスタッフと反目している。こうしたおかしな点は、この芝居が特定の機会のために急いで書かれたことに起因するのかもしれない。劇中の出来事がヘンリアド劇のアクションと整合性を保つように処理されている箇所もある。例えば、ピストルがクィックリーに心引かれていることを表明し、「俺の取り分だ」 "she is my prize" と言う短い場面がある。これは『ヘンリー5世』におけるピストルとクィックリーの結婚という展開に合っている。この芝居では、ピストルがさらにクィックリーを追いかけていることを示すようなところは他にないが、最後の妖精のマスクではピストルがクィックリーの配偶者役をつとめている。 それほどは目立たないが、似たような問題がヘンリアド劇にある。『ヘンリー四世 第1部』ではクィックリーは明らかに結婚している居酒屋のおかみである。『ヘンリー四世 第2部』では夫の死についての言及がなく、ただフォルスタッフがクィックリーと結婚を約束するだけである。その上、『ヘンリー五世』がはじまるまでにこの居酒屋は変わってしまい、売春宿として噂にのぼるようになっているようである。
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