黒ノートとは? わかりやすく解説

黒ノート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:40 UTC 版)

マルティン・ハイデッガー」の記事における「黒ノート」の解説

詳細は「黒ノート(ドイツ語版)」を参照 2013年12月、ヴィットリオ・クロスターマン社全集94-96巻に掲載されハイデッガー1930年代から1970年代にかけて書き続けた手稿「黒ノート」に反ユダヤ主義についての箇所があることが問題となった2013年12月5日ジャーナリストのニコラ・ヴェイユがル・モンド・ブログで黒ノートについて論評発表した12月7日アラン・フィンケルクロートラジオ・フランス論評12月27日全集94-96巻を編纂したベルク大学ヴッパータール教授マルティン・ハイデッガー研究所所長ペーター・トラヴニ−がZeit誌に"Eine neue Dimension"を発表2014年手稿「黒ノート」が掲載され全集94-96巻が刊行された。2015年ペーター・トラヴニーは『ハイデッガー世界ユダヤ組織神話』において、黒ノートにおける「存在史的反ユダヤ主義」はもはやハイデッガー政治的過誤といったことで片付けることはできないし、ハイデッガー哲学絡みいたものである、ただし、ナチス反ユダヤ主義とは異なると述べている。 ハイデッガーの手稿には、「現在、ユダヤ教ユダヤ主義)が権力のなかで増大していることは、西洋形而上学が、特に近代の展開において、空虚な合理性計算能力拡大していことをもたらしたからである」「帝国主義フランチャイズ営業権)の分配という点でイギリスとの合意も、イギリスが現在アメリカ主義ボルシェヴィズム、つまり世界ユダヤ教(Weltjudentum)の中で終わらせようとしている歴史的過程本質に至るものではない。世界ユダヤ教役割について問うことは人種的なものでなく、ある種人間性についての形而上学的な問いである。それは、すべての存在者から存在根こそぎにすることを世界史的な務めとしている」「世界ユダヤ教は、ドイツからの移民によって駆り立てられており、至る所つかまえどころがない。世界ユダヤ主義権力拡大においては軍事行為交戦する要はないのに、ところが、われわれ人民最良人々最良の血の犠牲が後に残っている」「工作の力においては、神の喪失さえも根絶やしにされ、人間動物へとヒューマニゼーション人間化)し、大地搾取的利用され世界割り当てられる。これはもはや最終段階入っており、人々国家文化ファサード外見になっている。」「キリスト教西洋時間空間、すなわち形而上学時間空間においてはユダヤ人分解原理である。すなわちそれは形而上学完了逆転させることにおいて分解的である。マルクスヘーゲル形而上学逆転させたように精神文化は、‘生’、すなわち、経済生物学上の人民の組織の上構造となる。」という文がある。ペーター・トラヴニ−はハイデッガーが、第一次世界大戦後ドイツ反ユダヤ主義形成影響及ぼしたシオン賢者の議定書読んだかどうか、この文書賛同したかどうか曖昧だが、ヤスパースに対して「しかし、ユダヤ人による危険な国際連合がある」と述べていることから、ヒトラーとも共通する視座持っていたと論じた。この「黒ノート」についてジャン=リュック・ナンシーハイデッガー反ユダヤ主義加担したことは1950年代から知られていたしハイデッガー限界とは我々の限界でもあると論じた

※この「黒ノート」の解説は、「マルティン・ハイデッガー」の解説の一部です。
「黒ノート」を含む「マルティン・ハイデッガー」の記事については、「マルティン・ハイデッガー」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「黒ノート」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「黒ノート」の関連用語

黒ノートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



黒ノートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのマルティン・ハイデッガー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS