麻原への死刑判決、控訴趣意書の提出遅延問題とは? わかりやすく解説

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麻原への死刑判決、控訴趣意書の提出遅延問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 07:35 UTC 版)

オウム真理教の歴史」の記事における「麻原への死刑判決、控訴趣意書の提出遅延問題」の解説

2004年平成16年2月27日東京地方裁判所麻原彰晃死刑判決言い渡した国選弁護団は即日控訴し辞任した高裁2005年1月11日控訴趣意書提出期限とした。この日、麻原拘置所で「なぜなんだ、ちくしょう」と叫んだり、夜間布団の中で「うん、うん」とうなったり、笑うなどした。 2004年4月新たに私選弁護人松井武松下明夫の2人がついたが、麻原長く面会拒否し7月の初面会でも意思疎通ができなかった。2004年10月28日弁護人は、精神鑑定申立および1回目公判停止申立(刑訴法314条)を行うが、 高裁12月20日斥ける2005年1月控訴趣意書提出期限が、2005年8月31日まで延長することが認められる2005年7月弁護人医師意見書添付して第2回目公判手続停止申立を行うが、2005年8月19日高裁斥ける。しかし、高裁は、弁護側が提出した精神科医意見書での「長期拘禁による意志障害で、心神喪失状態」との指摘配慮し精神鑑定実施伝えた。 ところが、提出期限2005年8月31日弁護側は控訴趣意書持参したが、精神鑑定立ち合い鑑定人尋問に関する申し入れ拒否されたためとして提出しなかった。9月2日東京高裁控訴趣意書即時提出弁護団要請した2005年9月東京高裁は、精神科医西山医師鑑定依頼する同年12月10日東京高裁裁判官が、麻原面会する他方2006年平成18年1月-2月弁護団独自に鑑定実施野田正彰などの精神科医麻原訴訟能力疑問視した。 2006年2月20日東京高裁提出され西山鑑定書によれば麻原1996年10月井上嘉浩への尋問中止試みた失敗し拘置所泣き叫びチーズを壁に投げつけ、朝まで独り言を言うなどしたが、これは「裁判上の危機直面して現れ興奮状態」で、「精神病要素はなく、強い幻滅怒りよるもので、利害熟慮している」、1997年3月ごろからの麻原空想話や独り言自殺願望奇行については「自分公判では不規則発言繰り返すが、元弟子公判での証言多弁立場によって使い分けて」おり、精神病兆候ではなく1997年7月以降独房での独り言以外には言葉発しなくなったが、2004年2月死刑判決の後に錯乱したり、10月には野球投球フォームをして「甲子園優勝投手だ」と話したり、食事介助受けていないことから、「意思発動偏りがあるのは不自然で、沈黙裁判からの逃避願望説明できる黙秘で戦うのが96年以降被告決心」で、訴訟能力はあると結論づけた。高裁はこの鑑定書への意見書の提出2006年3月15日までとした。 弁護側は反論書を2006年3月15日提出3月21日には高裁3月28日控訴趣意書提出する伝える。しかし高裁は、前日3月27日控訴棄却決定弁護人は、翌日控訴趣意書提出し3月30日には控訴棄却対す異議申立を行うが、高裁5月29日異議申立棄却する弁護側は、麻原訴訟能力無く控訴趣意書提出遅れは「やむを得ない事情」があったとして最高裁特別抗告行ったが、2006年9月15日最高裁は、西山鑑定書信用性は十分で、原審判断は正当で、弁護団控訴趣意書作成した明言しながらも再三にわたる提出勧告反し提出せず、弁護人申立人(麻原)との意思疎通不能遅延正当な理由とはならない、と棄却した。これにより、控訴審実施されないことが確定した法学者白取祐司は、2006年3月28日提出され控訴趣意書は、松本被告訴訟無能力公判手続停止しなかった原審手続違背があり、事実誤認があることのみを主張する4頁ほどの分量にすぎず、準備不足していた。被告人との意思疎通が困難であっても控訴審を開かせ、被告訴訟無能力受刑能力1審争われ論点について争うべきだった批判した滝本太郎弁護士は、2005年8月控訴趣意書提出について、刑事訴訟法386条では「期間内控訴趣意書差し出さないときは、決定棄却なければならない」とあり、「ここで提出していれば、なんの問題もなく2審始まっていた」、これはチキンゲームだったと述べる。 二審弁護人らは、日弁連から「控訴趣意書長期間提出せず、死刑という重大判決を確定させ、被告裁判を受ける権利を失わせた」と懲戒戒告処分受けた

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