鳰鳥とは? わかりやすく解説

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にお‐どり〔にほ‐〕【×鳰鳥】

読み方:におどり

カイツブリの別名。《 冬》


みお‐どり〔みほ‐〕【×鳰鳥】

読み方:みおどり

カイツブリ古名

「—の潜(かづ)き息づき」〈記・中・歌謡〉


鳰鳥

読み方:ニオドリ(niodori)

カイツブリ古名


鳰鳥

読み方:ニオドリ(niodori)

分野 歌謡

年代 江戸中期

作者 合歓堂(沾徳)、江戸半太夫(坂本)


カイツブリ

(鳰鳥 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/27 14:15 UTC 版)

カイツブリ
カイツブリ(夏羽) Tachybaptus ruficollis
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カイツブリ目 Podicipediformes
: カイツブリ科 Podicipedidae
: カイツブリ属 Tachybaptus
: カイツブリ T. ruficollis
学名
Tachybaptus ruficollis
(Pallas, 1764)
和名
カイツブリ
英名
Little grebe
亜種
  繁殖地
  越冬地
  周年生息地

カイツブリ学名Tachybaptus ruficollis (Pallas, 1764))は、カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属に分類される鳥類の1。全長約26cmと、日本のカイツブリ科のなかではいちばん小さい。

形態

泳いでる姿は小型のカモに似るが、顔つきや毛並みの感じはウのような雰囲気を持つ鳥である。

全長は25-29cm。翼開長40-45cm。体重130-236g[2]。尾羽は非常に短く、外観からはほぼ判別できない。翼の色彩は一様に黒褐色。嘴は短めでとがり、先端と嘴基部に淡黄色の斑がある。虹彩の色は、日本の亜種は淡黄色で、ヨーロッパの亜種は黒褐色。ガンカモ類と異なり外観上の雌雄差はない。

夏季には夏羽として頭部から後頸が黒褐色で、頬から側頸が赤褐色の羽毛で覆われる。体上面は暗褐色。また嘴の色彩が黒く、斑が明瞭。冬季には全体として淡色な冬羽となり、頭部から体部にかけての上面は暗褐色で、下面は淡褐色。頬から側頸も黄褐色の羽毛で覆われる。嘴の色彩は暗灰色で、斑が不明瞭。幼鳥は頭部や頸部に黒や白の斑紋が入り、嘴の色彩が赤い。

足は体の後部の尻あたりから生えており、歩くには非常にバランスが悪いが、足を櫂のように使って潜り泳ぐ。

脚の構造もカモ類と異なり、水かきはないものの趾が横に張り出すことで水をかきやすくなっている。翼の形は中腕・尖翼型でこの形のものはよく羽ばたく飛び方をするものが多い[3]

生態

流れの緩やかな河川湿原などに生息し、まれに冬季や[4]、渡りのときには海上で見られることもある。主に水上で生活して、ほとんど歩くことはない。川中の浅瀬を横断するために歩く姿が見られることもあるが、歩くのは非常に不安定のようである。足は歩くためではなく櫂の役割のためにあるとみられ、足が生えている位置もほかの水鳥とは違い尻付近から出ている。泳ぐ姿は上から見ると、カエルの後ろ脚のように使う。

食性は主に動物食で、魚類昆虫甲殻類貝類などを食べる。巧みに潜水して獲物を捕食する。1回に平均15秒前後(状態により数秒から30秒)潜水し、およそ秒速2mで泳ぐとされるが[4]、最高で水深2メートルまでと深くは潜らない[5]

繁殖は一年に複数回、淡水域で[4]行い、その間は縄張りを形成する。巣作りから抱卵・子育てまで、雌雄が同等に分担する。 水辺近くの水生植物や杭などに水生植物の葉や茎を組み合わせた逆円錐状の巣を雌雄で作り、4-12月に1回に4-6個の卵を年に1-3回に分けて産む(日本では主に4-7月繁殖[5])。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は20-25日[4]。卵は白いが次第に汚れて褐色になり、親鳥が巣を離れる際には卵を巣材で隠す。

オオクチバス(通称ブラックバス)は獰猛で、本種の雛も餌となりうる。オオクチバスが確認されて本種が繁殖しなくなった池でオオクチバスを駆除すると、本種が再び繁殖するようになったことが報告されている。[6]

カイツブリの親子

雛は早成性ですぐに泳げ、孵化後約1週間で巣から出るようになる[4]が、小さいうちは親鳥の背中に潜り込もうとする。雌雄ともヒナを背に乗せて保温や外敵からの保護を行い、そのまま潜水することもある。 雛は自分で採餌できるようになるまで親鳥より餌の捕えかたを教えられ、その後追われるようにして独立を促されて、およそ60-70日で巣立つ[4]。雛は生後1年で性成熟する。

冬季には20-30羽からなる群れを形成することもある。あまり飛ばないが、飛翔の時には水面を蹴り助走した後、通常低く飛ぶ。

鳴き声は、キリッキリッ、キリリリと鋭く鳴き、繁殖期には雌雄が鳴き交わす[4]。警戒時にはピッと強く短い声を発する。

分布

アフリカ大陸ユーラシア大陸の中緯度以南、イギリスインドネシアソロモン諸島日本パプアニューギニアフィリピンマダガスカルに生息。多くは留鳥であるが、北のものは生息場所の凍結を避け、南に移動する。

日本では、本州中部以南では留鳥として周年生息するが、北部や山地のものは冬に渡去することから、北海道や本州北部では夏季に飛来する夏鳥となる。

分類

10亜種に分かれるとされる。

日本には、亜種カイツブリ (T. r. poggei) と、南大東島の亜種ダイトウカイツブリ (T. r. kunikyonis) [7]が生息する。

人間との関係

脂・薬用

カモと違い肉は生臭く食用不適とされる。本種は『大和本草』ではカモ類の内部項目に掲載されており、カモと違って不味いということが強調されている。伝統的にその脂を刀の錆止めに使ったという[10]

現在の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(平成十四年法律第八十八号、通称:鳥獣保護法)の施行規則第十条に定める狩猟鳥獣の一覧にも入っておらず[11]、日本では狩猟鳥獣ではない。違反すると同法八十三条などにより罰則がある[12]

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)が作成するレッドリストでは、本種の絶滅の可能性について2019年時点で低危険種(Least Concern, LC)との評価だが、推定生息個体数は減少傾向にあるとしている[1]。日本の環境省が作成する環境省レッドリスト(鳥類の最新は2014年作成2020年改訂の第四次リスト)では「青森県の繁殖個体群」が絶滅の恐れのある地域個体群として登録されている[13]

2025年現在で千葉県で絶滅危惧Ⅱ類、秋田県山形県茨城県東京都岐阜県、滋賀県、京都府山口県沖縄県で準絶滅危惧種の指定を受けている[14]。約10年前と比べて東北地方で指定が広がった。

象徴

琵琶湖の別名を「鳰の海」と呼ぶが、これは本種および近縁種が多かったからとされている。長く水中に潜っている意から、万葉集では息長川(現天野川 (滋賀県))の枕詞として登場する。

自治体の鳥

滋賀県の県の鳥として知られる。これは前述のように滋賀県を代表する湖である琵琶湖の別名に因む[15]。市町村のシンボルとしては以下の一つで指定されている。

井の頭自然文化園では水生物館の行動展示で繁殖に成功し、2010年に日本動物園水族館協会の平成22年度繁殖賞(親鳥が育てたので自然繁殖部門)を受賞した[17]。さらに2013年度のかいぼり後は井の頭池で繁殖が急増、人を恐れず来園者の目前で子育てし関心を集めている。

名前

標準和名は「カイツブリ」とされ、『日本鳥類目録』(1974)[18]、『世界鳥類和名辞典』(1986)[19]などではこの名前で掲載されている。

標準和名「カイツブリ」は、水を「掻いて潜る(掻きつ潜りつ)」が転じたか、「カイ」は、たちまちの意で[4]、潜る時の水音が「ツブリ」に転じたとする説が有力。さらに瓢箪のような体の形などから「櫂(かひ)と瓢(つぶる)」との説や、繰り返し頭から潜る「掻き頭潜(つぶ)り」などの説もある[4]。この「かいつぶり」の和名は室町時代以降みられるになった[4]

漢字は「鳰(鳰鳥)」や「鸊鷉(鸊鵜)」などで、前者を「ニホ、ニオ」、後者を「ヘギテイ」などと読むといい、いずれも『大和本草』に記載がある。同書には他にも「冬の鳥」と書く「䳉」が載っており、項目名はこの字で「カイツブリ」の読みを当てている。「鳰」は日本独自の倭字だといい、万葉集にも見られるという。大和本草ではこの字について、陸を歩くのが下手で水に入ってばかりいるという生態的な特徴を表した字なのではないかとしている[10]

脚注

  1. ^ a b BirdLife International. (2019). Tachybaptus ruficollis (amended version of 2017 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22696545A155540155. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T22696545A155540155.en
  2. ^ Brazil, Mark (2009). Birds of East Asia. Princeton University Press. p. 90. ISBN 978-0-691-13926-5 
  3. ^ 赤勘兵衛 著, 岩井修一 解説 (2008) 『鳥の形態図鑑』. 偕成社, 東京. ISBN 978-4-03-971150-2
  4. ^ a b c d e f g h i j 文一総合出版編集部編 『Birder 2001年3月号』 第15巻3号(通巻170号)、文一総合出版、2001年、8-25頁、99-106頁。
  5. ^ a b 三省堂編修所・吉井正 『三省堂 世界鳥名事典』、三省堂、2005年、121頁。ISBN 4-385-15378-7
  6. ^ 吉鶴靖則・谷口義則・大畑孝二・市川智子「豊田市自然観察の森における外来魚駆除効果と思われるカイツブリの繁殖にともなう考察」『Strix』 Vol.26 pp.147-158、日本野鳥の会、2008年
  7. ^ レッドデータブックおきなわ” (PDF). 沖縄県. pp. 93-94 (2005年). 2012年9月30日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. pp. 7-8. ISBN 978-0-8014-4501-9 
  9. ^ a b 日本鳥学会 『日本鳥類目録 改訂第7版』、日本鳥学会、2012年、37-38頁。
  10. ^ a b 貝原篤信(1709)『大和本草 巻乃十五 巻乃十六』(国立国会図書館所蔵 請求記号:特1-2292イ)doi:10.11501/2557370(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成十四年環境省令第二十八号) e-gov法令検索. 2025年8月15日閲覧
  12. ^ 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号) e-gov 法令検索. 2025年8月15日閲覧
  13. ^ 生物情報収集提供システム いきものログ > レッドリスト・レッドデータブック 環境省生物多様性センター 2025年8月31日閲覧
  14. ^ ホーム > 種名検索 日本のレッドデータ検索システム. 2025年8月15日閲覧.
  15. ^ 滋賀県の位置・県章 滋賀県庁総務部総務課 2025年8月31日閲覧
  16. ^ 三郷市の紹介 三郷市役所広報広聴課 2025年8月31日閲覧
  17. ^ カイツブリが繁殖賞を受賞”. 井の頭自然文化園. 2012年9月30日閲覧。
  18. ^ 日本鳥学会 編 (1974) 『日本鳥類目録(改訂第五版)』. 学習研究社, 東京. doi:10.11501/12638160(国立国会図書館デジタルコレクション)
  19. ^ 山階芳麿(1986)『世界鳥類和名辞典』. 大学書林, 東京. doi:10.11501/12601719(国立国会図書館デジタルコレクション)

参考文献

  • 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、96-97頁。
  • 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』、大蔵省印刷局1981年
  • 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、22頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥類I』、平凡社1986年、176頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会2007年、26-27頁。
  • 高野伸二 編『山溪カラー名鑑 日本の野鳥』山と溪谷社、1985年、14-15頁。 ISBN 4-635-09018-3 
  • 高野伸二 『カラー写真による 日本産鳥類図鑑』、東海大学出版会、1981年、187頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、141-142、182頁。
  • 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、15頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、15頁。

関連項目

外部リンク




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