音楽理論用語としてのマカームとは? わかりやすく解説

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音楽理論用語としてのマカーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/08 14:55 UTC 版)

マカーム」の記事における「音楽理論用語としてのマカーム」の解説

音楽理論用語としてのマカームは、「旋法体系システム」といったようなのである。「アラブ音楽の『音階』」と説明されることも多い。旋律音楽様式楽曲体系そのものを指すときもある。マカームは、旋律型集合体旋律の型・パターン集まりでもある。「音階旋律のめぐり方を併せ持ったもの」とも言える。同じ音程構造、つまり同じ音階型を共有するマカームもある。その時旋律のめぐり方や雰囲気などによって区別される。そして、通常2つ上のジンス(جنس jins,複数形はアジュナース,ajnās اجناس 古代ギリシア語のγένος [genos,ゲノス]より。「種類」の意)と呼ばれるテトラコルド程度範囲音域旋律単位旋律の種」によって構成されている。マカーム西洋音楽音階比べると、中立音程3/4音など)の使用特徴的である。 代表的なマカームラースト半音ではなく4分の1下げ記号をここで仮にとすると、だいたい次のような「音階」である、と描写されることが多い。 C,D,E,F,G,A,B Eの音はEフラットよりは高いがEナチュラルよりは低い音となる。どの程度になるかは時代地域楽派などによって違うが、たとえばEは音程27:22(約354.547セント)となる。 マカーム理論付けにおいて重要な役割果たした人物としてイスハーク・アルマウスィリー(アッバース朝期音楽家)、キンディー9世紀イスラム哲学創始者としても有名)、ファーラービー10世紀哲学者として有名、キターブ・アルムースィーカー・アルカビール Kitāb al-mūsīqá al-kabīr كتاب الموسيقى الكبير「音楽大書音楽大全」の著者)、イブン・スィーナー哲学者。「治癒の書」キターブ・アルシファ Kitāb al-Shifā' には音楽理論に関する章がある)、サフィー・アッ・ディーン・ウルマウィー(Ṣafī al-Dīn al-Urmawī、1216年頃現イラン西部ウルミア生まれ-1294年没、13世紀神秘主義者アッバース朝最後のカリフ・ムスタアスィムに仕え、キターブ・アルアドワール Kitāb al-Adwār كتاب الأدوار「旋法の書」の著者)などが挙げられる。またアブドゥッラフマーン・ジャーミーも簡潔にまとめた論文残している。(純粋の音楽家ではないのは、当時イスラム知識人万事興味持ち手を出すのが普通だったから)。またキンディーらの理論古代ギリシアの音楽理論著作流れ受け継いでいると言える内容で、その意味ではマカーム理論にはアリストクセノスアルキュタスプトレマイオスピタゴラスなどが関わっているとも言えるマカーム1オクターブ越え、2オクターブ渡って定義されているのは古代ギリシア音階論と関係がある)。 トルコのマカームmakamイランのアーヴァーズ、ダストガーフアゼルバイジャンムガームウズベキスタンのマコーム(マカーム)、中国新疆ウイグル自治区のムカム(マカム、マカーム)、モーリタニアのブハールも、アラブ音楽マカーム同様ののである。 他の音楽文化圏では、西洋古典音楽における「旋法」、インド古典音楽における「ラーガ」、中部ジャワ伝統音楽におけるパトゥッ(パテット)、日本雅楽における「調」である。 以下に、各種マカームについて例を挙げるが、マカーム説明参考とした資料によって違い大きく、ここでは表記一体性取れないことを注記する。 出発音マブダア(開始音)、開始音アーガーズ、終止カラール決定音)、強調音ガンマーズ(支配音)、中間停止音マルカズ、副終止音ザヒール(ダヒールとも)などの機能音が定義される

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