青函航路時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 07:36 UTC 版)
「ナッチャンWorld」の記事における「青函航路時代」の解説
ナッチャンWorldはナッチャンReraに続く双胴式の高速フェリーとして、オーストラリアのインキャット社ホバート造船所で建造された。同社の112 m級ウェーブ・ピアーサー2番船で、船体番号は065。青森港 - 函館港間をおよそ夏季1時間45分、冬季2時間15分、深夜便2時間30分で結んだ。船体には、2007年(平成19年)11月に「パレード」をテーマとして児童より公募したイラスト538点の中から選ばれた恐竜や海の生物など18作品が描かれている。 2008年(平成20年)2月19日に進水し、4月3日に公試、同月8日に完成記念式典が行われた。その後、同月10日にオーストラリアを出航、ブリスベンを経由して17日の午前7時に函館に到着した。就航に先立つ4月30日には函館港に停泊中の船内でテロ対処訓練が行われたが、この訓練は同年7月7日から9日にかけて開催される北海道洞爺湖サミットに備えたもので、北海道警察と東日本フェリーが合同で実施した。 就航式は同年5月2日に青森市の青森高速船ターミナルで行われ、同時に函館港開港150周年記念イベント「津軽海峡・海と大空のフェスティバル」が開催された。また、本船の就航に合わせて青森フェリー埠頭では新しいターミナルビルと搭乗橋の使用が開始された。しかし同年8月4日、東日本フェリーは原油高にともなう燃料高騰を理由として、運賃の3割値上げと秋・冬季の減便を発表した(これにより1日6往復12便運航されている便数が9月から4往復8便、11月から2往復4便に減少することになった)。さらに同年9月8日、燃料高騰の影響によりナッチャンRera・Worldの函館 - 青森航路と在来船で運航している函館から青森、室蘭、大間への3航路の合計で本年度49億円の赤字が見込まれることから、同年11月末をもって国内フェリー事業から撤退することを発表するとともに、2隻の高速フェリーは同年11月1日から運航を休止した。 その後は青森・函館の両港に係船されていたが2009年(平成21年)3月、函館開港150周年記念事業のPRのために、同じく開港150周年を迎える横浜港の大さん橋で展示された。翌2010年(平成22年)の2月17日に再び大さん橋に入港し、停泊中の船内で青森物産展が開催された他、2月21日には久里浜港発着の特別クルーズも実施された。また、東日本フェリーから青函航路を承継した道南自動車フェリー(現・津軽海峡フェリー)が国土交通省への期間限定での運航申請が2009年(平成21年)5月20日に認可され、同年7月18日から9月30日までの期間限定で青森港 - 函館港の間を運航した(地元漁協に配慮し減速して運航したため、両港間の所要時間は2時間45分となった)。以降2010年(平成22年)は7月17日から10月31日まで、2011年(平成23年)は7月29日から8月18日、2012年(平成24年)は8月1日から8月19日の期間限定で運航した。2013年(平成25年)以降については運航されていない。
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