青函共用走行区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:31 UTC 版)
北海道新幹線のうち青函トンネル(全長:53.85 km、海底部:23.30 km)を含む新中小国信号場 - 木古内駅間の82.1 km区間は青函共用走行区間であり、北海道新幹線と在来線(海峡線)が線路や設備を共用している。青函共用走行区間は、新幹線と在来線が共用するレール、在来線専用レール、新幹線専用レールの3本が敷設されている三線軌条区間であり、この区間特有の装置である限界支障報知装置やレール破断検知装置、車軸検知式き電区分制御装置が設置されている。また、青函トンネル内において高速走行する新幹線と貨物列車がすれ違う際の圧力変動がコンテナに影響を与えることを防ぐため、青函共用層区間では新幹線列車の最高速度が140 km/hに制限されている。このうち、青函トンネル区間では最高速度が160 km/hに引き上げられ、2020年度の年末年始以降、ゴールデンウィークやお盆、年末年始の貨物列車の本数が少ない特定時期において、始発から午後3時半ごろまでの列車に限って「時間帯区分方式」によって青函トンネル内で最高速度210 km/h走行が行われている。なお、共用走行区間のうち青函トンネル以外の明かり区間では、三線軌条の除雪が十分にできない状態で高速走行した場合に車両への着雪が増加し、安定輸送に影響を及ぼす可能性があるため、さらなる高速化には慎重な検討が必要とされている。 新幹線列車が200 km/h以上で高速走行する際には、営業列車の走行前に確認車による確認が必要になる。通常の新幹線路線では6時間程度の間合いが確保できるが、青函共用走行区間では夜間も貨物列車が走行するため、短い時間しか間合いを確保できない。そこで、確認車の速度を90 km/hから120 km/hに引き上げた高速確認車を開発した。従来の確認車では目視と検知棒による確認であったが、高速確認車では、より遠方を確認できる遠隔監視カメラや、新幹線専用レールと在来線専用レールの間の支障物を感知するシステムを導入している。また、新幹線列車が200 km/h以上の高速走行を行う際に、共用走行区間内に貨物列車が在線していないことを確認するとともに、万が一貨物列車が在線していた場合に新幹線列車を低速走行に切り替える「誤進入検知システム」を開発した。 高速化の経緯は#青函トンネル内の高速化を参照
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