第二青函トンネル構想
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「青函トンネル」の記事における「第二青函トンネル構想」の解説
2014年7月9日付河北新報によれば、青森県議会議長は同年6月30日の定例記者会見にて、国土交通省事務次官に対し非公式ながら「もう1本掘ってください」と伝えていたことを明らかにしている。 2014年-2015年頃、複数のゼネコン、コンサルタント会社により「鉄道路線強化検討会」が発足。2016年、青函トンネルの西側に、貨物専用の第2青函トンネルを建設する構想を取りまとめている。工費は約3900億円、工期は約15年を想定した。第一の背景として、2004年に国土交通省が「平成16年度の整備新幹線建設推進高度化等事業」における「青函トンネルにおいて貨物列車が新幹線上を走行する場合の安全性の検討などを行う」調査を実施し、それを受けて2012年7月には国土交通省内で「青函共用走行区間技術検討WG(ワーキンググループ)」も設置され、その議事録で「北海道新幹線札幌延伸の10年後には現在の青函トンネルも大改修が必要となり、そのときに減速しながらの作業となってしまっては意味がない」という意見もあった事や、2016年12月の豪雪の際に航空便が欠航した際も札幌-新函館北斗間の特急列車が大混雑となった事や貨物列車の増発に現状の青函トンネルでは容量不足であるという需要の必要性が挙げられる。 2017年2月14日付の北海道新聞によれば、日本プロジェクト産業協議会は同年2月13日、貨物列車用と自動車用の2本のトンネルを新たに建設し、トンネル内に送電線やガスパイプラインを敷設することで、既存の青函トンネルを新幹線専用とする構想を発表した。事業費は約7500億円、工期は約20年間を想定し、地上から海に向かって掘り進む際の傾斜を急にすることで延長を約30 kmに短縮するとしている。その後2020年には道路案と貨物列車案を折衷し上部に2車線の自動運転車専用の本線車道と下部に貨物列車用単線鉄道と緊急車用路・避難路を設けた事業費約7200億円・工期15年・延長約31 kmの構想を発表している。 また有人運転に対応した道路専用トンネルとして、「第二青函多用途トンネル構想研究会」が延長30 km、内径14.5 mの円形トンネル事業費7299億円、工期10年から15年、道路構造規格第1種第3級、上部に完成2車線本線車道と下部に緊急車両用道路及び避難路、設計速度80 km/hの想定計画を発表しており、レベル3以上の自動運転に対応する場合に内径を2 m程縮小することも織り込まれた。 ちなみに現在、本州・四国間には瀬戸大橋を渡るルートなど3本の本州四国連絡道路が、本州・九州間は関門トンネルや関門橋といった道路がすでに開通しているが、本州・北海道間を自動車で走って行き来できる道路は存在せず津軽海峡フェリーまたは青函フェリーといったカーフェリーを必ず利用することとなるが、本州・北海道間に自動車トンネルが完成すれば、日本の4つの主要な島全てを自動車で走って行き来できるようになる。
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