集積回路の誕生とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 集積回路の誕生の意味・解説 

集積回路の誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 03:25 UTC 版)

集積回路」の記事における「集積回路の誕生」の解説

実際に集積回路考案したのは、レーダー科学者ジェフリー・ダマー英語版)(1909年生まれであった。彼はイギリス国防省王立レーダー施設働き1952年5月7日ワシントンD.C.でそのアイデア公表した。しかし、ダマー1956年そのような回路作ることに失敗した。各企業集積回路実現目指して、RCAのマイクロモジュール、ウェスティングハウス・エレクトリックのモレキュラーエレクトロニクス、テキサス・インスツルメンツのソリッドステートサーキットが開発された。 初期集積回路概念は、モノリシックICというより後のハイブリッドICに近いもので、この概念にしたがって基板真空蒸着抵抗素子コンデンサ形成してトランジスタ組み合わせる薄膜集積回路や、現在のプリンテッドエレクトロニクス相当する印刷技術により抵抗配線コンデンサなどを1枚セラミック基板上に集積した厚膜集積回路開発されていったまた、1958年にはウェスティングハウスから「Molectronics」という名称の集積回路概念発表され1960年2月Semiconductor Product誌に掲載され記事触発されて、電気試験所でも同年12月に、見方次第ではマルチチップ構造ハイブリッドICともいえる、ゲルマニウムペレット3個を約1 cm角の樹脂容器に平行に配列した集積回路試作成功した1961年2月には、ウェスティングハウス技術提携した三菱電機から、11種類のモレクトロンが発表された。日本最初モノリシック集積回路は、東京大学日本電気 (NEC) の共同開発とされる著名な集積回路特許は、アメリカ合衆国の別々の2つ企業の、2人研究者による異なった発明それぞれ発行された。テキサス・インスツルメンツジャック・キルビー特許「Miniaturized electronic circuits」は1959年2月出願され1964年6月特許となった (アメリカ合衆国特許第3,138,743号)。フェアチャイルドセミコンダクターロバート・ノイス特許Semiconductor device-and-lead structure」は1959年7月出願され1961年4月特許となったアメリカ合衆国特許第2,981,877号)。しかし、「キルビー特許紛争」などと呼ばれるように(ちなみにキルビー特許」に対しノイス特許は「プレーナー特許」と呼ばれることがある多く議論発生させることとなった技術的な内容とはほぼ無関係に業界権益争いとして、特許優先権委員会においてどちらの特許が「集積回路特許として有効であるか」を、法的に認定させる争い勃発した技術的な判断目的なのではなく、あくまで「法的にどちらが有効か」を認めさせることが目的である)。キルビー特許出願から10年10か月経て決着しノイス勝利確定した。しかし、そのような法的勝利は、実際にはほとんど意味がなかった。 ライセンスビジネス的には、1966年テキサス・インスツルメンツフェアチャイルドセミコンダクターを含む十数社のエレクトロニクス企業が、集積回路ライセンス供与について合意達していたからであり、技術法律ビジネスというものについて、教訓的な事例となっている。またさらに日本では20年紆余曲折経て1989年特許となったことで、莫大な額の請求等を伴う紛争となり「サブマリン特許制度」のタチ悪さ際立たせるという役割を担う結果となったキルビーノイスは後に、ともに国民栄誉賞を受け、同時に全米発明家栄誉の殿堂入りをした。

※この「集積回路の誕生」の解説は、「集積回路」の解説の一部です。
「集積回路の誕生」を含む「集積回路」の記事については、「集積回路」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「集積回路の誕生」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「集積回路の誕生」の関連用語

集積回路の誕生のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



集積回路の誕生のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの集積回路 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS