集積回路のROMが登場する以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 22:50 UTC 版)
「ブート」の記事における「集積回路のROMが登場する以前」の解説
IBM 701 (1952–1956) には "load" ボタンがあり、それによってパンチカード、磁気テープ、磁気ドラム装置のいずれかから先頭の36ビットワードを読み込む。そのうち先頭の18ビットは命令として実行され、通常はメモリに追加のワード群を読み込む命令になっている。IBM 1401 (1958) では同様にパンチカードリーダーからプログラムをロードする。80文字が格納されたパンチカードの内容は 001 から 080 番地のメモリに読み込まれ、001番地から命令として実行開始する。命令は通常いつも同じで、この先頭80文字分の情報をアセンブリエリアに転送し、2枚目以降のパンチカードの内容を読み込んでプログラムを構成する。アセンブリエリアに転送し終わると、080 番地の命令へジャンプし、そこにある命令(カードを読み込む命令)を実行することで、次のパンチカードを読み込み、その情報を処理する。つまり、パンチカード1枚ずつが次のパンチカードをブートストラップする形になっている。 CDC 6600 (1964) には144個のトグルスイッチを備えた dead start と呼ばれるパネルがある。このパネルで12ワードの情報を0番の周辺プロセッサ (PP0) のメモリに転送する。それを命令列として実行することでPP0は自身のメモリに必要なコードをロードし、他のPPを初期化する。 GE 645 (1965) には "BOOT" ボタンがある。 Multics (1967) にはブートコマンドがあった。 UNIXでは、The Unix Programmer's Manual 第1版(1971年11月3日)に "boot" への言及がある。 1975年、CSELT(英語版)の研究者であるアルベルト・チャラメッラ(英語版)は、電話交換機のコンピュータをブートするデバイスの特許を取得した。ブートローダは、現代のROMメモリに常駐し、ブートプロセスはシングルボタン圧力から起動した。デバイスは、アドオン(例PDP-11用)などの任意の種類のコンピュータに適していた。
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