通報から警察官が到着するまでの流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 14:13 UTC 版)
「110番」の記事における「通報から警察官が到着するまでの流れ」の解説
110番に通報すると、原則として通報地点の固定電話MAエリアないしは携帯電話の基地局を管轄する警察本部の通信指令室(管轄部署は地域部もしくは生活安全部通信指令課)へと繋がる(東京都であれば桜田門の警視庁本部もしくは多摩総合庁舎の「通信指令センター」、北海道であれば北海道警察の警察本部もしくは旭川・北見・釧路・函館各方面本部の通信指令室)。このような地域は「110番集中収容地域」と呼ばれるが、島嶼部では管轄の警察署に直接繋がる地域もある。 また県境などから携帯電話を使用した通報では、電波を受信した基地局により隣県の警察本部に繋がることもあるが、近隣の警察本部と連携を取っているので掛け直す必要はなく、警察側で電話を転送する。警察本部には1か所もしくは管内遠隔地等に複数の通信指令室が設置され、110番受理台で担当の警察官が応答する。 110番を受けた受理台は、直ちに状況を聴取するが、必要に応じ指令台でも同時に通話聴取が可能で、現場周辺を巡回中のパトカーに警察無線で「(警察本部名)から(パトカーの識別信号)へ。(事案内容)が(現場所在地)で発生。現場で通報者に会い事象を把握せよ。(現場の所轄署)へ、110番受理番号はXXX」と指令することが可能である。かつて、パトカーに位置自動報告装置(GPS応用のカーロケーターシステム)が装備されていなかった時代は、事案発生場所をアナウンスし「近い局(移動する無線局≒パトカー)どうぞ!」と呼びかけたが、現在ではカーロケーターシステムおよび、地域警察デジタル無線システム(PSWとPSD)ならびに、ポリストリプルアイにより、各局(署活系に限る)、各移動局(カーロケ搭載車両に限る)の公安車両以外のすべての局の所在をリアルタイムに把握している。 パトカーが近くにいない場合は、現場所轄の警察署へ“交番、または、地域課、交通課の警察官を現場へ向かわせよ”と指令する(JRの鉄道施設内で発生した事件、事故の場合は鉄道警察隊へ、高速道路上で(サービスエリア、パーキングエリア内等高速道路付帯施設を含む)発生した事故、事件の場合は高速道路交通警察隊へ指令を出す)。事件性や緊急性が高いと判断する場合(交通人身事故、強盗事案、発砲音が聞こえた、人が血を流して倒れている などという通報)は「受傷事故防止に配意しながら至急現場に急行せよ!」と指令し、警察車両はサイレンを吹鳴し回転灯を明滅させて緊急走行する。 110番通報を受けてから、警察官が現場に到着するまでの時間である「レスポンスタイム」は、全国平均で7分25秒(令和元年度警察白書より)。 110番で使用する電話回線は一般公衆回線とは異なり、通報者が一方的に通話を切断しても、110番受理台側で回線を開放しない限り接続状態が維持され、110番受理台側から呼び返しが出来、電話番号冒頭に非通知設定の184を付加しても、通話の逆探知を実施している。これは、通報途中で通話が途切れても、必要な情報の聴取を可能にするためである。
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