近・現代の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:55 UTC 版)
上記のごとく以前は日本では、少なくとも庶民の間では、結婚式は自宅で行うことが多かった。神社で行う「神前結婚式」はそれ以前にも行われていたものの、数としてはごく少数であった。1873年には英国籍の中華系シンガポール人の貿易商タン・ベン・テキ(Tan Beng Teck/陳明徳)と日本女性の磯部和以(わい)が日本で最初とされる西洋式の結婚式を挙げている。 1878年(明治11年)12月9日、出雲大社宮司千家尊福が神前式を行い、その内容が「婚禮式」として残されている。 1885年(明治18年)、元は日蓮宗の僧侶であった田中智學によって創設された「国柱会」の前身「立正安国会」において仏教における結婚式(本化正婚式)の規定が定められた。田中智学の思想「仏教夫婦論」により、明治維新以降の日本において夫婦の結婚(つまり一夫一妻制に基づく結婚)を制度化することは国家の近代化に不可欠であるとされた。この立正安国会による仏前結婚式が、仏教史上はじめての正式な結婚式である。 1900年(明治33年)5月10日に皇太子嘉仁親王(大正天皇)と九条節子(貞明皇后)が結婚。正装した男女が、宮中三殿に拝礼し、神の前で夫婦の誓いを立てる形式の結婚の儀が行われた。これは社会的にも大きな反響を呼び、市民から神前での挙式を望む声が上がった。これに応じて、神宮奉斎会(現在の東京大神宮)が結婚の儀を模した形で「神前式」の儀式を新たに創設、国民の間に定着していった。 戦後になり、軽井沢の教会での挙式を嚆矢として、高度経済成長期に結婚式場による「キリスト教式」も流行するようになった。 石井研二國學院大學教授によると「日本の結婚式で宗教性が加わったのは高度経済成長期以降で、1960年代に神前式が普及し、1970年代には8割を占めた、ピークを迎えたのは団塊の世代。1990年代になるとチャペル式が急増し、海外挙式を合わせると約7割を占めるようになった。2018年9月28日、エイチ・アイ・エスが企画したハワイでの挙式プランやツアーについて式場の建設工事遅れで急遽中止したことを明らかにした。2018年9月から2019年9月までの予約分260組が対象。代金を全額払い戻し、代替プランを提案。エイチ・アイ・エスは観光庁に事実関係を報告。H.I.S.は返金とともに見舞金を支払う。利用客の大半は別の式場で挙式に変更したという。
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