高度経済成長期以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 15:37 UTC 版)
1963年(昭和38年)には、アメリカから帰国した中島孝司氏によってモータリゼーションの発展に伴い、石川県加賀市に日本初のモーテルといわれる「モテル北陸」が開業。当初は長距離ドライバーやドライブ帰りの家族客を当て込んでいたが、当時の住宅事情もあってセックスを目的としたアベックが殺到。需要があるならとそちらに経営方針を転換、現在のラブホテルにも採用されているシステムを多く生み出した。鉄道駅界隈のみであった連れ込み宿と異なり、カップルが知人に会うリスクも回避できる上、地価の安い山の中に建設できること、またモーテルという欧米のお洒落なイメージが人気を博し、地方にも続々と拡散。1968年には1413件まで拡大した。 1960年代後半からデザイナー・亜美伊新等による豪華絢爛でユニークな「仕掛けホテル」として、派手なネオン、鏡張りの内装、回転ベッドや透明風呂などセクシャルなアイテムが備えられたホテルが見られる様になった。特に東京の千駄ヶ谷でそのような施設が多く見受けられた。 1970年代には「ラブホテル」という呼び方が一般的となり、“ラブホテル=徒歩で入るホテル、モーテル=車で入るホテル”という線引きで仕切られた。ホテル名は、「エリザベス」「ロイヤル」「皇帝」等と言った西洋の王族をイメージする屋号が流行した。また1970年(昭和45年)の大阪万博を機に、「アメリカン」「ニューヨーク」「ナイアガラ」といった外国の地名を模した屋号も増加した。 1973年(昭和48年)には、おとぎ話の城のような外観、男女がゴンドラに乗りお風呂に入るという「ゴンドラバス」等豪華な設備の目黒エンペラーが開業となり、全国にお城型のラブホテルが増加した。特に地方では存在感を目立たせなくては注目され難かったことから、派手なネオンサインなど人目を引く外観のホテルが特徴であった。 70年代前半までアメニティグッズは男性用のみであったが、70年代後半に出勤前にホテルでセックスしてもヘアセットが崩れないという理由から、シャワーキャップがバーのホステスに好評を博し、女性用のアメニティグッズが増加した。
※この「高度経済成長期以降」の解説は、「ラブホテル」の解説の一部です。
「高度経済成長期以降」を含む「ラブホテル」の記事については、「ラブホテル」の概要を参照ください。
- 高度経済成長期以降のページへのリンク