高度経済成長と衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 11:09 UTC 版)
1945年の神戸大空襲で新開地は松竹座と聚楽館を残して全焼したが、戦後まもなく娯楽施設が復活。新開地本通りに20以上の映画館が軒を連ねる有数の映画の街として大いに賑わった。しかし、戦後、新開地南部が長く進駐軍に接収されたために復興が遅れることとなる。また、隣接する福原の遊廓が、売春防止法の施行に伴い消滅する。そして、映画が娯楽の主役から転落したうえ、1957年に市役所が三宮に移った事により、神戸市の中心も三宮に集約され、1960年代後半になると娯楽の多様化で映画館や演芸場が閉鎖。 さらに1968年、地下に神戸高速鉄道が開業、新開地駅が誕生すると神戸電気鉄道(現在の神戸電鉄)の始発駅となるが、地下コンコース内で阪神・山陽・阪急への乗換が完結してしまう構造であるうえに、神戸市電が廃止されたことで人通りはかえって減少した。これに、1970年半ばに神戸港沿いの川崎重工業造船所の縮小で街は寂れる一方となった。 そして、映画と実演の神戸松竹劇場や演芸場の神戸松竹座などが次々と閉鎖され、代わってパチンコ店が建設されていく。「ええとこ」と謳われた聚楽館も閉鎖された。残った映画館もまた成人映画を主体に上映するようになり、顧客誘致のため設けた商店街のアーケードがかえって暗い雰囲気を醸しだしていた。福原地区とともに風紀が乱れていき労務者が車座で飲酒する風景もあった。このために、「神戸一の繁華街」から「行くのがはばかられる場所」と見られて長期にわたって低迷傾向に陥っていた。 ファミリーコンピュータのゲームソフト「ポートピア連続殺人事件」でも、主人公が実在したストリップ劇場である「新劇ゴールド」を模倣した「新劇シルバー」に入るシナリオがある(この劇場は帝国銀行であった建物を改装して営業していた。震災により廃業して現在はマンションへと変わっている)。
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