豪華な設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 02:57 UTC 版)
「最後の大型プロペラ旅客機」の名にふさわしく、その装備は後に語り草になるほど豪華なものであった。国際線仕様の場合、2階構造の客室内にはベッド(折畳式寝台)や男女別の洗面室を、また、1階客室にはバー用のギャレーやソファを併設した豪華なラウンジを装備することができ全社この仕様を採って、乗客は優雅な空の旅を楽しむことができた。このような特徴から「空飛ぶホテル」との異名も持つ。 軍用の「C-97」をベースに民間仕様「377ストラトクルーザー」として発表し、注文受付を開始した際には1階客室を寝台とするか座席仕様の大量輸送機にもできるものとして同時に売り込みを開始したが、当時はこのクラスの大型機を運用できる空港が少なく、キャパシティを持て余す事情から、初期はもっぱら大洋を渡る長距離航路専用機材として使用し、機内レイアウトをファースト・クラスのモノクラスで運行していた。この機体仕様および運用形態は、1930年代後期の大型飛行艇に近い前世代的な内容である。 映画評論家の淀川長治は1951年、アカデミー賞の授賞式に映画監督の黒澤明の代理として出席するためアメリカへ渡航した際、パンアメリカン航空のボーイング377に羽田 - ホノルル間で搭乗し、ベッドで就寝しラウンジで同乗した映画監督のクラレンス・ブラウンらと歓談した思い出がその自伝に綴られている。 また、1954年2月1日に、ハリウッド女優のマリリン・モンローと元大リーガーのジョー・ディマジオが新婚旅行で日本を訪れた際には、パンアメリカン航空の寝台つきのボーイング377が使用された。
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