近代教科書関係資料とは? わかりやすく解説

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近代教科書関係資料

主名称: 近代教科書関係資料
指定番号 156
枝番 0
指定年月日 2009.07.10(平成21.07.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 76420点
時代区分 明治昭和
年代
検索年代
解説文: 資料は、東京書籍株式会社附設教科書図書館東書文庫保存されている近代教科書関係の一括資料である。
 東京書籍株式会社明治42年(1909)に創立し同年から国定教科書翻刻発行許可された3社のうちの1社で、教科書発行会社として今日至っている。第三社長石川正作は、教科書散逸憂い後世伝えるため、自社発行国定教科書のみならず幅広く教科書関係の資料の収集・保存企図した。そこで、昭和11年1936東書文庫開設し教科書保存公開行い教育史研究長く寄与してきた。
 東書文庫所蔵する資料は、東京書籍株式会社発行教科書とその関係資料文部省から移管された教科書、これらを補完する収集された教科書類で構成され江戸時代往来物から現在使用されている教科書まで、系統的体系的にまとまった資料群である。
 今次対象としたのは、このうち明治以降近代学校教育用いられ教科書とその関係資料で、明治5年学制発布後、「小学教則」で標準教科書として示されたものから、昭和24年以降発行検定教科書普及前に使用され文部省著作教科書まで、総数76000点を超えるのである
 教科書類は、小学校旧制中学校女学校師範学校女子師範学校実業学校青年学校旧制高等専門学校など、明治以降の主に初等・中等教育用いられ幅広い教科にわたるものである。これらは明治初頭自由な翻刻発行時代から、明治19年以降検定期、同37年以降国定期、戦後暫定教科書文部省著作教科書発行時期まで、制度の流れ追って連綿と保存されており、教育政策教育観子供観等の変遷うかがえる
 なかでも国定教科書については、一般に刊行され供給本とあわせて文部省から東京書籍株式会社下付され見本本がまとまって残されている。国定教科書は、文部省作成した非売品見本本が翻刻発行会社渡され、その見本通り供給本を印刷しなければならなかった。これら見本本や校正用いられ教科書からは、国定教科書製作の過程うかがえる
 掛図重要な視聴覚教材として明治初期から普及したが、大型保管難しく傷みやすいことから、まとまって保存されることは稀である。良好な状態で保存され805点の掛図国内最大級の規模である。国定期の掛図には、文部省から東京書籍株式会社下付され見本本も含まれている。
 教科書及び掛図原画板木も、教科書製作・印刷技術を知ることができる貴重な資料である。
 原画144点は、主に昭和初期東京書籍株式会社発行した掛図及び教科書挿絵原画で、水彩一枚物のほか油彩絹本著色のものなども含まれる
 板木は、全て木版で、国定教科書挿絵用いられ木口木版板木などからなる教科書製作には明治20年代から活版印刷が採り入れられ鉛版や電胎版による複版新たな製版印刷技術順次採り入れられたが、原版として木版使用することは昭和10年代まで続いた
 以上のように、本件は近代教科書関係資料として質量ともに最も充実したもので、近代学校教育研究における基礎資料であり、加えて教科書製作過程伝えることから、我が国教育史上出版文化史上等に価値が高い。
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