近藤重蔵関係資料
主名称: | 近藤重蔵関係資料 |
指定番号: | 63 |
枝番: | 0 |
指定年月日: | 1992.06.22(平成4.06.22) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 歴史資料 |
ト書: | |
員数: | 760点 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 近藤重蔵(一七七一-一八二九)は、名は守重【もりしげ】、字は子厚【しこう】、正斎【せいさい】・昇天真人【しようてんしんじん】と号した。幕臣の家に生まれ、寛政十年(一七九八)から、松前蝦夷地御用【まつまええぞちごよう】として蝦夷地の経営と調査に従事した。後に書物奉行に転じ、一一年間にわたって江戸城の紅葉山文庫【もみじやまぶんこ】の管理運営に携わった。公務の傍ら多くの研究を行い、日本外交史に関する『外蕃通書【がいばんつうしよ】』、蝦夷地周辺の地誌とその防備について述べた『辺要分界図考【へんようぶんかいずこう】』、紅葉山文庫の貴重書について考証した『右文故事【ゆうぶんこじ】』等多数の著作を残した。これらは今日でも高い学問的価値を有している。文政九年(一八二六)長男富蔵が起こした殺傷事件の責任を問われて改易となり、預け先の近江国大溝藩で歿した。 今回の指定に係る資料は、重蔵の職務と研究活動に関連するもので、総数七六〇点を数える。内容から(一)著述稿本類、(二)文書、記録類、(三)書状類、(四)考証資料類、(五)地図、絵図類に大別される。 著述稿本類は、『右文故事』『外蕃通書』等の草稿本・清書本である。文書、記録類は重蔵の身上に関するもの、蝦夷地勤務中や書物奉行在任中の職務に関する記録や上申書、重蔵が興した私塾「白山義学」関係の文書等がある。書状類は多くが重蔵宛のもので、松浦静山・太田南畝・谷文晁・滝沢馬琴等のものがあり、その交友関係を物語る。考証資料類は、重蔵が学問研究のために作成・収集したもので、古器物の図、絵画の模写、文書の影写、旗の雛形、蝦夷地に建立した標柱の拓本等形態内容とも多岐にわたっている。地図、絵図類は、大部分が蝦夷地の地図で、重蔵の任務に伴って作成された図および『辺要分界図考』の著作に用いた図が多い。 これらの資料は、近藤重蔵の事績とその学問を知る上で重要であるとともに、緊迫しつつあった北方地域への幕府の対処を示す資料として価値がある。また書誌学・古文書学研究上も貴重である。 |
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