近衛家所領目録〈建長五年十月廿一日/〉
主名称: | 近衛家所領目録〈建長五年十月廿一日/〉 |
指定番号: | 176 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2000.06.27(平成12.06.27) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 古文書 |
ト書: | 享徳三年書写奥書 |
員数: | 1巻 |
時代区分: | 室町 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 『近衛家所領目録』は摂関家筆頭の近衛家に伝わる荘園目録である。この目録の淵源は、本奥書に「所領濫觴者、委見延久二年十月六日進官目録」と記載するように、後三条天皇が延久元年(一〇六九)に断行した荘園整理令で提出した目録等により、建長五年(一二五三)十月に、氏長者領【うじのちょうじゃりょう】・氏寺領【うじでらりょう】を含めた荘園目録が作られた。該本は、この建長五年目録の写本である。 記載は、「庄々間事」に始まり、「庄務無本所進退所々」等が順次書き上げられている。後半は「庄々相承次第」として藤原道長の子息・頼通からの伝領【でんりょう】系図を載せている。内容は、臨時の大番領・散所等を除いて、一五三か所の庄園を数える。畿内五か国が中心であるが、北は出羽国寒河庄・陸奥国栗原庄、南は薩摩国島津庄など全国的に領している。内訳は、①私的な別相伝地、②本所として一定の得分【とくぶん】がある所領、③進止権【しんしけん】を保留して寺社に寄進した所領五か所、④年貢収取権を寺社に寄進した所領四か所、⑤本所の庄務を進退する所領、⑥在地領主を請所として得分権をもつ所領からなり、一三二か所には伝領の由来を示す注記が付されている。 体裁は、巻子装で、元徳元年(一三二九)具注暦【ぐちゅうれき】の裏を用い、端裏書【はしうらがき】に「御領之目録」とある。書写奥書は「享徳三年九月十四日以旧本令写之了」とあり、享徳三年(一四五四)に書写したことが知られる。建長五年の所領目録の原本は不明であり、室町時代以前の古写本も現存しない。 原本が失われている現在、本目録は室町時代の書写ではあるものの、最古の『近衛家所領目録』であり、鎌倉時代の近衛家領と延久荘園整理令を知るうえでの第一級史料である。 |
古文書: | 近江国香庄文書 近衛家基筆消息 近衛家実摂政辞表文書 近衛家所領目録 造興福寺記 遊行歴代他阿弥陀仏書状類 達磨寺中興記石幢 |
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