教育史上
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 20:03 UTC 版)
宗教と教育との歴史は、ヨーロッパにおいては中世から近代への橋渡し期において極めて重要視された(現在の「School」の語源である、「scholasticus」はスコラ学によって確立されており、そのスコラ学からルネサンスを生んでいる事から見ても明らかである。)。 しかしながら、日本においては宗教が教育を行う事例は江戸時代における寺社が行う寺子屋とよばれる私塾のみであった。明治時代において確立しはじめる近代教育制度においては、宗教的な教育よりは実学的な教育が重視され、例外として聖職者を養成するキリスト教などの場合において教育制度上取り入れられた。 しかし、満州事変以降の時代において国家の統一及び治安を維持する目的から、「政府の命令=神からの宣託」とするために、天皇の神格化や勅令違反の厳罰化が行われた。特に、国家総力戦期にあたる昭和10年代に入ると、1941年3月1日に公布された、「国民学校令」に基き設置された、国民學校における授業科目の中に、国民科と呼ばれる教科があり、その中には修身、国語、国史及び地理とあり、その目的は「皇国ノ道二則リテ初等普通教育ヲ施シ国民ノ基礎的錬成ヲ為スヲ以テ目的トス」とある。その状況の中で、国体概念、日本精神を根本とする思想、学問による統制が行われたとする。 戦後は、教育上においては「聖職者」や「僧侶」、「神職」などを養成する学科を除いて、宗教に関連する教育は行われなくなった。ただし、モラルの養成を目的とする「道徳」や「倫理」などの科目は、初等教育から中等教育まで取り入れられた。
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