車両詳説
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「クリスタルエクスプレス トマム & サホロ」の記事における「車両詳説」の解説
「全面展望」を設計コンセプトの主軸とし、内装はハイデッカー構造や展望車が中心となっている。座席はバケットタイプのリクライニングシートで、シートピッチは960mmである。 当初は3両編成で登場したが、翌1990年(平成2年)12月にダブルデッカー車両のキサロハ182-5101を増結し、4両編成となった。 キハ183形(5101・5102)編成の両端に組成される、運転台付きの先頭車。5102が1号車、5101が4号車として使用される。 運転台を2階に上げて先頭部を乗客に開放する名古屋鉄道パノラマカー方式の展望車とした。客席部は床面を300mm上げたハイデッカーとし、側窓も屋根肩にまでかかる曲面ガラスとなっている。 かつては展望席が各8席設置されていたが、2010年1月に函館本線妹背牛 - 深川間で発生した789系電車1000番台「スーパーカムイ」の踏切障害事故に鑑み、同年5月25日に座席をすべて撤去した上で、乗客が立ち入らないよう仕切扉が設置された。これにより、定員は当初の44人から36人に減少した。 キハ182形 (5101)2号車として使用される中間車。定員は56人。 車体断面はキハ183形よりさらに大きくとり、屋根肩部に天窓を設けるとともに妻部にも窓を設けた「ドームカー」として360度の展望を確保している。各席にシート液晶モニターが設置されていたが、2003年(平成15年)に撤去され、その後は各車車端部と展望室ならびにグリーン個室に大型液晶モニターが設置されている。 キサロハ182形 (5101)3号車として使用される2階建て車両で、1990年12月に増備された。気動車列車では日本初の2階建て車両である。台車間に1階部分を落とし込む構造で、走行用機関を搭載しない付随車となっている。 台車は廃車発生品の電車用TR69D形を装着する。これはJR北海道が日本国有鉄道(国鉄)から継承しながら、一度も営業運転に就かずに廃車になったサハネ581-15から流用したものであり、以下の改造が実施された。 冬期での走行中に車体下部に氷雪が当たらないように、車端側に雪かき装置を装備。レール面上から145mmの位置に設置しており、台車枠に溶接で取り付けられているが、その際にひずみや熱が台車枠に加わるため、その処理技術を持つ車両製造メーカーの日立製作所に委託契約して取り付けが実施された。 ブレーキシリンダとブレーキテコを785系と同じタイプに取替え。 ブレーキ管装置と空気ばねの取替え。 踏面清掃装置の取り付けと同配管の設置、781系を参考にしている。 車軸速度発電機の取り付け。 その他の付属機器の改造 2階客席は4人用のボックスシート(普通席)を7組配置し、1階には4人用のグリーン個室を3室設置する。シートはソファタイプである。2階部分と平屋部分車端部の2か所にラウンジを設け、平屋部に設けられたラウンジには、妻面にかかる曲面ガラスを設けて斜め方向の展望を確保している。 なお、2010年時点ではグリーン個室は普通個室扱いとなっており、山陽新幹線の700系E編成「ひかりレールスター」で運行される列車と同様な利用制度になっているが、形式はキサロハのままで個室はフルムーン夫婦グリーンパスでも利用可能である。 登場当時の車内にはオーディオサービス・TVモニター・大型テーブル・デラックスソファーなどを備えていた。
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